2010.03.23
キャビネットの本質を追及中。
(0) (0)
工房では、自分たちの道具を仕舞う為の
キャビネットを作っています。
良い仕事をする為に、良い道具を仕込んで、
ではやっぱりきちんと収納しなくちゃ、ならないわけで。
そのための引出し作りを、しっかりやっています。
今日は、その引出しの、鏡板の話。
思えば、大木を倒したのはこれが最後じゃないかな...。
2005年、4月5日の出来事。工房の裏にそびえ立つ栗の樹を
当時のお弟子さんたち3人と、父と僕で倒したのです。
本当に立派な栗で、相変わらず僕は切る事には
相当のためらいがあったのですが
結局は、あれよあれよという間に。
その木が丸太のままの4年程の天然乾燥の後、
いまは閉じてしまった新井製材さんでの製材、
板材にして天然乾燥1年、乾燥室で1年の乾燥をさせて
昨年、ようやくひとつの作品に。
↑Uさまに御注文頂いた【planche2009】
ただ、もちろん大木といっても
作品にする材料としては節もワレもある材料だったので
この作品を気取ったあとは、巾広の材はとれなかったのです。
そこで、今回の引出しの鏡板にしています。
そしたら...。
なんという素晴らしい風情。
全てに携わった時間への感動
はもちろん、逞しいヤマグリの歴史を感じさせる様で
圧巻です。
今、工房で制作にあたっているお弟子さんたちには
この感動を分けてあげる事が出来ないでしょう。
なにしろ、木を切ったお弟子さんは皆卒業してしまったし
その人たちと修行の時間を共有している人すら今の工房には居ないのですから。
けれど、木の仕事というのは
樹の生命そのものだけでなく
そこに携わった人々の樹への想いへも
こたえなくてはならない
その事実があるのだということを
僕は痛感しているのです。

