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日々のハナシ

2010.03.28

準備。

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僕は最近自分がどんな特徴の持ち主なのか考える事が多くて
それというのも

自分がこれから物を作る、作り続ける上で
世の中にたいする貢献度というか、

あ、これは前田大作じゃないと作れないというそんな、

そんな物が作れるのかどうかという事を
デザインする気の長い準備なんじゃないかと思うから。

デザイン作業にもきっと短期中期長期のスパンってものがあって
超長期的に僕が考えてるのは

僕の絶筆はなんだろうか。

という事だしやはりそれは僕の人生で
メモリアルな物であれば嬉しいと
そう思う反面で

たとえばいつまでも作品が右肩上がりに良くなり続ける事も
本当に可能なのかは分からない(あきらめてもいけない)し
むしろビートルズは初期のナンバーが有名だったりする事実に
直面するとさすがに怖かったりもする。

けれど僕はきっと
喰えなくなったら木工をやめてでも家族を養う
という事を自分の未来に認めたくなくて
口に出す事もできなくてつまりそれが長期的なデザイン。

家業を潰すっていうことになってしまうからかな
それはやっぱり恐ろしい...。

絶対にやめないですむようにしなくてはいけない
これが僕の物作りコンセプトなわけであって

つまりチャートに名前を連ねるヒットメーカーにならずとも
地道に制作を重ねたいし
その中で作品の評価に世間の抑揚があっても
結局は

あ、これは前田大作じゃないと作れないというそんな、

そういうところに近づいていくしかない様な気がするから。


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工芸家としての成長をデザインするというのは
じつはとても面白い考え方であって
僕が一番始めにこの発想に出会ったのは金工の井尾先生が
10年程前に父のところへ打合せにいらしたときの酒の席でのことでした。

「大作くん、わかるでしょ。自分がなにを求められているかを掴まないと、ね。」

当時僕は家業を継ぐという事を実行に移した直後で
つまりそれが僕の人生のデザインには必要な要素だったわけで
これは今後も揺らぎようのないことなんだけど
井尾先生のお話も修行をはじめた僕に対して
授けて下さったものだと感じていました。

でも何を求められているかを掴むという行為は、
人間皆に言える究極の事であるように僕には思えて
その役割を果たすことが個々の人生の言ってみれば命題のような気がする。

伝統工芸の家で
男の子で
父も盛んな制作活動をしていて

そんなところで生まれて来た僕には
やらないわけにはいかない、という事。

それが「求められていること」だから、やっぱり掴まないといけない訳で。
(自由に仕事を選べる人は、その役割を掴むべきで、例えば新規産業を興したりとか。)



かなり長い前フリで恐縮だが
二日酔いでまったく仕事が手につかないため
暖気運転的に最近モヤモヤしている事を整理しておきたかったので...。



で、ようやくタイトルに行き着いて、
「自分がどんな特徴の持ち主か」それはずばり
僕は「準備」が好き。

なんかこの日の目を見ない裏方思考な性格に
大学時代は相当嫌気がさしていたのだが
(周りが皆スターで4年間ずっとローテンションだった)
なんてことはない、生まれもっての性分らしい。

してあげたいばかりで、してもらいたいことなんて本当に僅かで
それが決して良い事ばかりでないことは重々承知のうえで
どうにもこうにも抗えないのだ。

雪のしたから花をほころばせる福寿草に
幼少期にはあまり感じ入ることがなかったかれど
三城の長い冬を「耐え」ているのではなく
その凍った地面の下で「仕込んで」いる事実に
最近ついつい感動してしまいます。

一斉に雪どけのタイミングで大地に黄がちりばめられるのも感動的だし
そこにどこからともなく羽虫が集まっているのも感動。
気付けば空にはモンキチョウがはばたいて
「お前たちどこにいたんだよ」と正直涙でちゃいそうです。



年末から続けている石鹸置きの話になるのだけど
造形を追い求める姿勢というか
中期的に僕ならでは造形というのはやはり必要で
ファンクションフォロー(そんな言葉ない)ではなく
感性から萌芽するようなフォルム?
(僕の場合基本は機能と構造からデザイン発生してるから境目難しいけど)
それを手でひたすら追い求める

 そんな時間にしているんですけど
なんと技術的にはまったく難しくなく
10万円で刃物をつくるとNCルーターという機械で
早く正確に安く、この形を実現できちゃう、そういう時代です。
だから形を求めるにとどめておいて
技術をもとめてしまうことのないように(そもそも自分、指物だし)
注意するのが短期的な考え方。


石鹸置きをつくっていて
父が一言「木口に漆を塗りなさい」と言ってくれる
まさにこの一言こそ作家前田純一の真骨頂であり
いつ自分がその一言を「作る側」になれるのか予想もつかないけれど
つまり僕のいまやっている準備ってものは
そんな事が目標です。


酔いもすっかりさめました。
これで心置きなく経産省へ提出する資料作りに邁進できそうです。

ちなみに酔った原因のメンバーは
庭師と左官(www.sakankabe.com)と料理人(www.onishiso.com)と
設計士(www.yamanobe.com)で
つまり月一で集まって議論しているんだけど
僕の夢はもうただひたすら
これが柳宗悦や棟方志功たちが松本入山辺の霞山荘にあつまっていたような
最終的には昭和25年の第四回民芸協会大会になっちゃうくらいな
そんな事にこの飲み会が昇華しちゃったらすごいなあなんて
そんな事です。これも準備が今、真っ最中ってことなんですかね。
「卯の会」に「荘」のオーナーがあらわれたとき、運命かんじちゃったんですけどね。








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