2010.06.04
焼津へ。新丸正さま「鰹節工場」編。
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そういった事で、胸のたかなるなか、新丸正さまの工場へとご案内頂きました。
もちろん、衛生管理された場所への立ち入りですから
白衣、マスク、帽子や長靴を貸して頂いて。

入口。いきなりしびれるようなベンチと戸板の出現です。
煙にいぶされて飴色に光る木の、美しさ。

はじめは、もちろん鰹です。原魚と呼ぶそうです。
1.8kgから4.5kgぐらいの魚を使うのだとか。

機械による魚の解体もあるそうですが、
最近はまた手仕事による解体も復活させているんですって。
後で見比べた機械でさばいた節と手でさばいた節では
薫製の段階で目に見えて形と手触りが違いました。
やはり、手仕事や刃の切味というのは、大切なんですね。
いくつもの種類の包丁が整然とならんでいる様子は
男の仕事場的な雰囲気に満ちています。

鰹節は低温(97°C〜98°C)でじっくり
2時間30分から3時間ほど煮て
骨を抜かれた後、焙乾用のセイロに整然と並べられ、いよいよ燻されます。
骨抜きは、これまた水にさらしながら1本ずつ骨を抜く手作業。
これを蒸煮で殺菌してから、急造庫とよばれる「焼津式乾燥機」にいれて
燻しがはじまるのですが...これ、薪での作業なんです。
新丸正さんは大手の食品メーカーさんにも鰹節や削り節を卸されているのに、
薪ですよ!感動します。

薫製中の扉を開けて頂きました。
噴出する煙と蒸気と...そしてなんとも言えない良い匂い!
日本酒の原酒のような、荒々しく強烈な香りに、
なんだかテンションがあがります。
どうしても身がくずれてしまう「節」もあるらしいのですが
それを一口頂いたときの、何とも言えない感動。
煮て燻しただけの魚が、このような深い味わいを帯びるということが
いまさらながらに不思議な気がします。
昔の人の知恵って、すごいな...。

急造庫のとびらをしめてとりだした「節」をみると...

みなれた「かつお節」の形に近づいてきました。
生の魚と燻したあとの「節」を比べると、
重さは相当軽くなるそうですが、大きさはあまり変化がないそうです。
この段階では「節」の大きさによる選別はされていないので
大小様々の節が並んでいます。

急造庫からだされた節は、より低い温度の乾燥機にいれられて、
じっくりと薫製をくりかえされます。内部の水分を表面の引き出しながら
じつに2〜3週間もかけて焙乾が仕上げられていくのです。

焙乾がおわるころには、すっかり見慣れたかつお節の形になって
美しく並べられています。このあと、熟練の目利きが
脂肪分などを判断して
1.花かつおや荒削り用、2.粉末、3.その他
に選別をするのです。

出荷直前の節を、削って頂きました。
美味しい、味わいがある!とおもいつつ、
ここで、自分の仕事のエリアに繋がりました。
この道具。回転する16枚の刃があっという間に削る、鰹節。
刃の出によって2種類の盤にわかれている...。
そう。こういう発想で、削る事を考えて、僕は削り器に取組もう。
帰り際、松本でいつも鰹節をかわせていただいている乾物屋さんが
新丸正さまとは古いおつきあいであることを教えて頂き、
御縁の不思議さをたのしみつつ...
家庭では、
鰹節と鰹節を削る道具がそろって初めて、
鰹節を削れるんだ。
鰹節削り器の作り手も、がんばらなくては!
そんな興奮に満たされて、帰路に着いたのです。

