ダイニングテーブルの制作を御依頼くださったお客さまに
椅子とベンチ(長椅子と呼ぼう)の御提案の機会を頂いてから
無数のスケッチがたまりました。
椅子の設計にはいろいろな要素があり
学生時代から有名無名の数知れない椅子に座り、眺めて来て
変わらずに好きな椅子についての想いや
自分のこれまで制作してきた椅子の思い出を含めて
目の前のお客様の為に
今、僕が、作るべき椅子はどんなものなのかな、という
すこしの客観性が同時に心に存在する、
そんなスケッチの時間でした。
すこし、時間がかかってしまったけれど。
着物箪笥や重箱など
最近作った作品の経験が、
木の特性や、僕がその木の特性のどこを「探り当てて」
お客様の前に差し出す事ができるのか、というところに
また進めたら楽しいと思う。
「指物師の四代目が作った椅子」という僕の背景。
僕が椅子でしなくちゃならない事は、なんなのか。