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指南帳_設計法_CAD

2008.12.17

指南帳_CAD_Shadeによる椅子座板の設計

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Shade01.jpg

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ベジェ曲線で立体を描画するShadeという国産のソフトウエアーは、人の体に合わせた有機曲線で構成する椅子座面や背のデザイン設計に最適、高価な一般CADソフトと違い一万円ぐらいの基本セットで必要充分の機能を発揮します。他のソフトにはないスムース、アイロン処理は無理のない自然のライン・・日本の伝統のかたち「てり」の表現が得意、加えて面取りなど日本のディテールを繊細に表現できるので僕は愛用しています。


木を削り始める前に思い描くイメージを仮想の立体にし、様々な視点から検討修正を繰り返す作業は、特に椅子の場合に一生ものの美しい作品作りにつながります。

CAD上での形の検討は、紙の上に透視図を書いて絵の具を塗っていた時代にはとうてい考えられなかったことですから曲線構成のCADは難解ですが、常にさまざまな角度からの見え方を意識することは、これからの家具工芸のデザイン設計には必須だと僕は思います。

一例として、描画法を以下に紹介しますので参考にして下さい





2008.12.09

暮れの拵え_家族一年箸_指南帳_CAD_多段柱状体、削り取り

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mmで家族一年箸01.jpg
「お正月の準備・家族一年箸」



清らかな水に恵まれ生活で汚れたものを川で洗ったり、焚き火をして木を土にリサイクルしてきた日本人は、今年やり残した仕事や失念してしまったことを水に流したり、燃やして美しい灰に還しながら新年に祈り、諸々を前向きに乗り越えて来年の成長へと繋いできました。
家族となった新しい若者用に漆の色を選び、平安を祈りながら一年を共にする新しい箸を皆が協力して拵えるのは、おせち料理を準備したり一年お世話になった障子や畳を替えるといった仕事をしながら師走を楽しみ、家族や共同体としての連携を深めてきた意義深い習慣なのですが、それが自然素材で廃棄しても有害でないということが、晴れやかな永遠の未来の元旦に繋がってゆくのです


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デザインについて

樹と漆という自然素材を使い、すり減って新しい肌があらわれ、共に過ごした時間が美しい味になる白木と、汚れやすい先端を保護する色漆を組み合わせて目印を兼ねた装飾としました。先端の塗りは下地の生漆(採取した漆を漉したもの)をわずかのぞかせ、 日本の着物の袖の粋な見え方を模しましたが、一年使う間に先端の色漆がすり減り、下地がランダムに顔をのぞかせます。このような古美を日本では景色と言い表して使い込む楽しみにしてきました。
天削というのは江戸時代から続く僕の好きな箸の形で、家族間で個人用に別けた食器、自然からいただいた色の名は日本の伝統です


家族一年箸01.jpg

家族一年箸 - 69.jpg


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ランチョンと組み合わせてみる、テーブルセッティングを考えてみる、組み合わせる食器の大きさやとりあいを考える、色を確認してみるなど、CG(コンピューターグラフィック)上での3D空間は制作前のアイデアストーミングに欠かせない時代となりました。以下箸の描画法を紹介します




箸01.jpg
1 正面図を描きます


箸02.jpg
2 両端木口の正方形を描き面取りします
     箸の頂部は0.3、先端は0.5に設定します


箸03_面取り0.3・0.5.jpg
3 面取り結果です



箸04整列.jpg
4 基準点に整列します


箸05多段柱状体.jpg
5 多段柱状体にします
     5・1 視点を右側面にします
     5・2 9mm角を後面にします
     5・3 図のように入力します



箸06レンダリング.jpg
6 出来た立体を斜め右から見てレンダリングして確認します



箸07整列.jpg
7 箸先端に基準点を置き立体と共に選択して図のように整列します


箸08削り取り図形.jpg
8 天削部を作ります
削りとりのための図形を図のように描画します


箸09柱状体.jpg
9 柱状体にします


箸10視点上重ね削り取り.jpg
10・1 上面図に変えて柱状体を箸に揃えます
10・2 削り取られる図形(箸本体)に設定して実行します



箸11確認レンダリング.jpg
11 出来た箸をレンダリングして確認します

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以後の面取り作業は省いて構いません


箸12面取り選択.jpg
12 3D面取りツールでを箸先端部を選択します
視点を変え、拡大して選択し易くします


箸13面取り結果.jpg
13 0.5mm面取り実行後のワイヤーフレーム表示です



箸14面取り結果ri.jpg
14 面取りのレンダリング表示です



箸15面取り選択天削.jpg
15 天削部分を同様に0.2mm程度の面取りします


箸16面取りri.jpg
16 実行後のレンダリング画面です

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以後は箸先端と天削の漆塗り部を作るための作業です



箸17削り取り.jpg
17・1 本体を複製します
17・2 削り取り図形を上面図で箸と合わせます
17・3 図のように箸を選択して実行します



箸18身ri.jpg
18 先端部が削り取れた本体を3Dレイヤーに移動しておきます


箸19削り取り.jpg
19 同様に複製してあった本体から削り取って出来た先端部を3Dレイヤへ移動します



箸20ri.jpg
20 先端部の描画色を緑に変更してレンダリングした画面です



箸21NURBUS面取りだし.jpg
21 天削部漆塗り部分を 3D抽出ツールで取り出します



箸22面を移動.jpg
22 抽出した天削部をX方向に0.1移動し、面色を緑にします



箸23ri.jpg
23 レンダリングイメージです



箸24配列複製.jpg
24 上面図で配列複製します




箸26回転.jpg
25 それぞれを回転します


箸27ri.jpg
26 レンダリングイメージです


箸28配列複製.jpg
27 一膳を配列複製します

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以後配列複製をくり返して好みの色をつけて下さい






2008.12.03

works_テーブルウエアー 小物_鍛造アルミのコースター、指南帳_CAD_3Dパス図形作成

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nami00060501.jpg
「父母が眠る菩提寺にて」鎌倉 覚園寺・2000年6月5日

works_テーブルウエアー 引き出物_由晴 奈美  1.jpg
三味線胴 蛤刃の鍛造アルミのプレート」
2000年娘達結婚式の引き出ものに初制作
以後いろいろなバリエーションが生まれるヒントとなりました


銀座和光での個展が重なった大変な年でしたが、せっぱつまると何か考え出すもの、包装やリボンやメッセージを皆で徹夜で作った思い出は、娘息子、弟子のお陰と感謝、いまでも友人宅に行くと大切に飾られていて奇跡的な晴天に恵まれたその日を思い出し、ものづくりの幸せを感じます


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デザインについて
三味線胴というのは三味線の胴のかたち、蛤刃はテーブルに置いても手に取りやすい不思議な機能を持つ美しい日本の伝統です。蛤刃のコバ部はバフがけ鏡面仕上げ、面部は傷の目立たないつや消しの槌目仕上げでハンマートーンと呼ばれます。めりはりのきいたコントラストが特徴で、鍛造は表面硬度が高まり、傷が付きにくい効果があります。
必要を満たした寸法の誤差や、ランダムな手の仕事の跡が手仕事の魅力となっていて、Kご夫妻は大変気に入って下さり、お引き物や記念品によく使って下さっています

弟子達に結婚式のお呼ばれがあると、お祝いの気持ちを込めて作りなさいといいます。鍛造には叩いた人の個性、人柄や性質がおのずからあらわれるもので、初心者は下手でものびやかで力強い手の痕跡を残すことがあり目を見張ることがあります。弟子の作った結婚祝いは、作り手は画一的な機械生産品のようになってはいけないという僕の祈りです


鍛造アルミのコースター02.jpg

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以下は VectorWorks105Jでの設計手順です


平面図形を立体化するには、柱状体、回転体、掃引体、例外として初めから立体で描画するポリゴンメッシュ等がありそれぞれ得意分野がありますが、今回は蛤刃とベジェラインが設計ポイントでなので、外形図に断面図を掃引して出来る3Dパス図形という立体図制作方法を紹介します

1 外形図(パス図形)作成、2 断面図作成、3 掃引という手順で設計します
設計完了後、立体図を3Dシンボルに登録して以後の制作に役立てる手順と、レンダリング画像の取り出しまでを説明します

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di 01.jpg



1 外形100mm寸法補助線を複製してデータパレットで96mmに縮小します




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2 左上に基準点を置きX_+25mm移動します



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3 中心線を基準にして鏡面コピーで基準点を計8個配置します



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4 四隅を合わせて12個ポイントの多角形を反時計回りに描きます
【注】時計回りで描画すると、掃引断面の基準点がくるいます


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5 2D変形ツール_フィレットで四隅を1Rに丸めます


di 06.jpg
6 2D変形ツール_ベジェポイントに変換で残り8ポイントをベジェポイントにします


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7 完成した外形です
(以後、3D図形を作るためのパスになります)


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8 蛤刃部分の断面図の基準線を描きます


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9 コの字の多角形を描き、右上と右下のポイントをベジェポイントに変換します
(左右方向に注意して下さい)




di 10.jpg
10 変換した断面を3Dレイヤーに移動します


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11 同じように外形を3Dレイヤーに移動して二つを選択します


di 12.jpg
12 3Dパス図形(E)で立体に変換します


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13 変換した蛤刃部の面にグレーを設定してレンダリングした画面です



di 14.jpg
14 蓋を作成します


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15 出来た蓋の面にカラーを設定します
【注】解りやすいように移動してレンダリングした画面です
【注】テクスチャーを設定する場合は色は自由です


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16 正規の位置のレンダリング画面です


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17 リソースパレットを開きテクスチャーを設定します
蛤刃にクローム、蓋に鍛造アルミを別々に設定します
【注】解りやすいように蓋(上下二枚)の線色を赤にしてあります



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18 テクスチャーを編集します
(平面マッピングに変更し、マッピングする角度と位置を調整します)


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19 レンダリング画面です
【注】光源の設定について
基準となる平行光源を以下のように設定しています
平行光源はどこにあっても構わないので、
図面用紙から離れたところに配置してあります


設定_平行光源.jpg
左の光源設定  右の光源設定



di 20.jpg
20 三つの部品をグループにします


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21 シンボルに登録します
【注】コピーするとファイル容量が重くなります


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22 以後複数個配置する場合はシンボルツールを使います


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23 レンダリング選定をレンダーワークス_カスタムに設定します
【注】アンチエイリアスで画像周辺を滑らかにします


di 24.jpg
24 画像を取り出して、さまざまな書類作成に利用します


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25 プレゼンテーション用画像の取り出しの設定画面です
解像度_300、大きさを10cm程度に設定します


ri_c01.jpg
26 25とは別に三面図用の画像を取り出す場合には
レンダービットマップトールを使います


ri_c02.jpg
27 解りづらいですが上の一枚を画像にしているところです


ri_c03.jpg
28 視点を正面に変えて同じように画像にし、
27でできた画像とともに三面図レイヤーへ移動します


ri_c04.jpg
29 完成した三面図です

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結婚式の日、修業中に父について習わせて頂いた思いでの作品「桑材厨子」を奉納させて頂いた。お陰様で娘夫婦はどうやら無事に人生を歩んでいると嬉しいのです

nami00060502.jpg


2008.11.29

指南帳_CAD_3D図形_柱状体・フィレット・テクスチャー

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『直方体に角丸と糸面を取り、鍛造アルミのテクスチャーを設定する』


鍛造アルミ.jpg






















「鍛造アルミのプレート」2008年


作品をデザインする場合、実物のイメージを確認したい時があります。

僕の場合 VectorWorks(105JD)でレンダリングし、設計に役立てています。



以下VectorWorks105J上での作業です
【注】事前に実物を撮影したイメージデータを準備して
リソースプラウザに登録しておきます

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di02.jpg



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3 柱状体にします
奥行きはこの場合厚みになります。0 に3と入力します







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4 右斜め上に視点を変えます
5 3Dフィレットツールで角丸の設定をします




di04.jpg
6 薄い形状の場合で、四隅の稜線を選択しづらい場合は
データパレットで厚みを大きく入力し実行後、元に戻します

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7 角丸をとった状態です


di06.jpg
8 面取りを設定します


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9 面取りの終わった図形です


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10 レンダリング画面です


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11 鍛造アルミのテクスチャーを設定します
【注】リソースプラウザには今後シンボルなどさまざまなデータが増えます
共有リソースファイルを登録して以後の設計作業に役立てます


di10.jpg
12 テクスチャーの編集をします


di11.jpg

13 レンダリングイメージです

注1】
工芸では角丸を隅丸と言い、実際の形は数値で表せないベジェ形状になりますが、煩雑を避けるため3D図形制作の概念として説明しています

注2】
隅丸と面取りはデザインの重要要素です。レンダリングイメージを確認しながら大きさを変化して比較検討して最終決定します





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