2008.11.14
加飾_鍛造アルミへの叩き込み(はめこみ)象嵌(ぞうがん)
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器体に装飾することを「加飾」と呼びます。
よい器体によくできた加飾が施された実用品は、品格や美を備えた工芸品です。
象嵌とは器体に異素材を嵌め込み装飾とする技法で、木工にもあります。ギターのフレットには貝の象嵌が目印になっていて伝統的な装飾になっています。
「叩き込み」は、正式な呼び名ではないかも知れませんが、嵌め込む金属を叩いて延ばし、簡単にははずれないようにテーパー加工した器体の木口(穴の切り口)に押し込む技法で、伝統的な布目象嵌模様もよく観察すると同じ原理を応用しています。
加飾には、張り付けた模様もありますが、叩き込みは乱暴に扱っても強靱で、無垢素材は表面を削り取ってメンテナンスをしても再び装飾が現れます。
しかしそればかりではなく、使われた時間が野ざらしの石仏のような美を作品に加味し、日本人の侘びさびを良しとした感性、骨董の美はこのことをいうのかと思われます
鑢(やすり)による削り合わせ、槌を正確に打つ勘。象嵌のかたち、大きさ、余白、触覚など人の優れた感性が要求されるこの仕事は、失敗すると物理的な機能を持たない無意味で野暮なかざりとなります
「使用する鎚」
錆びない金属と錆びる金属の特性を生かし、自然をデザインにしたものです
「嵌込象嵌の蓋のペンボックス・2005年」
「脚部のかしめ部分」
溶銀仕上の真鍮球で脚部を制作し、かしめた脚部
(かしめ技法はからくりとも呼んで、同じ原理を利用しています)

そのような心理機能が作品に備わっていることが工芸品とよばれる所以で、貧乏を愉しみに変えてしまう特技を持ち合わせることが出来る人の手と、長持ちするものをつくりたい良心の働きによって生まれたものは、人の心に働きかけるもの、絵画や彫刻と同じ存在となります。

