2008.11.15
指南帳_鉋_四方内反小鉋の制作
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「ハイス鋼を使った赤樫の四方内反小鉋・小」
「青砥とチーク材の仕上げ用砥石」
1985年制作
自然に学んだかたちは、人のからだに馴染んでいつまでも疲れない
椅子は二次放物線を構成した三次元曲面を木から削り出します
よい生活によい道具が必要なように
椅子の制作にはよくできた鉋が必要です
「放物線」というのは 空間に物を放った時の軌跡で、日本では日本刀や神社仏閣の屋根の形です。よくできた工芸品のかたちは放物線の組み合わせで成り立っていますが、茶道に使われる棗(なつめ・茶入れ)に理解しやすい形でよく表れています。
日本で「てり」と呼ばれるこの形状の美しさは世界的にも認識されて、フランスでルノーのボディデザイン時に、ベジェという数学者が初めて理論づけしたことから「ベジェ曲線」と呼ばれています。作品はこの要素が備わった形に仕上げていきます。
「手描きのサークルチェアー木端木口断面図」 2000年1月
椅子の木端木口は座面を掴んで位置を変えるときに手にやさしいことがポイントす。
図面に基づいて型を作り、座板を削り出してみると、かまぼこ型断面を直線状に削る内丸鉋では美しい形にはなかなかならない。
それでサークルチェアーの制作中に考えたこの鉋は、以来手放せない道具となっています。
弟子達がまとめてくれたこの鉋の制作資料は工房の教科書ですが、同じ志を持つ後輩達に紹介します

「仕事場で」2008年10月
今年入房の弟子達・早川久美子君と飛世将利君
作品制作のための道具づくりをしています

「仕事場で」
アール定規を作り、鉋台へ曲線の墨つけをしています
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「製作工程」
1 前出、豆平鉋から制作するので以降の鉋台制作工程です
2 点で材料に接する鉋は刃口に真鍮をはめ込みます
真鍮板のいたどりから台への合わせ工程と鉋台下端の成形工程です
3 曲面鉋の刃の研ぎに使う砥石の制作と刃の研ぎ工程です
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「曲線の変化概念図」
鉋の角度を変化させることにより
A-A'、B-B'の曲線を滑らかに繋げます
木の導管に対し無理のない角度で削ることが可能になり
ささくれず、削り肌に生命感が溢れてきます

「ハイス鋼を使った赤樫の四方内反小鉋・大」
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ベジェ曲線とよばれるようになった自然科学のラインは、美しい日本のひらがなのフォントなどにも利用されているそうですが、僕達の仕事ではCADと呼ばれるコンピューターを使ったドローイングが現代の手法となっていて、円、直線、楕円、渦巻の組あわせでは描画できないラインはベジェ曲線を入力して描画します。僕の場合は ShadeとVectorWorks というソフトウエアーを使います。以下はコンピューターを使った図面です

「サークルチェアー座板」
椅子座板などの有機的な形状はShadeでベジェ曲線を描いて、立体化します

「サークルチェアー三面図」
Shadeを使って描いた部材をdfxファイル経由でVectorWorksへ取り込み、
数値移動、回転、鏡面複製、整列を使って、位置関係を決定します

「杉材の手前椅子座板(Shade上でのレンダリングイメージ)」
ベジェラインで構成した立体をビットマッッピングして写真にします

