2008.11.11
works_文房具_栃材摺漆仕上硯箱_長さ26cm_Y邸1994年
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(とちざいすりうるししあげすずりばこ)
色紙箱、短冊箱など、箱ものをよく作っていたころの作品で、こわれがちな角部分に、銀の錺金物を配したデザイン、サンドペーパーを使わず刃物の跡を残す技法が特徴です。
刳りもの (くりもの・彫りだして作る技法) が得意とする丸みを帯びた形ですが、指物で制作するために、数種の曲線削り用の豆鉋を作ったのは、直線構成になりがちな指物に力強い自然の中の形を取り入れたい思いからです。
組み立てる前に漆を塗り、固める前の微調整に、刃を漆にまけないハイス鋼でつくるのが自分の中で定着したのもこのころでした。住宅も含めて箱というものは大切なものを入れる覆いだと思いますが、中身を考えずに銘木や技法に走りがちなこれらの制作に疑問を感じ始め、住まいであればどういう生活を中身とするのかを考えるきっかけとなり、以後しばらくは箱ものから遠ざかっていましたが、日本の伝統、硯、色紙、短冊などが消えていくのは淋しい気がします。
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