2009.01.15
自分の椅子_弟子達_早川久美子君
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090103
自分の椅子を作りなさい。
「自分の椅子」とは、仕事するため椅子のこと。
聞けば、先生が修行時代、
20代の頃に二代目である大先生と専門の材木屋さんに買いに行かれた逸品だそうで。
嬉しいより先に恐縮してしまう年代もの。
当日、工房の帰りは、大事にお腹に抱えて歩きました。
桐材は、バルサの次に柔らかい広葉樹だそうで、
直接ネジや釘を打てず、また椅子にはほとんどしない木とのことです。
・・・そういえば、見たことありません。
先生の椅子は、何度か座らせていただいたことがあります。
キャスター付きの製図椅子の脚を利用し、
漆で仕上げたその年季の入ったその椅子は、
聞いて驚きました2×材を矧いで作られたそうです。
「美しい」とは何なのか、ますます考えさせられます。
その日の夜から、
脚に使うキャスター付きの椅子のインターネット検索が始まりました。
条件は、
自分の低い身長に合うもの、
一生共に過ごすには樹脂より金属、
壊れにくい、壊れても直せるようにシンプルな構造、
であることです。
実家に帰省中の本日、とうとう港北にあるIKEAで条件に合った脚を購入しました!
(都合いいことに、座面と脚が別売りでした。)
脚が決まり、ますます緊張が高まります。

朝礼での先生のお話しのなかで、
希望を持つことの大切さを教えていただきました。
できるようになりたい。と思わなければ、できるようになりえない。
この朝礼のあと、
数年前、学生の頃、アメリカに短期留学をした友人がすいぶんのショックを受けて、
帰国後にくれた手紙に、こういったことが書いてあったのを思い出しました。
『I want to 〜がなければ、誰も相手にしてくれなかった。厳しかった。』と。
いつもはお休みをいただいている土曜日、
大作さんが鉄の溶接を教えてくださるということになり、工房に向かいました。
溶接が上手くなりたい、と思い続けているなかでの手番。
その前日にも、ちょうど先生の椅子の溶接をずいぶんと見せていただく機会があり、
なんとも充実の2日間を過ごさせていただきました。
もう一つ嬉しいことは、お正月休みから続いている自分の作業椅子づくりに、
先生が新たに挽き物の丸い板をくださったことです。
椅子をつくりたい、と頭をぐるぐるさせ、やっと見つけたキャスターの脚に、
これから古い虫孔のあるすばらしい栗材の座面が付きます。
木工で生きていくのは、ものすごく厳しいと伺っているし、肌で感じてもいます。
でも、これから常に自分がどうしたいのか、どうなりたいのか、
希望を持つことで、どれほどすばらしいお仕事になり得るのか。
心構えができたお仕事はじめでした。
先生にいただいたお年玉、大工道具の柄の手ぬぐい。
ありがとうございました。
さっそく自宅の部屋に飾り、気合いを入れました。
驚くことに、買われた色んな柄の中から、
一番先生がお気に入りのを私が引き当てたとのこと!




ありがとう、いいことを思ったね
アンテナをたてていた君だからIKEAを手に入れることができ、求めていた新しい自分を発見する
希望や夢を持つ人に周りはなにかをしてあげたくなり椅子は現実に近づき、君には今まで知らなかった自分がみえてくる
自分対象の椅子をデザインするとは自分の個性を育てることで、道筋は自然の縁といった楽しいものらしいが、求めていない人にはあるわけないね
正しい人にとっての喜びは、してもらうことよりして上げることの方が大きいはずだけれど、その友人は何を求めて留学したのだろう・・
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樹は神様が作って、木工家が加工し、使う人の過ごす時間が最終仕上げする(木工芸と呼ぶ)
君はこれから一生掛けてあの椅子を作るのだけれど、同時に君はあの椅子に作られるのだから、ないがしろには決して出来ない
素敵な椅子で過ごす時間が素敵な君をつくるから鷹揚な樹は喜び、椅子と君は外部に美という感動を呼んで本当の三方佳しとなる
適当なときに壊れたり飽きられたりして買い換えられことが利益につながると、樹を勿体なく使い捨ててきたから、近代の経済発展は人間だけが喜び、樹と地球はちっとも嬉しくなかったことが多くの現代木工の間違いだった
道具の使い手が、道具とともに自分の歴史を刻むことが出来なくなってしまったんだね
それで君が何をしたいは、まず樹に何をしてあげたいかなのだよ
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それにしても大工道具よく当てたね
例えば送ってくれた写真、
君の感動は僕個人にはよく伝わりうれしいが、見る人が建具屋さんだったら手拭いは目に入らない
壁職人だったらこの色を好きだと壁だけを見るから、写真は他人に君の心を伝えることが出来ない
見ると観るの違いはこれなのだけれど、wont toと同じことが言えて他人である社会を相手にするのはとても難しい
しかしそんなことより、今の君は樹と自分を大切にすることから始まる
それから技術錬磨は人間らしい仕事に不可欠で、溶接金工は木工に可能性という夢を拡げてくれる
なんでも初めはむづかしく思えるが継続すればそのうち「わかった」っと感動する時が必ず来る
これは才能ではなく好奇心に基づく精神力で、僕のようなひ弱な体力などは凌ぐものなのだよ


