2009.09.25
works_筥 箱_栃材摺漆仕上硯箱(とちざいすりうるししあげすずりばこ)
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長さ28cm 巾22.5cm高さ8.5cm・伝統工芸展出品作品・明石Y氏蔵
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民芸の健康な素朴さに魅力を感じていたころ指物の苦手な曲面構成を大胆に試みた作品で、壊れやすい四隅留組部分を補強する錺金物を意匠ポイントとし、栃の虎斑(虎のような模様)材を生かした摺漆仕上げの大らかな曲面によるボリュームと、江戸指物独特の薄い板厚から生まれる軽やかさを両立して、飾筥としての魅力としています。
げす板(取り外しの出来る中板)には銀鍛造の水滴を埋め込み、筆架と墨架は汚れを落としやすい銀製です
げす板(献保梨材)・・・・・・・・・・・・・・・・・・
力のかかりやすい隅丸部(角丸)の板厚を微妙に太くするのは、理にかなった木工芸の作法で、木製建具と共通の伝統意匠です
覆輪(ふくりん・傷みやすい身と蓋の接する部分の装飾を兼ねた異部材)を固い黒檀でしつらえて傷の目立ちやすい柔らかい栃材を保護しています

胴張6、は三味線胴のような身の立ち上がりのふくらみが6ミリの意で、この形はコンパスで描く単純なアールではなく、隅に近づくにつれて曲率が変化しながら滑らかに隅丸と繋がる曲線で、型紙は卵の形のような自然の曲線を手本にベジェ曲線で作成します
また、四隅組み手の加工には直線の基準面がないことから、胴外側部材の形に合わせて作った治具に載せ留台上で鉋で45度に合わせます
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「手がかり部分」
身の上部を絞り垂直線との差寸から生まれる蓋のちりを持つための手掛かりとしています
この部分の断面の面取りの形は特に重要で、丸みの切り替えのよるめりはりと結界のハイライトラインを強調する繊細な糸面取りがポイントです「七・五・三」の意は、蓋、身、底の関係をいい、見た目と重さ、手取りの(手に取ったときの)バランスを言い表します。
厚板から彫り出すことによって重くなりがちな蓋の裏をベジェ曲面状に抉るのは工芸の筥の作法です。(抉る・しゃくる・削り取ること)
頂部の板厚を6ミリに削り込み周辺部へ向かって徐々に厚く変化させる断面は、無垢板端部の強度を出す必然から生まれた意匠です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・「契り型錺金具」
離れない意の契(ちぎり)を意匠に取り入れた隅金物は、銀の古美の(ふるび・美しく錆びること)楽しさを生かして錺釘とともに力のかかりやすい隅部分の補強を兼ねた装飾としていますまた手鉋の削り跡を生かし、サンドペーパーを使わずに摺漆を重ねて仕上げています







