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若者たち

2010.06.02

建築家_宮坂直志のデビュー作「松本源池・路地にある家」

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直志オープンハウス13.jpg
「宮坂直志君・5月30日のN邸オープンハウスで」

直志オープンハウス02.jpg「玄関ホール」
山の辺建築設計事務所を主宰する直志君のデビュー作品は28坪のコンパクトな二世代住宅。大胆な朱色に彩った玄関ドアを開けてホールに入ると、正面の大きな窓からそそぐ自然光が、建具仕舞いを生かして生まれた小さな壁の凹凸や、微妙に変化させた天井に陰影を生んでやわらかく室内を浮かび上がらせていました

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松本中町・トキシラズ、明治時代につくられた蔵の改修内装工事、コモ庄内・伊勢の園の焙じ茶製造室、とユニークな仕事をこなしてきた直志君のデビュー作品「路地にある家」を見たとき、音楽に例えれば辻井伸行さんのラヴェルかもしれないと思いました
そぎ落とされた本物素材、自然への敬意、光と陰影によるやわらかな室内、華やかと初々しさ、日本人の培ってきた間合い、新鮮で技巧に走らない高貴で若者らしいひたむきな心に溢れていたのです

ドア金物、トイレまでの夜間用ダイオード誘導灯など、ささいな金物まで現代的で行き届き、てらいなく洗練されている。それでいて、前庭にしつらえた石製骨董かいば桶(かって農村で使われていたもの。庭師、花岡君、宮下君が入手してながくあたためていた) が、現代的な建築を受容して農村の歴史や田舎らしさを香しく匂わせ、外観は城下町らしく質実剛健、軒のないキュービック立体を支える室内と外壁の漆喰塗りは、代々続いている白澤君の仕事で雨仕舞も信頼性に満ちています

直志オープンハウス06.jpg
「見学の方々に振る舞った飲み物」

周辺地域に湧く名水は城下町が形成される以前から飲用水として使われ、天保14年刊行の「善光寺道名所図会」に「当国第一の名水」と記述されていて、所有者だった小笠原家臣の河辺与三衛門源池の名から「源池の井戸」呼ばれるようになったそうです。
松本市美術館裏手、「山がた」のそばが旨いのも水温12度のこの水のお陰、気取らない江戸下町風天丼セットはぼくたち皆大ファン。現在も清浄な水が溢れ、遠方からこの水を求める人や周辺の方々を潤しています


直志オープンハウス14.jpg
「変形敷地に合わせて無理のない変化が生まれた玄関ホールと居間の接続部分」

下駄箱(靴箱?でしょうね)の戸は、木曽アルテック製、漆塗りの和紙張り、
アトリエM4が制作したお年寄りにやさしいハンドルは、フラットバーと信州産 「はり槐(にせあかしや)」を組み合わせ、鉄を赤めて絹で黒める日本の伝統綿色仕上げをほどこしてあります

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見学会一両日は好天に恵まれて偶然来られたご縁の方々が多く大にぎわい、、自然と人を大切にしていて明るい直志君の人柄がしのばれます。東京から駆けつけた和設計時代の同僚、渡辺さん、地元、青柳さんが会場の案内をお手伝いしていました



直志オープンハウス10.jpg若夫婦寝室の大きな突き出し窓は華奢と機能金物を追求している富山のキマド株式会社製、窓下に、かって松本中心部に引かれて市民に愛された湧水がさわやかな音をたてています

鍛造アルミの照明は前田大作の作品、巾広の厚み40ミリの立派なカナダ杉床材は林友ハウス工業の竹腰さんが探してくれました。やわらかな厚板は本来断熱材で裸足にあたたかく地球にやさしい。このような本物は20年ぐらい経つと輝きだして真価を発揮します

直志オープンハウス12.jpg久しぶりにお会いした青柳さんのお嬢ちゃんは二年生、渡辺さん(旧姓田所美帆さん)は東京で子育て中。初孫を授かった家内と、気持ちのよいキッチンで楽しそうに井戸端会議です


直志オープンハウス04.jpgアトリエM4も特製キッチンシンク、照明、手摺り金物、作りつけ家具造作等をお手伝い、間に合わないんじゃない、、と老婆心小生も楢の自然木テーブルを削りました
直志君のフィアンセ郁子さんもかいがいしくお手伝いです

直志君はじめ、日本の伝統を若者らしい感性で表現するローテク・ハイセンス職人仲間「卯の会」は、松本に移住した当時からの、息子達地元の同級生がメンバー、当日はいい仕事をやり遂げたといったさわやかな笑顔が印象的でした。
その日、静岡にいる弟子石川真帆さんがお施主さんと結婚すると聞いてびっくり、人のつながりを噛みしめた一日となったのです


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直志オープンハウス05 1.jpg
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