2010.08.30
指物師の道具箱_毛引き_1
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昔は墨を使ったので印をつけることをスミ、スミダシ、スミツケなどといい、僕達は微少な量を毛とか糸といいます。線には太さが伴い曖昧なので誤差のない精緻なスミには小刀などの刃物を使い、毛をひくなどといいます。
中仕上後に外形を基準に引くスミに使う毛引きには大きさ、竿の長さ、刃物の形状にさまざまなものがあり、これはよく使う一番基本的な毛引きで、小刀のように刃に左右があります。毛をひくので普通ケビキ ケヒキと呼びますが父はケシキと言っていました。しかし敷くではなく江戸っ子なのでひ、と、しの使い分けが出来なかったからではないかと思います。
この道具にはねじで竿の出を調整するもの、二本毛引きという刃が左右一対のものなどなどが売られ、僕もアイデアをいくつか試みましたが、大正時代に父・保三が作った、楔で竿の出を調整するもの左右一対が原理を心得ていてさすがに具合がよく他界後ありがたく使っています。このような道具は買うものではなく本来は使い手が工夫して作るもので、よその仕事場へいくと思いもかけないおもしろい形や独特のくふうがされているものがあって興味深いものです。
最近手に入らない毛引き刃ですが、このような先端だけを使う刃物は昔のものは甘く、すぐに切れなくなるので機械鉋のハイス鋼で作ると長切れします。
「刃の仕込み」
鉋刃のように刃をテーパに作り、竿にドリルで刃穴を開け、廻し挽きなどの細い鋸と薄い刃物で切刃側を竿に対し直角になるように調整したら、刃を玄翁で叩き入れますが、刃の出具合は紙をはさんで厚みで調整します。(刃を抜くときは竿をあて台に叩きつけて抜きます)。また本体への刃の形の彫り込みは、刃厚以下のスミをするためのもの、竿の穴は大まかなアタリのスミをするために鉛筆を差し込むためのものです。



「われもこう」

