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指物師の道具箱6_玄翁その他

2012.12.25

玄翁・ハンマー類の仕立て

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男子の場合の木工用玄翁の基本は、重さ300グラム全長27cm、一方鍛造用のハンマーは金属の厚み大きさや出来上がりの形に応じて数多くの種類と重さがあり、ハンマーが単独で仕事をするわけではなく、さまざまな木型やあてがねやアンビル類(後述)と一対となって素材の特性を変えながら作品の微妙な曲線をつくります。
その他薪割り用鉈(まさかり)、工事に使う型枠用ハンマーなどさまざまな種類のハンマー槌類がありますが頭が抜けないように楔が柄の頂部を開く接合法はどの場合も同じです。

長時間にわたる鍛造には、柄にすべりどめのたこ糸を巻いておくと手の負担を和らげます。また昔から石工に使われてきた芯持ち(幹や枝をそのままのかたちで使うこと)の「うしごろしの木」の柄は、細くても大変強くしなやかでショックが少なく、叩くリズムをとりやすいので愛用しています


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比較的ちいさな金工用の「ならし槌三種」
他に特殊用途として打撃面を半球形にした「からくり(かしめ)用」、深い穴の鍛造用に頭部が長い木の頭の槌、自分好みのハンマートーン用としたもの(打撃面の模様を転写してテクスチャーデザインとすること)などがあります

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鍛造の銘々膳(旧ランチョントレイ)
平面を作ると同時にハンマートーンにしています
僕たちにとってデザインとは仕事の工程が生み出すものなのです





gen04.jpg木工用玄翁には丸いもの 四角に大面取りなどの形があります

弟子入り時に父に与えられた鉋台に傷をつけない丸型が以後40数年僕の常用となっていて、木の仕事はほとんどこの一本ですませます。電動工具のように買い換えることがなく柄を替えたことは一度だけという寿命の長い基本道具ですから丁寧に確実に仕立てます。僕にとっては父からもらった最大のプレゼント、現場などに忘れたらきっと涙が出ると思います。

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玄翁の仕立てに使う道具類







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乾燥で木が縮む予防策として「木殺し」をし、数度にわけて叩き込みながら柄の余分を落とし、よく乾燥させた楔二本を打ち込みます

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早川君入房時仕立てた玄翁
刻印をしてあげました




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   鍛造用のやや大型の槌

平らな頭部は金属を一方向に延ばすための形で、他に90°直角方向に回転した形のものと一対になっていて、目的のかたちや金敷(金床・アンビル)の方向により使い分けます




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鍛造用三種

左と中は平面の鍛造時に指が材料から逃げるように仕立てた柄で、通常では木が目切れして折れるので、芯の通ったうしころしの木の自然の曲がりを利用しています





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持ち手の鍛造(鍛造アルミの銘々膳)
6ミリの鉄板で制作した型と一対で使う持ち手の叩きだし専用のハンマーです


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