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指南帳_木工

2009.06.01

指物師の道具箱_その他_油綿 弟子達_川上三恵子さん

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弟子達_川上三恵子 1.jpg
「必須項目・長台」20090521


指物・日本の引き出しには鉋がけが不可欠
今春から弟子入り川上三恵子さんは国立千葉大学院出身
本当の樹の仕事がしたくなり、五年間の家具工場勤務後工房で学んでいます



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道具 tool_油綿02.jpg
「油綿」




前田様

素敵な鋸の写真有難う御座います!鋼もナカナカの様子!それ以上に手入れの行き届いている様は見る者に爽やかさを感じさせるほどのステキさがあります!

真似事で始めてしまいましたが!一番気懸かりなのは"道具"の手入れ!

難しいですね!少しずつ覚える他ありませんからネ!

工作部屋にキャスター付きの整理棚を作りました!此れで漆を摺る時に充分掃除をしてから摺る事が出来ます!

何かを実行すると失敗・欠陥が出てきますので其の解決の為に何かをしなければ成らない!

忙しい事です!ナカナカ結論に到達出来ません!

シカシ、此れが楽しいのかもしれません!頑張って前進!

冬に向かって、排気ファンを新しく作り直さなければならないでしょう!?

部屋中木屑の埃ダラケを無くさないと綺麗な作品が生まれないと思いますので工夫して見ます!

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道具 tool_油綿01.jpg


S様

週末アルバイトをしながら休むこともなく難しい鉋を習っている弟子達は美しい
きたない仕事場からはたいしたものは生まれません

仕事部屋の排気は無断変速の「ナショナル有圧換気扇」のようなものがいいと思います超強力ですが超うるさい、しかしほこりがきれいになったらふんわり静かに換気することができます

さて、よく手入れが行き届いて日本刀のように研ぎ澄まされた刃物はなんとなくイイものですがこれは怖さかもしれません
手入れ用の油綿は、竹一節に木綿綿で作り、椿油を染みこませるのが一般的です
僕の場合は上部に凧糸を何回か巻いて割れ止めをした竹一節に、スーパーの金物市などで売っている鉄板油引きの中身スペアーを使い、CRCを染みこませています
凧糸は刃を当てても破れることがなく、とりかえも楽ですが、いろいろの竹の太さをこれに合わす必要があります
信州は竹の北限ですので、御地竹藪からそのうち一節お譲りいただきたいですが、古民家カヤブキ下地がみつかれば美しくていうことありません

油引きスペアーはよくできていてギュっと引っ張り入れるための糸を作ってありますので、それを通す二分ぐらいの穴を底になる節に空けておきます
椿油を使うというのが一般的ですが、木工の刃物の場合は油が厚く、粘るのでお勧めしません(椿油は台所用の刃物の手入れの習慣かも知れません)
CRCが分子内部に滲透して効果があることは、潮風ですぐ刃物が錆びる鎌倉時代に学びましたが、またミクロンに木をそぐときなど、ときどき油綿で刃先をなぞると木に吸い付いて気持ちよく仕事が出来ます

それにしても今まで手でやっていた事を機械がやるようになって、現代はますます忙しくなるのはどうしたことでしょうか。一見非効率な手工具ですが、コンピュータ仕掛けのオートマチックなんてものは儲かるだけで人の心を動かさないってことを僕は炭火で知りましたナ

弟子達_川上三恵子2.jpg

「早朝・冬越しほうれん草と川上」20090508

2008.12.16

製材_手前椅子から「 T chair 」 へ

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製材風景03.jpg
「タモの製材の思いで」2003年 南松本の製材所で

アルミの背の椅子_フューチャーの湾曲状に叩きだした背部と座板の結合部に支えをつけず、ステンレスの六角ボルトのみによるジョイントをスケッチしたのは極限余分を省いた構造の強度を試したかったのである。二次元同士が交わる三次元曲線上にボルトを配置すればまず抜けることはない予測だった。
実現に向けてテーパー製材を頼み製材士の手を煩わせたのは第一に樹が勿体ないからだが、台車は回転しないので一枚ごとに僕がつけるスミに正確に鋸を合わせる熟練製材士のめけん(目でみて見当をつける)にすべてがかかっている。
もっとも効率主義のアメリカではコンピューター制御全自動台車回転製材機があるのかも知れないが、日本人の木目に対する美意識は独特で、立っていた樹木の天地、元と末、筍状の中杢であればその片寄りや高さ、広がりや余白と分布を大切にする。
民族のもっている伝統には美の感性にも違いがあり挽くたびに基準面の再確認をしたい意識が働くので最新機械は意味が無いのだ。
この樹を世話して頂いた松本で歴史の長いT材木店は今秋廃業、共にこの製材所も廃業し、二本の巻き尺でミクロンを計ってしまう僕の大切な仕事仲間、三代目ガラス職人 A さんは跡継ぎが居ない

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「 ストーブの前で_4年目のフューチャー 」

ジョイントはデザインの生命線といえるが、ボルトだけで背を支えている
後部必要板厚と前部の極限の薄さが同居した独自のデザインとなった


ch_フューチャー200602.jpg


木には木ねじの原則を破り、M6長さ30ミリのステンレス金属用飾りボルトを木に埋め込むのはちょっとしたコツがいる。初めての仕事に自信を持つには数年の時間を必要とするのだが、独自のお気に入りの技法とデザインを生み出すのには、遊び心と冒険心と、熟練の仕事仲間が不可欠だった

製材風景02.jpg
「オールドレッドオークの製材」2007年夏 林友穂高工場にて


スケッチ_椅子_手前椅子02.jpg

♬♬ 曲がりくねって癖のある樹の製材は楽しい ♬♬

勘で推理した通りの結果になる場合もあるが、むしろ思いもかけなかった木目が現れた瞬間のドキドキはらはらからのインスピレーションは以前の作品だったり、構想中のスケッチだったりで都市生活にはなかった僕の仕事の原点は大きな楽しみとなっている。



製材風景04.jpg
「栓の製材方針」2004年・松本市内で

かって3Kなどど蔑まれ仕事仲間が居なくなってしまう原因は、採算の合わない職人技の非効率。しかし現代は樹を人の都合で切りそろえ、大量に同じようなものばかり作りだして数年で捨ててしまう。
このことは子供の教育と同じくで、僕には空恐ろく思える


スケッチ_椅子_手前椅子01.jpg



製材風景01.jpg
「オールドレッドオークの年輪」

一年に1mmを刻んで1cmが十年、
この木はおそらく2メートルの直径があっただろうか
軽く柔らかく木肌は小味が利いていて美しい

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東京の木場ではすでに大きな丸太は製材しなくなって久しく、馴染み仕事仲間がつぎつぎと閉業することになって淋しい気持ちの慌ただしい師走の製材となった。
一生ものは代々の主義だが、今年から認識を新たにしたおじいさんおばあさんになっても飽きない作品作り・・これは嫁さん用の椅子にするのだ、これは曲がった座板のベンチにするのだと、僕にとっては来年へ向けての愉しい一日となった。



製材風景05.jpg
「地元山辺 A 製材所で」2004年夏

難しい注文をきいてくれ、御夫婦阿吽の呼吸で仕事をして頂いた





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