2008.12.05
道具 tool_小道具_左久作さんの小刀
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「刃厚一分八厘 刃角度を45°に打って頂いた小刀」
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昔の刃物はあたりはずれがあり、有名な千代鶴の鉋刃のようなものになると贋物が出回り、切れない千代鶴が昔は細工場に錆びてころがっていた。
若い頃関西で使われる「鰻さき」という小刀をみてわくわくし、鎌倉の刀鍛冶、正宗さんの打った小刀を作り直して長く愛用しているが、現在は希望する弟子には東京月島の久作さんに打ってもらっている。刃物にもセンスがあり、江戸物のてらいのなさは武士文化で質実剛健。黒皮残し、いぶし銀の手触り、微妙な四角っぽさ、余分のない面、さりげない刻印は飾り気がなく神経が繊細で細やか、中身に手間をかける正直な仕事は粋で、同じ三代目江戸っ子の感覚です
現在の刃金(鋼)は成分が規格化されていてどれでも同じように切れるのですが、久作出来の刃は秘密の添加があるのか、打ち方の案配か、美しいからなのか手放せない。不思議なもので、できのいい刃物はいい仕事に繋がるものです。
早川さんが注文した小刀は聴いてみると(指先に乗せ、金物でたたいて聞こえる余韻のこと)スが入っていて、恐る恐る打ち直しを頼んでいた。腕におぼえのある職人はだれでもそんなはずはないとおっしゃってしばらくやりとりがあり、しかし自信を持っている人ほど謙虚で、届いた刃物はこれから早川がおばあさんになっても彼女の宝物となる。

「合わせ」は地金と鋼を重ね合わせる意味で裏スキとともに日本の刃物の特徴となっています。この伝統により研ぎの手間が大幅に省かれるのですが、そのために手間暇を考えず打った刃物は美しく、手にすると思わず仕事をしたくなるものです。
カッターナイフが出回りはじめたころからなぜか学校での事件が増えたそう・・
木工家に限らず、愛用のナイフや包丁を研ぐのは楽しいものです。使い捨てと比べても一生使う道具は安いもので、人を幸せにするほんものとはこういうモノをいうのでしょう

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前田先生には良い方法をご教授賜りまして有り難うございます
この様な検査方法があったのかと大変嬉しく思っています
色々実験をして音の変化と傷の有る無し、内部の鍛接不良
鋼の隠れた亀裂、和鉄の場合の変化、鋼の種類によっての変化
鑿、小刀、鉋の種別による変化
様々な角度から検品して音の大切さを痛感しました
今回お送りしました物は良い音が出ていますので
間違いないと判断しまして送りました
末筆ながら先生にお礼申し上げます
三代目 左久作 拝
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僕は引き出しにしまうので鞘を作りませんが、以下柄のすげ方です

小刀各種
左から
小刀右、繰り小刀、45°の小刀、小刀左、両刃厚、両刃薄

完成した小刀(2000年・檜材摺漆仕上げの柄)

柄にする木を二つに割って刃物の形に合わせて彫込み、厚みを削り合わせます

研ぐときに柄の内部に水が入らないように錆(漆)を仕込む部分を作ります

2枚に割った木を接着して錆埋めの準備をします
(45°に彫り込んだ部分に錆を仕込みます)

錆は 生漆(きうるし)と砥の粉を練り合わせて作ります。
漆にかぶれる方はエポキシ接着剤でも結構です

錆をヘラでうめて、乾燥する季節は室(ムロ・漆を乾燥させるための箱_湿度60% 温度20に調整)の中で乾かします。黒く見えるのは手を切らないように巻いたテープです

ムロから出した小刀
長時間ムロに入れておくと狂いますので、半日から一日で漆を乾かします。
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これらの刃物は最後まで僕が使い切れるものでもなく、若者に引き継いでもうらうのが楽しみです。現代の使い捨ての道具にない愉しみというものでしょう
