2009.02.10
五膳箸箱_「時代をつなぐなかまたち展」2009年2月19日から・銀座和光並木ホール出品作品から_
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2007年暮れ、家族用に箸を拵えた
白木と色漆塗りを組み合わせ、家族一年箸と名付けたが、色は日本の色名、発想は覚園寺の五正色幕である
一年間、家族でお揃いを楽しみ、暮れに土に還して新年新調するといった考え方は伊勢神宮の伝統風習に習った。もっとも2年目に入った箸は使い込まれて味わい深く、僕のお古を使わせて弟子の仕事の上達を祈っている
おかげさまにて箸が好評なので、今年正月には五膳揃いを入れる箸箱を作って気に入っているが、いくつか手直しし、この展覧会に出品することにした

制作動機は防かび剤汚染された木材と化学塗料だったが、それを使わぬ国産材で拵えたこの箸は、よく乾くよう気を配らねばならない
それで側板下部に風窓をしつらえ、底板は三分割して内部を通る風と、自然の樹の香りがこの箱のデザインポイントになっている
秋田杉柾目と蓋には落葉松を使い、側板を一枚の板から木目を通して木取るのは、工房指物の譲れない作法である。
蓋木口に生漆をヘラ付けし、装飾となる割れ止めとしたので、華奢だが一生道具となるかもしれない

我が家にはさまざまな生まれの若者が同じ仕事をめざして集まるが、絆の定義を一言で唱えるのは難しい
しかし夕餉時それぞれが役割を分担し、炭火を囲む質素で安全で美味しい食事は愉しみで、美しい道具類が場の雰囲気を毎日盛り上げてくれているのだが、このことは家族としての一体感を大いに高めてくれている






