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指物師の道具箱1_鉋 小鉋 豆鉋

2010.12.01

指物師の道具箱_小鉋_際鉋_立刃八分製作工程

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kt8.jpg  切削角(仕込み角度)38°で作られている一般の鉋に対して刃を立てて仕込む鉋を立刃の鉋と呼び、53°を越えると一枚刃で逆目を止めることが出来ます。
際鉋は内ズミを仕上げるための鉋で左右一対、大中小三種、それぞれに立刃と「ねかせ」と呼ぶ切削角38°のものがあり、刃巾八分は刃の巾が24ミリ、この鉋は指物師の常用道具です。
鋸の刃の大きさは長さに比例しているのですが、文中、尺・八寸目鋸とは、 刃渡り30cmの鋸に刃渡り24cmの鋸の大きさの刃の鋸のことで、硬い材の細かい細工向きで指物師が好んで使います。
スクレパーとはHSS素材で機械用の金属鋸をリサイクルして作る刃厚3ミリ弱の薄鑿、溝鋸は古鑢で作る特殊な鋸でともに小鉋作りに欠かせません。
ストーブのそばで何シーズンもねかせた樫材を使いますが、美しい赤樫は硬く割れやすく細工が難しいので初心者はねばりのある白樫で練習します。台と刃のはめあい強さは一般の鉋に比べてデリケートですが、刃がゆるくなった場合には同じように表なじみに小さく切った葉書をボンドで貼ります。
その他、下端と立ち上がり木端の直角の精度は際鉋の場合特に重要です

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立刃際鉋の製作工程です・2008年早川久美子記






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「箸袋」  早川久美子・2010年夏


2009.12.16

指物師の道具箱_双曲きわ鉋 ・ works_盆_段珠縁(だんたまぶち)の盆

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「段珠縁(だんたまぶち)の鉋削り」

昔、段を施したたまぶちの彫抜の盆を作りたくなり拵えた鉋で、長さ6cmから順に小さく三種の曲率左右一対計六丁、二方向曲線を仕上げる組際鉋は前例がないので便宜上このような名前をつけました。おそらく世界中に僕の手許にしかない滅びゆく鉋です・爆



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左上 「段珠縁摺漆仕上五木の盆」
右下 「段珠縁摺漆仕上手付盆」 神奈川S邸蔵
ともに 栃材摺漆鏡面仕上・日本伝統工芸展出品作品
 江戸の華奢から田舎の土の匂いへの憧れが強かった1985年頃制作
 


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大・左右一対 鉋台長さ6cm

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小右・鉋台長さ3cm

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五木とはおなじかたちを、欅、栃、栗、桑、老松材で作ったことからのネーミング、この鉋で制作した盆六点は三越本店での伝統工芸展を皮切りに全国で展覧となりました
 そのころから十把一絡げ、、つまり金のためなら樹やつくる人の個性なんかは無視したほうがよろしいと・爆、轆轤で不可能な形でもNCルーター、サンダーなどの機械加工や吹きつけ塗装一回塗り仕上げが発達し時代は経済成長。素人目には見分けのつかない似て非なるものとはいえ、機械による大量生産が可能になって、木地を削ったり磨き研いで漆を塗り重ねるのが僕には無意味に思えるようになりました
五つの樹の個性に従って刃を研ぎ分けた細やかな神経のゆきとどいた段の内ズミ仕上げは年季と根気のいる仕事で、徹夜を続けても実現したかった若気のいたりというのでしょうか?、、子供たちがお世話になった山辺の学校に一枚を寄付させていただき時間と戯れた僕の大切な思い出になりました。こんな仕事をやらせてくれた家族友人に心からありがとう・・・・・




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盆_鑿跡.jpg「欅材摺漆鉋目仕上盆」 2000年和光個展
以後鏡面仕上げに魅力がなくなり刃物痕を大切にするようになりました


僕はクルマや木工機械はもちろんデジカメもMAC(ハンバーガーではない)も大好き、、 まして改造足踏みミシンや手作りスピーカー、知らないところへ一人で歩いていくときに頼りになる四駆とウインチ、子供が小さいとき先端を好みの形に研いだキャンプ用ガーバーナイフには古い音楽のようにそのころ過ごしたすてきな時が刻まれているし、折りたたみ携帯先細ペンチの元祖バックツールには何度も助けられた。父も使っていたジッポーライター、空になったカートリッジがゴミにならないポンプ加圧式コールマン、 エヴァンスやラヴェルやジムホール、まだまだ・・・笑・・・おまけの使い捨てボールペンや使い捨てライターは貰わないようにしているし、紙時代からの製図スケッチ用のロットリング、モンブラン、決して文明否定者ではなくて土木機械も大好き、20年以上も庭では人力で持ち上げられない石をバックホーで動かしたり除雪をして先人の知恵の恩恵にあずかっていますし、なによりも国宝級本山(砥石)を守りながら三代にわたり使わせて頂いています。もちろん自製家具には数十年を越すものもあり人に見せるような代物でなくても機能的で飽きのこない、使う人の人格を高める一流の美しい道具を大切にしている
それらは皆高価だから金持ちと勘違いされることもありますが、そもそも高価とは高価値をいい、P/T(プライス、パー、タイム= 使った時間で割った購入価格・造語)が低いものばかり、僕はP/Tの高い安物や趣味性の悪いものを仮に貰っても触りたくないし、目の触れるところに置きたくないのは本当に優秀な弟子を育てるための任務でもある
 さて、人とは神様とけだものの中間にいる動物をいい、大体に於いて善と悪、美と醜のはざまでもがきながらP/Tの高いものが作り出す悪環境に犯されて自分や街並みや地球までも醜く頽廃させてゆくものなのですが、幸か不幸か僕がID(ユーザーIDではなくインテリアデザイナーでもなくインダストリアル デザイナーです・笑)をしていた当時のC/P(コスト、パー、パフォマンス=経済効果で割った投資)つまり利潤だけをを云々してよしとする時代が問題だったのは人間社会だけにとらわれ、なくなっていく自然資源や壊れていく環境復活にかかる膨大な費用を計算していなかったからではないでしょうか。製造者の最たる責任は廃棄した後にあるのです
 心を込めて長持ちする道具を作る会社は潰れる世の中でも、ほんものの好ましい道具とは手鉋であれ機械であれ家具であれ、人がよい仕事を愉しくするために、精神の安らぎとともによいものを生み出すための機能の合理を目的に考え出されて長い命を持っているもの
しかし現代は進歩しすぎたようにも思える道具が利潤追求に結びつき、樹など僕達がいただく尊い命を粗末にして素材枯渇ばかりか酸素までなくなりそう・・笑

それはともかく廃棄物が空気や大地を汚して子供の未来を取り上げ、使うはずの道具に人が使われたり、便利そうで余計な機能が増えすぎたものや、目先だけを変えて売らんかなのモデルチェンジものを買え買えとうるさく、若者は貧乏を愉しみながら修繕したり改良したり、かってないものごとを考え出して夢を見たり、額に汗して命のあるものを土や手から生み出す喜びを失いかけている
 「経済発展はゴミの量=資源の消費量に比例する」 と勘違いして間違っていた歩みをしてきた日本。
いったいなぜ我々はとめどもなく生産と廃棄をくりかえすのだろうか? 僕は機械というモンスターに出番を奪われてしまった懐かしい鉋を握って淋しい思いがしているのです



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「閉鎖したSEIKO社製、曲面が美しい愛用の足踏みミシン」

dogs_UNICO_へのクリスマスプレゼントは刺繍の名入りリードを・・

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Unicoが大喜びで匂いをかいでいました。
犬っておもしろいですねーーー!
素敵なリードをありがとうございます!
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こわれたバス_石切で.jpg「ボンネットバス」

1999年三城で




2009.11.16

指物師の道具箱_寸法録_四方内反小鉋

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「四方内反鉋」


テーブルや椅子の座板などの木口と木端を削る鉋二種。刃の仕込み角、大53度と小38度、刃のアール大小があります。
材料に対して鉋を角度を変えながら斜めにあてるとアールの曲率が変化することを利用して美しく繋がる三次曲面を削りだします。
面で当たらない刃口の台尻側がすり減るのを防ぐため、鉋台下端を彫り込みエポキシ接着剤併用木ねじで真鍮板を取り付けてあります。



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鉋台赤樫材・鉋身(刃)HSS鋼  仕込み角53度(1) 38度(2)
4mmほどの真鍮板(金床の上で成形後エポキシ併用真鍮木ねじ止め)
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「刃口を作る最終工程」

刃口が細く市販の鑢が入らないので、水をかけながらグラインダーで薄く削ったものを使い、刃先線に合わせて鉋屑がでやすい角度に慎重に削ります。

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「砥石」

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内丸鉋専用の砥石

天然の青砥は目に沿って割れやすいので市販の合成砥石で構いません。腐りにくいチーク材の台にシリコーンで接着してあります

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以下はこの鉋で削っている様子です

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左上前工程の荒削り状態・右木端木口断面型

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2009.10.20

指物師の道具箱_寸法録_四方外反豆鉋

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厨子屋根、筥蓋裏など凹面用の豆鉋
曲率に応じて最も数の多い豆鉋で外丸豆鉋と呼ぶこともあります

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2009.10.14

指物師の道具箱_寸法録_小鉋_内面取り鉋

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入りスミ内面取りのための鉋大小二種で、大は二枚刃 小は一枚刃です
45°の交差角度は60°になるので鉋台木端を下のように作り、面取り交差部を削れるよう、刃は耳をとらずに左右端まで使います

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「端部鉋くずの排出口」


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