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指物師の道具箱1_鉋 小鉋 豆鉋

2009.07.01

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の八

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フューチャー穴掘り090605.jpg

「dogs_フューチャー_梅雨の愉しみ」

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前田純一様

お早う御座います!どんよりとした梅雨を感じる朝です!

今朝、九時ごろ郵便で送達いたしました!

お忙しいでしょうがご批評をお願いいたします!

今日から第二弾、失敗談を含め報告レポートを制作いたします!

先日送りました五種類の焼入れ、切れ味などは如何でしたでしょうか?


封筒.gif

坂本様


天気に恵まれ、おかげさまにて福山ご両親と楽しい一晩を過ごしました

きらりのことや手作り野菜の話題、なんといってもらっきょうでしたが今年は育ちが悪いそうです。なにごともお天道さまですね

 さて送って頂いた鑢ですがどれもよく切れます

時間切れで研ぐことは出来なかったのですが、あの状態で使うのであれば焼き入れ温度は刃こぼれを考慮して二番目に高いものが刃もちがいいでしょう

薄づくりの鑿に研ぎ上げ、加えて裏スキが出来れれば表なじみ削りに使いやすいだろうと楽しみですが、その場合には折れることのないよう仰有るようにもう少し低い中間温度当たりがいいとおもいます

溝鋸は特に先端部が折れますので加えて焼き戻しに神経を使う必要がありそうですが、この辺を追求するのが楽しみですね

 神社お掃除お疲れ様です

晴れ間を縫って僕は半日雑草取りをしていましたが、やはりそのあとは一杯、となります

封筒.gif

前田様

今日中に焼入れまでする心算でしたが!今の時点でヤット三分の一!糸鋸の切りが入ったところです!疲れてしまいましたのでメールしてます!

 今日、酒井さんから貸して置いたDVDが返却されてきました!

早々に"漆の実"を同封してくれまして!早々実の蝋分ををアルミ箔に取りまして火を付けましたら良く燃えました!驚きです!

中の固い部分も炒って食べて見ましたが"香ばしい"香りが印象的で!強く炒りましたら!コーヒーのような香りがしました!

夢がどんどん膨らみます!昔はどのようにして蝋分を取り出したのか調べてみなければと考えております!

人の体温で少し纏まって来ますので!湯煎で出来そうな気もしますが図書館通いもしなければなりません!ドンドンやることが増えて目が回る楽しさ!今晩も眠れそうも在りません!


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坂本様


お疲れ様です

ろうそくを燃やすとタバコの煙や匂いも一緒に燃やしてくれますが、和蝋であればなおさら気持ちがいいですね

沢蟹、イボタ蝋、など漆のことは歴史が長い分先人の知恵にオドロキです

今こちらの弟子達が漆かぶれで薬を飲んでいますが、漆の実を食べると免疫が出来るかも知れないですね、どう思われますか?

取り出すのにはビーワックスのように蜂を使ったかもしれません

それであればミツバチが地球からいなくなり心配です

それにしても鋼を糸鋸で切るのでは大変だと思いますが、以前申し上げたダイヤモンドディスクで僕は切り込んでいますがとても調子いいですよ


画鋲.jpg

ところで朝の散歩どき、我が家のジャックラッセルフューチャーの目の端に穴に逃げ込むヤマカガシが見えてしまった。彼も目下の我々と同じく蛇追いに夢中なのです


フューチャー穴掘り090603.jpg

「気配」


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前田純一様

お弟子さん!漆被れ大変です!小生も昨年、今年と被れには悩まされました!さすがに全身に被れが回ってしまい!一皮剥けました!

何だか、新しく生まれ変わったかと!錯覚しましたが!相も変わらず自分勝手な人生を楽しんでおります!

秋田で漆カキをなすっている名人の話に!「セン」の木の皮を煎じて飲むのでかぶれは直ぐ治るし被れ無い!とテレビで話していました!川越では手に入らないので実験できないのですが!松本では手に入ると思うのですが!もし手に入るようでしたら試して見てください!結果を知りたいです!

酒井さんが「セン」の若木をご存知のようです!先日浦和で漆カキの話をした時「セン」の話をしましたら"若木"は有ると話しておいででしたから!

ヒドクなく!小規模でしたら「梅酢」も効きます!清潔にしなければ「漆」被れは酷くなる事も経験しました!清潔にする事でカナリ早く治す事が出来る事も知りました!「被れ」と「虫刺され」「汗疹」等の「感染症」では塗布する薬が違ういますので漆被れの塗り薬は一種のホルモン剤、間違えますと長引きますので"要注意"

、今回は、糸鋸で最後までやろうと頑張っております!意地っ張りですよね・・・・・困った者です!次回からは楽に出来る方法を考えます!今日中に何とか辿り着きたいです!

 綺麗な「くがいそう」の写真有難う御座います!地味な植物ですが"清々"しい、素敵な姿の草ですね!そちらにお邪魔するのが何時になるやら!でも、楽しみが益々増えてきました!


「鋸」届きましたでしょうか?アドバイスお願いいたします!

 おたまじゃくし・元気にしております!どんよりした空模様!雨の気配が感じられます!


坂本富士夫



フューチャー穴掘り090604.jpg

「無」

ヤマカガシはとっくに逃げている


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坂本様


先程鋸が到着しました

僕の鋸は焼きのあと研ぎますのでピカピカですが、ご苦労のあとが満ちあふれていて、焼きの温度が適正だったと物語るような鈍くくろぐろした鉄の肌がなんと美しいのでしょう。それに元の巾が広いのが使いやすい感じですね

このあと木で柄を作るか、凧糸を巻くかすれば完成ですが、刃先線が揃っていないなど、刃については少々難点があります

また目の形は縦挽きを参考にして上目だけつけるのですが、左右に振らない方が長切れすると思います。本番ではその点に留意して制作してみて下さい

また薄い鋸身で金属も切ることが出来る「ピラニアン」という鋸が売られています

糸鋸より早く、正確に角度がつけやすいと思いますので、ためしてみたらたらいかがでしょうか?

 漆かぶれの対処法ありがとうございます

化学薬品は体質を改善しないので使いたくないですね


フューチャー穴掘り090602.jpg

「まぼろし」

若者は幻想を見る・老人は夢をみる・フューチャーは蛇を夢みる


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前田純一様

 

鋸のアドバイス有難う御座います!アドバイス通り制作してみますきっと良い鋸が出来ると思います!ピラニアン鋸今日使ってみました良く切れて角度を正確に出す事が出来ます(値段がかかりそうです!)

刃物は使い手によって切れたり切れなかったり!驚きました!だらだらとやっていましたら本当に切れない!ところが夕食後精神を入れ替え"今日中に何とかするぞ"と気合を入れて「女房」が驚いて上がってきました!なんと切れる事切れる事!いかに神経を集中する事が大切か!思い知りました!凡人の私でさえこの様ですから!名人と謳われる職人さんは凄いものがあると思います!

ヤット迎え角が全部きり終えましたので!明日!後ろ流れを切り!鑢掛けいたします!

 糸鋸が無くなってしまいましたので自転車で買出しに行きましたら!にわか雨にあいまして前面びしょぬれ、楽しく濡れて帰りました!帰宅してものの五分も立たない内に晴れ間!めまぐるしい天気の変わりよう!夏のようです!

 

坂本富士夫


フューチャー穴掘り090601.jpg

「落胆」

育った蕪と木陰で

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坂本様


混迷だったようですが先が見えてきたようでほっとしました

僕はなんとなく勘でやっていますが、初めは以下のようにするといいと思います


クリップ.jpg

刃先線を既製の鑢面を参考に少々の凸アールに作り、万力の両口に薄い木っ端を両面テープで止め、刃高分だけ鋸身を出して固定して下さい。

アールに作るのは腕の動きを相殺することと押さえ溝の直線を見るためです。また万力の刃口が鋼で出来ていることを利用することで、目立て鑢が止まり刃底線がきれいに揃います。

ピラニヤ鋸の角度を一定に保つには向かいの壁に角度線を書いた紙を貼り鋸と角度線が平行を保つように切り込むとうまくいきます。

その後電灯を刃先の平ら部が光ってみえる角度で当て、平らがなくなる瞬間を目安に擦りこみすぎないよう上目をつけて完成です

道具は通過点という哀しい宿命をおびていて仕事が終われば単なる記念品のような存在になるのですが、手作りの道具達には苦労と喜びが刻み込まれて愛着の深いものですね。今度は成功をお祈りしています 


フューチャー穴掘り090606.jpg

「掘った掘った数メートル・フューチャー満足」

画鋲.jpg
蛇追いは石垣の隙間からスタート、何日も覚えていて、散歩のたびに毎日掘り続ける
移植したあやめをだめにし、名物レンゲツツジの根を掘り起こし、さくらそうをメチャメチャにし、芝生に到達してぼちぼちヤメナサイといよいよ命令が下った
それにしてもよくやった見上げたものだとほめて上げたときの嬉し顔スナップ

ところでフュチャーも寝言をいいます。夢でヤマカガシを追いかけているんでしょうか、やめさせられて次の手を考えているんでしょうか、我々と同じですが、熱中するとか寝食忘れて、とか、そうでなければいいものなんか生まれるわけがありません。こういった仕事を割に合わないといいますが、利益を生もうとするとなぜか眠くなります。それで大量生産品は心に響かないのかも知れませんナ

070505フューチャー.jpg


2009.06.27

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の七・ルークのおもいで

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豆平鉋の制作0906227_12.jpg
「押し溝の加工」
090619川上さん


封筒.gif

前田純一様


返信有難う御座います!

前田師匠はやはり沢山のことをご存知ですし!特に蹄鉄を打たれたなど驚きの連続です!競馬会の仕事をしておりました関係上!蹄鉄は難しいと聞いておりました!蹄鉄は水で焼入れしておりました!素早く正確に馬の足に合わせなければ成らないので大変な作業のように見学しておりましたが!とうとう話しかける隙を見つけることが出来なかった事を思い出します!

小生は仕事では無いので!昔の人がしていたことを知っている人から聞いたり見せて頂いたりしながら!体験した事を人に伝えてゆきたいと色々やっているのですが少し時間が足りなくなりつつありますが!出来るところまでやってみようと考えております!

ナマスのに時間を掛けたほうが良い事は以前彫金をしていた頃色々と悪戯をしておりましたので時間をかけた鉄は鑢を架けた時ムラが無いので良く判ります!

今、急ぎで何でもデッチ上げていますが一段落しましたらじっくりやってみようと考えております!

取り急ぎ!五本成形しました!ナイフのように成形しようと考えたのですが時間が足りそうも無いので写真のような成形にしました!

1.3.5.は比較的鈍角の刃に成りました!2.4.は鋭角です!都合が悪かったら恐れ入りますが研いで角度を調節して下さい!

1.が一番温度が低く!数字が大きくなるに従い焼入れ温度は高くなります!

どこいらの温度が適当かアドバイスお願いいたします!(コピー焼入れ281階一番低い温度・コピー焼入れ274が一番温度が高い)

*実際の自分の目では黄味=赤味なのですが写真ではピンクです!

  見た目と同じようになるよう写真も研究しなければ成らなくなりました・・・・

  お笑い物です!?!?!?!?!?!?

*明日刃を研ぎだして送りますのでアドバイスお願いいたします!



お父様が使っておられた"フイゴ"年季が入って綺麗でしたでしょう!人が使い込んだ道具は美しいです!

不思議ですが使い込まれた道具は!じっと見ていると色々と話しかけてくるようでその場からナカナカ離れられなくなります!道具は鑑賞の対象になります!


小生は!資格と言う者を持たないので!プロパンが精々です何とか頑張って焼きを入れます!全体に同じ色にするのは難しいので刃の近くを重点的に色の安定をさせるよう頑張ります!




焼き入れ5.jpg坂本富士夫

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安心下さい、なんでも素人はデッチ上げから始まります。

頂いた写真を載せさせてもらいましたがなかなか色がよく再現されて理解しやすいです。

油の温度は70度ということですが、初めからの工程_順を追ってお教え頂ければ幸甚です


それにしても蹄鉄は勉強になりました。モタモタしていれば鉄が冷めてしまうし、馬が飽きて一瞬のうちに蹴っ飛ばされる。熱いうちにたたけとか、三つ子の魂百までとか、栴檀は双葉より芳し、とか昔の人はよく例えたもので子供の教育も手早くやらねば血をみるようなとんでもないことになるのですが(すでになってしまったか、、ちなみに小生は女子供弟子達に加えて愛犬小動物にいたり手を上げることを男子一生の恥としておりますので、現代の我が子イジメとは一線を画します・モチロン)、、余談になりますがたまには馬も犬も鞭を当てる必要があります。目的はビックリさせること、自分の手が見えぬよう気をつけ、主人が与えたダメージではないと思わせるコツを習得する必要があります。

さてなんとか素早く打って熱いうちに蹄にくっつけるとすごい煙と匂いで溶けている。でっこみひっこみを摺り合わせるのですが一見お上品な乗馬でも修羅場の末だと思い知りました。馬が合戦モノの絵図にあるように両足を上げて僕を蹴飛ばすことが出来ないように両口元を馬具で吊って前へは出られないようにしてある。僕が選んだそれら馬具は時代の移り変わりでバッグにその後転向したエルメスだったと知って「高いわけだヨ〜」と家内と笑いましたが死ぬよりはマシというもんです。いずれにしても危険を伴う仕事ですから理にかなった機能がさすがだと感じた覚えがあります。500Kの馬を抑え込む強靱さのなかにギリギリまでそぎおとされた繊細さを備えている。革と見事な金物との調和はホンモノ江戸指物の印象で、どんなものも一流のいい道具とはまことに美しいもんですね。そして疾走するサラブレッドの足首が思いのほか細く、片手で握れる位かろやかで驚いた覚えがあります。

さて蹄鉄鍛造もさることながら、そのあとの釘打ちはなおさら危険です。

蹄の神経の境目を正確に狙って数本ぶっとい釘を打ち込む。初めは恐いので爪先をねらってうちますが、そんなことではギャロップですぐとれてしまいます。慣れてきて自信がついてくると面白くなり誤って釘先が神経に障った時などそれはコワイもんで、手に負えないジャクラッセルテリア、ましてラブラドルレッドリバーなんぞは借りてきた猫みたいなもんです・笑


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「最近のステラとサンク」090407

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つらい真冬の早朝眠い目をこすって馬小屋を掃除する。そうするとボロと藁がバクテリアで発酵してあたたかそうにいいにおいと湯気をたてている。やがて畑の土に還っていく過程が真理を知るような別世界で、地球とかかわらない人間社会のリサイクル論は信用できませんナ。

休日のない世話、まして外国旅行など出来るわけがありませんでしたがおみやげはいつもにんじん二箱、しゃにむに駆けることしか知らなかったルークはやがて酔っぱらった僕を乗せて三城をドライブしてくれるほどになり、札束の飛び交う檜舞台から移り住んだ静かな高原での余生はたった数年間でしたが(死んだときが大騒ぎで、お葬式は後日談となります・汗)僕と家族との心の交流は得がたい思い出でとなっています。もとはといえば蹄鉄師にきてもらう金がないので自分でやったことなのですが、地球に迷惑をかけない面倒な仕事、それがあっというまに美しく片づく今の僕に生きているわけで、いい遊びは金を払ってでもするもんですネ。半端ではない遊びには辛い試練が伴っていて仕事と同列です。

金物の素材としてさまざまな金属があるのですが、あたりまえすぎる安価な素材「鉄」の強さと錆味と加工の難しさを乗り越えた機能美を僕はこの体験から認識したわけです。


1990年3月17日土.jpg

「新しい蹄鉄・ジェミニと子供達」1997年初春

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今日酒井さんが裏だし玄翁をもってきてくれましたが、たしかに面白いものですね

そのような店がまだある御地はうらやましい、作る人間がいなくなる都市はさみしいもので材料も道具屋も消えていきます。大事にお預かりしてそのうちお見えになるのをお待ちしています

丁度弟子達が豆平鉋を作っているところでしたが、久しぶりにゆっくり話が出来て楽しいひとときでした。やはり道具は自分で作るもので、十コ作れば少し解るかなあ、、と話して弟子達はさぞ青くなったことでしょう


豆平鉋の制作0906227_05.jpg

クリップ.jpg

上の写真は昨日作った鉋台制作のための治具ですが参考にしてください。なにかをするたびに何かが必要になる堂々巡りで笑えますね

印刻の台と同じ理屈で楔を利用しています。彫って作りましたが大変ですのでおさえ部分を接着して作ってください。材料は樫など堅い木がよく楔の角度はこのくらい、短い長さの鉋の場合には適当な厚みの木を挟みます

豆平鉋の制作0906227_06.jpg

「刃口の調整」


刃裏の基準面を仕込み角にあわせて作ります
刃先が浮くことのない様に押さえ溝をほんの少し中スキにします
表なじみをすいて刃を仕込みます。()ある程度入れたら2、3日程度木を馴染ませてから本仕込みします
工程06_刃口をつくる.jpg
(今後の工程_)
鉋台下端を平らに調整します(前出・サンドペーパーを使います)
実際に削りながらかんなくずが詰まらない程に刃口を徐々に拡げます
仕上げて面をとり摺漆仕上げをします

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豆平鉋の制作0906227_09.jpg
「溝鋸による押し溝加工」川上さんが二度失敗、三度目の正直に・・


2009.06.24

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の六

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「初秋・薪ごはんのたのしみ」2007年

封筒.gif

前田純一様


火の色、鉄が赤く焼ける色!八時に焼き戻しが終了しました!合計三十本の鑢!何かの折に二三本送ります(焼き戻しした奴を)

焼き戻しで判ったのですが!鉄を赤く焼くにはカナリのバーナーのパワーが必要であると言う事が!

昼間ダンボールなどを被せている暇が無い事も判りました!

陽が落ちて暗くなってから鉄の色が判別できる状態で記録しなければ出来ないと言う事も分かりました!

予めカメラをセットしておき撮影し終わったら一気に焼入れに入る!

識別準備も完璧にしておかなければ混乱する事も判明しました!

一番の問題点は!鉄の色をどの様にしたら"オレンジ色"に持って行けるか!?!?!?!?今晩眠れそうも在りません!????!!!

一人で何でもするのは気が合って良いのですが!忙しくて上手く行くか心配です!

今日使った炉の写真を送ります!ご批評下さい!

酒井さんは真面目ですし!物を作ることに一途です!ファンが多いのも其のせいでしょう!貴重な人材です!前田さんのお友達は皆さんステキな方が沢山居られる!羨ましい限りです


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「きれいに準備された坂本流焼き入れ道具」


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写真をありがとうございます

とてもきれいにとれていて様子がよくわかりましたが、わけても「フイゴ」は懐かしく、父もときどきこれを踏んで難しい顔をして刃物を作っていたのを思い出します


過日、ハイス鋼で轆轤鉋を作るのには、楢などの広葉樹の消し炭と、ふいごがよいという話を木曽の方に教えて頂きました

僕は昔、楢炭とブロアーで既製の蹄鉄を赤め、馬の蹄に合わせた憶えがありますが、酸素と混ぜて温度を上げるのは、米を薪で炊くときに団扇であおいだり火吹き竹で吹いたりするのと一緒で、「原点・火」とは一体なんなんだ、、と不思議な気分です。人は火を使うようになって猿から別れたんでしょうか? それにしても未だに原子力に悩んでいるわけですね


現在の工房では、プロパン/酸素のバーナー、アセチレン/酸素のバーナー二種を使っています。それぞれに火口の大きさ(ガスの流れる量)がありますので混合比の調節次第で安定した目的の温度の炎が得られ、仕事に集中出来るので大変楽をさせてもらっています。

つい最近の息子の話では、広い範囲の温度を均一に上げたい場合は大きなプロパンバーナ、銀蝋仕事など、狭い範囲の温度を集中的に上げたい場合は細いアセチレンバーナーがいいようだということです。発明した方に感謝しながらありがたく使わせて頂いていますが、爆発の危険を伴いますので細心の注意と免許も必要です。近代の機械工具類は、安定均一、誰にでも出来るといった効果を生みだし、かわりに僕達から仕事の誇りや個性を奪いましたが、簡単便利安価は心の危険も伴うもののようです


話は変わりますが、先日和光で貴兄もお目にかかった井尾さんのお父上は素晴らしい金属工芸品を後世に残した僕の父と同じ世代(といっても一世代ですが)の先輩で、そのお話によると金属に味のある錆を出すのは「こえだめ」のそばに何年も放置するのがよく、鉄をなますのは焚き火の中に何日もおくのがよいということです。

同じように樹の乾燥も十年単位ですが、こえだめが消え、焚き火禁止の条例が出てそんなことをしていては喰っていけない現代はいいものが生み出せませんし後世の文化財も残りません。僕達工芸家にとっても悲しい時代ですが、酒井さんも小椋さんも苦しみの中から素晴らしい作品をしぼり出します。美をめざして作家が懸命に生きるパワーなんでしょうが、ひょんなことから好きな仕事にぶつかりそのことで頭がいっぱい、探求心旺盛の貴兄老後はなんと幸せなことでしょうか? 樹のたとえ「脇芽もふらず、、」とはこのことでしょうね




誕生日_2009_浜 克也君.jpg

誕生会_浜 克也君」2009年4月

僕のところには父祖の時代から工夫された技術とそれにより生まれ出た作品があり、学びながら家族と一緒に暮らしている純真な若者が数名います。
近代は化学肥料への置き換えや化学薬品の予防使用で健康被害が生まれ、樹木の大量消費で環境が破壊されてしまいました。コンクリートやプラスティックや新建材などの合成は、素材に均一性と造形や色の自由、価格に安価を生み出しましたが現代は考え直してみたいことがらなのかもしれません
僕の頭にこれからは父の頃のようにゆっくりとものづくりがしたいものという思いがよぎるのは昔の職人の作った美しい刃物を見るときなのですが、ここにいる若者たちが時代を切りひらいていってくれることを夢見ているのです

2009.06.23

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の五

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「朝日・朝餉」2009年初春

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封筒.gif

前田純一様


何時も良く読んで頂き感謝いたしております!

彫金用の耐熱ボード(商品名=耐熱ボードセルストーン・・問屋なので会社・正式名称・含物質・などは不明)単価=735円(200×250)

扱う物が小さいのでこの方が効率が良いと考えました!

レンガの上に置き1写真のように蓋をすればヨリ熱効率が良い筈です!結果はやってみないと判りませんが思惑道理に行けば由と楽しみにしております!

鉄の色はカナリ正確に記録できると思いますので(色が・ダンボールのカバーをすることで安定すると思います)

初めの焼入れは五種類致します!


1.カナリ赤くして!多分オレンジ色に成るのではないでしょうか!割れる可可

  能性がカナリ高いと思えます!

2.オレンジより赤味を感じる赤に焼きたいと思います!此れも割れる可能性

  が多いと思います!

3.赤くほんの少しクロを感じるくらいに焼きたいと思います!この辺でも割れ

  る可能性はあると思います!

4.赤黒い感じに焼きたいと思います!この辺が一つの基準に成るのではと

  判断しております!

5.黒を多く感じる赤に焼いてみようと思います!多分!4と5の中間辺りが鉄

  の種類によって選択されるのではないかと考えています!

6.余り赤を感じない範囲に焼きたいと思います!強い焼入れではないです

  が!刃物をヒネッテ使う刃物の様な刃には良いのではないかと追加しまし 

  た!

?・あくまでも当てず法です結果を判断して下さいお願いいたします!



*酒井さんと今日会いまして彼の研究熱心なのには驚きました!色々と話を  

  している間に!彼の実家が空き家なのだそうです、正式では無いのですが 

  借りて見ようと考えております!

  彼のやっている「漆かき」を是非経験したいのと!漆の実で蝋燭を作り「縄

  文時代」竪穴住居はロマンチックだったと皆さんに知って頂きたいのです!

*彼に裏だし玄翁を「前田師匠」の所に届けてもらうようにしました!見て感

  想をお願いいたします!


今日は、浦和の神田・天米(てんよね)と言う天麩羅屋で昼食を取りました!天麩羅も然る事ながら!糠漬けの美味かった事!糠床何年物ですかと聞きましたら四十年!脱帽でした!!!!!

ワインの上等どころでは在りません!人間の丹精込めた作品!飛び込みでこんなステキな糠漬けに逢えるなんて!幸せ者です(キュウリ・大根・ニンジン)

T=0488221011(機会がありましたら寄ってみてください)


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090623_炎02.jpg
坂本様

素晴らしい段取りですね

三城は一日雨降りで乾き気味の畑が息をついています
炉の写真をありがとうございました
小さくて扱いやすそうです

実は僕がやった焼き入れは炉なしでいい加減にやったものなので興味 津々です
素材はなんですか?きれいな白色をしていますね
これからガスをどのようにあてるのか想像して楽しんでします

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現代生活のなにがおかしいかというと、感動が伴っていない
温度を推し量るということにはこころが伴います、美味しいものを食べさせたい、とかいいものを作りたいとか、、街は加工食材ばかりになってしまったからものの命が解らず可哀想、勿体ないといった感情が育たない、まして俎板にのせられた樹のこころがわかるはずがございません。
鉄が熱せられてあついあつい、素材がもがいた色がオレンジから赤に、もうしこし黒みがかったなどと観察した人の心の動きがいい仕事には大切なんで、どうしたってデジタル温度計では駄目で、樹でもなんでもどんどん自動加工機に載せるなんてのも、とんでもないことです

温度をみるのにダンボールで囲って暗くするということですが、そもそも現代の住空間は明るすぎますナ。火の色が見えないから「感じ」がないし情緒が育たないから思いを馳せるといったことがわからない。(その割には温度差なんていっておりますが、あれはあこがれでしょうネ・笑)

そもそも電気製品の火傷もできない設計は余計なお世話というもんで、子供は火傷して成長するもんでしょうが、、くれぐれもダンボールに火がつかぬよう気をつけてください
しかしうちのお弟子さんはたいしたもんですヨ。薪でご飯をたいて鰹節を削って出汁をとり味噌を摺り糠味噌をかきまぜます

カナリ、とか、いい加減、とか、いい按配、なんて死語となりつつありますが、ろうそくの明かりなんてのは不便の豊か、暗がりの女房はいいもんでこころが通いますが、家の中はなんでもかんでも電気こうこうと照らせばいいってもんじゃありません。
余談ですが写真は明け方じっと待っていて早起き鳥が騒さえずりだすころ、薄明るくなってきて今だっっ、て時にいいのが撮れます。次は夕餉どき、お味噌の香りが漂う写真になりますが、暗いと明るいの中間、薄暗い・薄明るいを愛でた感覚は、ものごとをはっきり断定しないアナログJAPANで、正しい悪いの他に、正しくない、悪くないと奧ゆかしく表現しました。いずれにしてもそもそも善し悪しなんてことは永遠にわかりませんナ。
しかしこの頃のデジカメは高感度でも画像が荒れない、中間要素もとても豊か滑らかでお気に入りです。(ナンダ・・汗)

酒井さんとのご縁もうれしいですね、漆かきはおもしろいですよ、樹が痛がって樹液で傷を守ろうとしている。もし塩尻にくることになったら酒井さんもいっしょにいろいろ焼きをいれましょう。かぶれがこわいですが、ステロイド剤なんかより沢蟹をすりつぶしたものがいいですよ


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「想い・点前椅子」2009年


2009.06.21

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の四

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三城のくらし_薪ご飯.jpg
「三城のくらし_薪ご飯」2009年正月


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前田純一様


ご心配お掛け致しました、御蔭様で元気に実験続ける事が出来ます!
カラクリ人形の歯車を作るのに!遠回りのように思えますが結局の所、真直ぐ歯車に向かっているのです!
頭の中で描いていただけの事柄が!問題にブツカッテ乗り越える事で本当のことが見えて来ました!御蔭様で益々楽しい作業が待っております!

焼入れの実験が上手く行く事を!水無月の神様に祈って準備に入ります!

*今日、並さんと話をしていましてちょっと気が付いたのですが!焼入れの温度ダケヲ一つやってみようと思います!
*極端に高い温度から五段階ほど温度を変えて、鉄の歪み具合を確認してから三段階選び出して正式の実験に入ろうと思います!
*それらもカメラに収めデーターと実物を添えて送りますので見てください!
その際、この辺の温度を使いたいと提案しますのでご指導お願いいたします*今月十二結論を出して、本番に入ろうと思います!宜しくお願いいたします

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前田純一様


「尾形光琳」の風神雷神図屏風を見ながらメールしてますが、光琳は気象学者ではなく一人の絵師として心の中に在る偉大なる自然を崇めて表現したと思うのです!

学問をして理論の中で組み立てた事が全てを支配するとは考えたくないのです!

歴史学者は縄文時代には""は大変貴重で造るのには大変なテクニックが必要だった!だから板が見つかったところはカナリの権力者ではないかと推論する


私は逆に板は丸太を手に入れるより容易かったと反論したのです!

嵐の後!発育不良の木が倒れ!隣の木に寄り掛かり!隣の木は裂けて倒れていたのです!この事実からも生木はあるところまで切り込みを入れこずえにロープを結わえ!引き倒せば裂けて板が出来るのですこの繰り返しで一本の木から何枚かの板は効率よく作ることが出来たのだと話したのですが!納得してもらえませんでした!


今やろうとしている事は"専門家"から見れば他愛の無い事なのでしょうが!

自分の目と皮膚感覚で納得したいのです!今まで色々と見たり聞いたり読んだ事を!そしてご迷惑でしょうが長い間刃物を見つめてこられた「前田師匠」にここいらが妥当だよと見当を付けて貰いたいのです!?!?!?

贅沢な遊びではないですか!その道を極めた前田さんにお願いするなんて!

世間では許してくれませんヨ!!!!!!

私の喜びは其処に在るのです!幸せです!やはり私は「地獄」に行く事を望みます!毎日が責め苦の明け暮れは楽しいではありませんか!


*鉄の焼入れの色ですが!カジヤサンは薄暗い中で色味をしていますよネ!私は明るい外ですので「段ボール」で囲い暗くして色を見ようと気が付きました!手間は掛かりますが!色々な方たちと意見交換する時には其のほうが宜しいのではと気が付きましたのでやってみます!


*鋸の柄を準備しましたナカナカすんなりと納まってくれませんでしたが!落ち着きました!少しコツも覚えました!頭で考えたよりも経験した方が正確に出来る事も分かりました!


キット!カラクリの歯車は芸術的な歯車に成るのではないでしょうか?アハハハハハハ・・・・・・・・・・・・・


二十二日の日に薬を貰いに東京に出ますので!酒井さんと約束した「裏出し玄翁」を持って浦和に行ってまいります!改めて見ましたが一本の玄翁でも丸味が少しずつ違っている事に気が付きました!昔の人の芸は細かく行き届いていますネ!脱帽!


長くなりました!明日は雨との事落ち着いて考えをまとめヨとのお達し!

静かにコーヒーでも飲んでみますか!?



坂本富士夫


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坂本様


面白いなあ、それは木曽でヘギと呼ぶ板の起源かもしれない、、

回り道とはつまり人生とは何なのかといきついちゃいますけど、、僕もなんとなく覚えがあります。
餅は餅屋とか、紺屋の白袴とか、自分は何なの、、と問いかけているお互いさまの酔っぱらいではありますが、一見無関係にみえても寝食忘れて楽しむことで見えた本質が本来の仕事に反映されてくるものなんでしょう、、
並さんもただの竹下通りファッション眼鏡屋さんではないですね・・

人間の勘を数値や学問や全自動コンピューターや金に置き換えて、そちらが勝っているとしてきたから、真面目な仕事はバカバカしくなって現代若者の働く意欲を奪ってしまった

色、音、匂いなど五感で実態を覗い知る能力をわれわれの第六感といいますが、見えないものに思いを馳せることを日本で「ゆかし」といい、例えていえば写真は広範囲を撮すほどに色を出すほどにホンモノがみえなくなり、ステレオは忠実に再生するほど音楽が聞こえなくなる。
これは現代病、薪で炊くごはんと全自動炊飯器製のメシの違いみたいなもん、温度計や時計に頼って生きているから中の様子を窺い知ることができない。犬達が散歩の時間を腹時計で知るといった、人がぼちぼち失ってしまった野生というもんでしょうか
我が国の感性はそういったデジタル理論のお先走りを奥ゆかしくないと表現し、例えていえば大切な事が解っているオヤジの顔色を窺う家族間の阿吽の呼吸というような目下立場の持ち合わせる本来は大変奥ゆかしい関係だったりするのですが、この差異が理解出来ないから、過去のものとなってしまった経験や理論に胡座をかくばかりで、未来の若者のためにも新しい伝統を作り出すことができない年寄りと、やってもみないのに理論で解ったような気になって権力にへつらうトルクレンチがないとネジも締められない若者が急増してきた、、いやこれは昔からかも知れない・笑

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今まで見たこともないようなモノが僕の手から生まれるのがなによりの父の喜びだったようですが、どのように素晴らしいかなどと理論づけていると「見れば解るのでそんな説明を長々とする必要はない」とやられました。ほめことばはありませんでしたが、顔で父の気持ちが解った覚えがあります。形でなにもかもがわかってしまう職人とはまことにすごいもんで尊敬に値しますナ


どちらをとってもたいしたことは解らないんで祈るほかないんですが、いずれにしても自然から遠ざかっては駄目だな、、おっかないもんがなくなり子供がバーチャルに生きているから簡単に人でも殺っしゃう、、鼻も舌も触覚も麻痺していてマスクと手袋つけて女と寝床入りしかねない・笑
僕は老後隠遁したくてここに来たわけではないのですが、おばけやクマのみている森の中、たった一人でバリバリと太い樹を倒してごらんなさい、それはおっかないもので思わず手を合わせたくなるものですが、現代の文明人は恐いものしらずです・・・
先生というものもおっかなくて当たり前(昔の人は、煙ったがられると、いい表現を考えたものです)、作品作りのためには深夜写真に苦しみ、コンピューターでようやくバーチャルレンダリングしたりでまだ見ぬ夢を見ますが、貴兄のように僕も乗り越えて実体のあるもの、膚で触れることの出来る人間くさい美しいもの作りに向かっているのが一番楽しいと思いますナ

ステンレス心臓の調子はいかがでしょうか? お互い体をいたわりながら仕事を愉しみましょう


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「渦巻きの鍛造・あこがれ」

2009年・時しらずの囲炉裏テーブル

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