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指物師の道具箱1_鉋 小鉋 豆鉋

2009.06.18

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の三

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押し溝切り鋸04.jpg

前田純一様


今日は、散歩がてら目立屋に寄り使い古しの鑢を手に入れました!

サイズは「5インチ」24枚・此れで油と水の焼入れが出来ます!後はバーナーとガスを手に入れれば準備万端!ガス会社をどこにするか迷っております!地元の「武州ガス」全国展開の「レモンガス」いずれにしてもガスは必要!

アウトドアーの時も使えますので楽しみです!

「3.5インチ」「4インチ」の鑢は沢山有りますので!目立屋から貰っておく事も出来ます!必要でしたらメール下さい!(危険物の日に出してしまうそうなので、出した後は当分使い古しは出てこないとの事)

焼きを入れる前の仮の刃物の形ですが!片辺を小刀と同じような傾斜の刃にして、背は指に負担が掛からないように鑢すっておこうと思いますが!師匠の長い経験からどの様な形状が良いかご支持を戴けると助かります!!!!!



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楽しそうですね

暇があれば飛んでいきたいくらいです


参考に寸法図を送ります

刃厚3ミリ以下の鉋を作ることはないですから小は大を兼ねるでいきます


1 厚みについては3mmのままのほうがよかった点

2 目立て角度はもうすこし立てた方がよさそうなのでなおして描いてあります

3 滑り止めをかねた凧糸を巻いてあります(巻き方は後日お教えします)


取り急ぎですみません。参考にして下さい


PS

今はミリで呼んでいますが、インチは長さのことですか?


押し溝切_刃拡大_jun 1.jpg



押し溝切り鋸寸法図.jpg

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前田純一様


アドバイス有難う御座います!

かなり平面に気を使わなければ成らない事が理解できます!

キングの1000番買い求めようと思います!

親父が使っていた"金剛砂"が有りまして!親父の真似をして、定盤の代わりに金床を使って平面を出してみようとも思います!

何だか、師匠と付き合っているとタイムスリップして行く自分が面白く思えてきました!

焼入れですが!目立屋は油で焼入れが良いのではと言ってくれましたが師匠はドンナ方法で焼入れをしましたか?宜しかったら教えてください!お願い致します!

峰の部分を薄くする事!師匠の写真で理解いたしました!歯振が無かったので、引いた時渋く為らないようにと先回りいたしました!

バーナーは友人が余分に持ってましたので譲り受ける事になりました!

何でもかんでも人様のお世話に成って苦労なく楽しい人生を歩ませて頂いてます!幸せな奴だとつくずく思います!

本格的な焼き戻しは二十日の日からに成ります!

十九日が心臓の検査、ステンレスの心臓ドンナ具合か楽しみです!

負荷心電図・自転車を漕がされてヒイコラ言いながらの検査!楽しんできます!


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坂本様


心臓順調を祈っています

砥石は少々誤解させたかと思いますがキング#1000は、僕が弟子入りした当時からの定番ですので使ってみてください

年をとって亡き親父と時を共有出来ることはなんともいいんじゃないですか?

ときとともにいい思い出ばかりになってきますね


焼き入れについて僕はあまりよくわからないんです。

キツネ色になったとき油焼き入れをして夢中で間に合わせたことぐらいしか覚えていません

その道の方に聞いておわかりになったら僕にも教えてください


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親父は日立の機械工でした!面白い特許を持っておりまして(社内特許)川から田圃へ水を汲み上げるポンプの特許!堤防と川の間を真空にすれば後はストロー現象で水は田圃に流れ込むと言う至って簡単な考えですが日本国中で使われていたポンプ!

今考えると一番親父に近い生き方をしている様にこの頃思えてまいりました!

右手の人差し指が「しゃもじ」のように広がった様子を今も思い出します!

形見に成ってしまいましたが!長さ900×幅80×厚5のステンレス裁断定規が懐かしい思い出を蘇らせてくれます!

今日は、筍を掘りに言ったのですが竹林の持ち主が体調を崩してしまい、人が居ないと言う事で、留守番がてら話し相手になって参りました!

博識の方でお百姓さんの仕事、自然の話を聞いているのが楽しかったです!


鑢をガス台でナマしたので鑢がはねて大変でした!バーナーを持っているのが18日が都合が良いと言うので其の日にしましたが早く十八日にならないか楽しみです!

親父が居れば"焼入れ"は教えて貰えるのですが!今は天国!ジープのサスペンションで包丁を作ったときの焼き色を思い出してやってみようと考えていますが!今から五十数年前の話出来るだけ思い出しながら遣るのと!目立屋を責め立てて聞き出すように努力いたします!

鍛冶屋の仕事は大変興味が有ります!アメリカ・コネチカットで飽もせず一日中鍛冶屋の仕事を見ておりましたら、若かったら弟子に取るところだといわれるぐらい見てました!

焼入れの状態は写真に取って置いた方が良いでしょうか?

今回、焼き戻しはバーナーで!断熱材で囲み温度を上げて様子を見ようと思います!使わない鑢を余分に貰って焼き戻し焼入れを実験してみます!


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坂本様


いい親父さんだったと想像して楽しくなりました

真理をつかまえた人ほどすごいと思います

お目にかかれないのは世の常でしょうが、ステンレス定規をそのうち見たいものです


焼き入れにかぎらず金属は細いところに熱が集中すしますね

先端が折れやすくなりがちですので、僕は焼き戻し?に気を使った覚えがあります

「ナマし」 「焼きいれ」 「焼き戻し」というんでしょうか?

聞きかじりでやったことなのでもう一度よく理解したいと思いますので記録よろしく御願いします

出来れば写真を撮っていただけるとありがたいです


それにしてもサスペンションが包丁とは驚きです

陶芸は炎の芸術といいますがどっこいこちらもさるものですね


ところで市販の鑢は先端に行くに従い薄くなっています

使ってみると掘っていくと締まってしまい、具合が悪いおぼえがありました

あまり使うこともないのでだましだましやりましたが、例えば柄の方で作るとか、

ちょんぎって厚みが一定のところで作るとかするといいかとおもいます


2009.06.17

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の二

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小さな畑_梅雨の庭_2009.jpg
「蕪の畑で」2009年梅雨




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坂本様

いよいよ鑢が手に入りましたね。写真を有難うございました よくとれていますね


実験には僕も立ち会いたいですが、結果を楽しみに待っています


いよいよ梅雨入りのようで、我が家のミニミニ畑も順調、カブの漬け物が楽しみです

それにつけても芝草類が種を実らせると梅雨になる彼等の賢さに毎年頭が下がります

ですから暇があれば(ありませんが)雑草を抜いていて梅雨入りが解りますので天気予報は不要です

カマキリは次シーズンの積雪高さを予測して、もぐらないスレスレに美しい卵を産み付けますが自然とはまったくたいしたもんです

僕に殺された雑草は次の年には豊かな養分を含んだ黒土に還って美しい樹木を育てます

僕らは樹木を頂戴しますので邪魔に思えた雑草にそのうち感謝するわけです

そういった働きをする養分を滋養というらしいですが、そんなものはわれわれは制作出来ませんナ



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前田純一様


プロパンとバーナーと断熱材と油が揃えば"出発進行です"楽しみにして下さい!

焼入れした鑢は一度そちらに送りますので吟味してみてください!

二十日の日に"なまし""形を成形"二十日中にコノ作業が出来れば"柄の部分焼き戻し"した物を送ります!

鑢って硬さを見てください!お願いいたします!

焼入れのときの"鉄の焼き色"はデーターを送りますのでナンバーと照合して下さい!


まだ出来ていないのに先走って興奮気味です!今晩、寝れるかな!?!?




追伸

蕪の漬物、美味いでしょうね、羨ましいです!

糠漬けをやってますが、材料が新鮮でないと漬かり方が良くありません!其の点前田さんの処は自家農園だから羨ましい限りです!

色々と漬けているのですが、ナスの漬物が美味く漬かりません!どうも鮮度の問題と、なすの大きさに左右されるように感じております!色々と八百屋さんを回って探していますが今のところ巡り合っておりません!遭遇するのを楽しみに探しております!此れも遊びの楽しさ!?!?!?!???




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いやあ、楽しみに待っています

金属ほどには性格が変化するなんてことは樹にはあり得ませんよ


しかし茄子はむずかしいですね

まず茄子紺ですが、みょうばん、錆釘などいろいろやってもどうも素材のような気がしています

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

PS

梅雨の晴れ間_ひろ小場で01.jpg

ところで三城の県民の森には美ヶ原頂上への登山口「ひろ小場」というキャンプ地があります。秋からこの時期までは入る人もなく、賑わいも汚染もない静かな別天地なのですが人知れず熱心なファンがいて、湘南方面から来る60すぎの絵描きさんは一月も逗留するそうです

樹木の命が聞こえるような気がして僕はそこへ行く途中の羊歯の森が大好きなのですが、今日昼前覗いてきましたので写真を送ります

朽ちていく老木と新しい命の雄大な森、、自然は尊大ですね


梅雨の晴れ間_ひろ小場で03.jpg

「梅雨の晴れ間の羊歯の森で・1」
2009年初夏

梅雨の晴れ間_ひろ小場で02.jpg
「梅雨の晴れ間の羊歯の森で・2」
2009年初夏

2009.06.16

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の一

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小鉋_豆平鉋.jpg



封筒.gif
鑢から作る刃物は火を使った工程_「焼きなまし・焼き入れ・焼き戻し」が必要ですが、僕の使っている溝鋸は父のやるのを見よう見まねで作ったものです
この工程がうまくいかない刃物は、切れないか折れてしまうかどちらかで使い物にならない

坂本さんはお父上が日立の金属工をやっていらした。それでこの際いろいろ実験してこれからの木工を目指す方の参考データを作ろうと、60過ぎ工作少年が興奮してあれこれやっているわけです

これは炎の色と金属の変化する色で温度を知る勘仕事で難しく、それ故大変面白い
ですからどこにも売っていない一生道具となっていて、小さな鋸は僕にとっては宝物なのです


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前田純一様


今日一日掛けて溝掘りようの鋸を作りました!まだ刃は付けておりませんがもう一度確り焼き戻してから刃をつけようと考えております!

ディスクグラインダーと鑢で形を造りましたので最後は大粗砥で平面を出すように致します!

アドバイスお願いいたします


報告=1.豆鉋用・鑿=長さ150mm・厚さ3mm・幅3mm・7mm・15mm・ 20mmの四種類!バーナーが手に入り次第焼き入れて造ろうと

考えております!

鋸用の鑢も目立屋から貰いましたので<焼き戻して造ろうと思います(この時の目立ては前田さんはナニをお使いになって目立てましたか、鋸目立て用の鑢ですか!)



押し溝切り鋸1986年製_.jpg


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坂本様


実際に押溝を掘っていくと曲がりますので、正規のラインに修正します

ところがこの鑢鋸はあさりをつけませんので曲がれません

それで刃の厚みを背方向で薄くしてに断面テーパーに研ぎます

マイナス0.2mmぐらいでしょうか? メケンで結構ですがテーパーが強いほどよく曲がります(糸鋸やジグソーの刃でも応用しています)


普通の砥石は減ることが欠点で(また長所なのですが)出来上がりが曲面状になってしまいますから、平面を保ってくれるダイヤモンド砥石を使うと簡単です。番手は120番から240番の荒いもので、そのあとキング1000番あたりで仕上げればよい

ダイヤモンド砥石は超硬面取りトリマービットでもなんなく研げますので揃えておくことをお勧めします


以下鋸身厚を作るときのポイントです

ポイント1 鑢身は先端部で薄くなっていますので厚みが一定の部分まで切って使う

ポイント2 峰を薄くテーパーに研ぐこと、テーパー強さによって曲率が変わります



2009.06.08

指南帳_鉋_工作少年とのメール

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指南帳_鉋_02.jpg
「収縮した台の仕立て直し」

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封筒.gif

こちらも初夏から夏へとさわやかな季節を楽しんでいます

昨年株分けしたあやめ、とらのお、しらねあおい、いかりそう、みずひき、みやまおだまき、チゴユリ、ほうちゃくそう、くじゃくしだ、レンゲツツジなどなどもともとこの地にあった植物が増え、増える訳ない小生普通預金以上にうれしいことでした。(これはこの地を踏み荒らした贖罪であります)

それらを新しい荒れ地に移し僅か5メートルは緑が伸びたでしょうか? 庭造りは貴兄仰るとおりやはりあと25年はかかりそうですナ

カブ、春菊、辛み大根は双葉が無事開きましたが葉物の虫退治は煙草の吸い残しをバケツ水に溶かしたものが一番と地域ご老人に教わりました。そんなわけでますますやめられませんが煙草がなければ農薬散布となります。煙草の害と化学汚染とどちらが社会にいいんでしょうネ?都会の野菜はたべられませんナ・・

仕事の合間は草取りですが、ところで貴兄は雑草をなんと定義していらっしゃいますか?


さて、工作復帰おめでとうございます

工作のなかでも鉋はいちばん面白い

僕は小さい頃、細工場(仕事場)へ夜盗み入って父の鉋で内緒で削った覚えがあります

細工場へ子供は入れてもらえなかったので、父の留守が楽しみでお弟子さん達も黙認してくれていたいい思い出が残っていますが、父は見抜いていたでしょうね。鉋は命ですから・・


シメシメと削るとシュッという音と木の香りを嗅ぐだけで子供の胸が騒ぎましたが、「削ろう会」という鉋を楽しむ団体があるくらいで、鎌倉室町からもって、未だにいい大人が夢中になるのももっともな話です

僕も例外にもれず未だにやっておりますが、50年削ってようやく少しは解ったような感じがしますのでコツをお知らせします


指南帳_鉋_03.jpg



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前田純一様


昨日、漆の勉強のために欅を板に作りました、鉋がけをしましたら手のひらにマメが出来ました!柔な状態では良い物は出来ません!修行いたします!

今日、古い鉋の台を定規で診ましたら意外と狂っているのが判りました!立鉋で訂正しました!此れで良いのか判断できませんが使ってナンボですから都合が悪ければ訂正しなおします!


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鉋下端は下端定規のようなまっすぐな棒で真っ平らを勘でみるのですが、「なにに対して」真っ平らなのかがポイントです

削る相手のかたちは、むくりがあったり甲盛りがあったり箱の底のように凹面だったり、しなったり動いたり(僕の家では狂うとはいいません)するので、つまりは樹に合わせるということですが、逆に言えばその様に下端を作ると樹がそうなってくれると言えます・・つまり目的、作り出す形が下端です

難しくなりましたが実際には削る相手に鉋を当てて軽く回転させて回転の中心が刃口の台尻側直ぐ下(図参照)にあるように下端を調整するのがこつです


さてどうやって平らにするかですが、(僕は普通の鉋で削ります)立鉋で大体平らにしたあと厚いガラス板にサンドペーパーを貼ってその上で鉋を摺り合わせます

ガラスは5mm以上厚いほどよろしい、建築廃材現場にいけばきっといいものが手に入りますので長さは鉋の二三倍、巾は14cmほどに切ります

ガラスで手を切らないように角を丸めますが、砥石でらちがあかない場合は回転の遅いディスクグラインダーにガラス用のディスクをつけて丸めるとうまくいきます

かならず防護メガネをして下さい(もし昇降盤のような大型機械があればガラスよりベターです)


サンドペーパーはスコッチ製のロール状のもので裏にのりがついているものを使い、番手は#120か#180を使います

さてここからが大切です。

以上までは刃を痛めないよう少々引っ込めて手加減で平らにするのですが、いざ刃を使う状態まで刃を出すと鉋刃が表なじみを押して台頭下端が少々出っ張って刃を材料から浮かせて削れません、そのほんの僅かの出っ張っりをスクのですが、これは目で見てわかるほどのものではなく、立て鉋ではなかなかむづかしい仕事ですので、5cmX7.5cm厚み15mmぐらいの木っ端にサンドペーパーを貼ったものですり減らすとうまくいきます(他の方法がありますが次の機会で説明します)

しかしこの部分を不必要に低くしてしまうと削り終わりがガタつきますので注意が必要です


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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刃も定規を当てますと刃に対して立ち上がりが直角でない事が判り鑢掛けいたしましたが此れも使ってナンボ!それから考えます!

欅の切り出しも、刃の調整も、豆鉋を作る準備を兼ねてやってます!ナカナカ鉋に到達できませんが!ここいら辺が楽しい所!何時になるか判りませんが頑張って造ります!

欅の切り出しで判ったのですが!材を垂直に保って電鋸で切り出すのにジグが必要である事がわかりました!段差が出来たり厚さが違ったり!訂正のために大変な労力が必要に成りますので少し考えてジグを造ろうと考えております!

次から次えと新しい問題が出てきます!素人はこまった者です

今日は正に初夏・・・・・・・・気持ちの良い一日でした!


・・・・・・・・・

指南帳_鉋_01.jpg


鉋にもコツがいくつかありますが今回は簡単に説明しました

僕はこのごろ手段の目的化を大いに良しとしています。今後順次ご説明しますが疑問がありましたら言って下さい

鉋には迷信のような通説があり、うまく削れない人が多いのでブログにも載せようと思っています

それにしてもシンプルな道具ほど奥が深く楽しい、、日本の刃物は魅力がありますね


2008.12.07

指南帳_鉋_小鉋_40内面取り

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小鉋_40内面取り02.jpg
木の建具の「面腰」にみられる内面とり(うちめんとり)は日本の伝統で、古い家のすみずみまで細かい神経のゆきとどいた仕事は清々しいものですが、他にも「塵落とし」など、ほこりのたまらないデザインの細やかな感性は、機能優先で普及してきた現在のサッシにも特に和風建築には取り入れて欲しいデザイン要素だと町を歩いて思います


小鉋_40内面取り10.jpg

家具調度の細部には「大面取り」があり、組みあげた後での入りスミ加工はなかなか厄介な仕事となりますが、この鉋は45°の交差角度が60°になることに着目して内ズミを要領よくキリっと仕上げるために工夫した刃巾40mmの二枚刃(ハイス鋼)で、持ち変えることなく平鉋、60°のきわ鉋左右の三役をこなします




小鉋_40内面取り03.jpg
外面取り時に鉋台がすり減るのを防ぐため下の写真のように金属を埋め込み、押し溝の下端部分を工夫して一般の鉋では削れない刃の端部で交差部を仕上げます。
真鍮と銅の両方を使ってみましたが、銅は滑りが悪く、以後弟子の鉋は真鍮に統一しています。



小鉋_40内面取り04.jpg
「鉋台押し溝下端 1」
鉋は中、鑿は隅を切るといい、鉋は隅を削れないのですが、
鉋刃の耳をとらずに、端部から出る鉋くずの排出口をこのように作ります

小鉋_40内面取り05.jpg
「鉋台押し溝下端 2」
赤樫はねばりがなく、割れてしまいましたので白樫を薦めています



内面取り02.jpg
「M邸コレクションケース細部の仕上」
トリマーで機械加工(上)後、この鉋で仕上げます



小鉋_40内面取り01.jpg


小鉋_40内面取り11.jpg

近代の木工は人の手が生みだしていた仕事を完全を目指した機械に置き換えながら、大部分で人間の技を追い越しましたが、回転運動の宿命を持つトリマーでは加工出来ないこのようなディテールを手と勘で細工するのは楽しいものです。
量産品のなかには伝統からはずれた感覚のものも見かけますが、機械の出来る仕事を前提にデザインすると近代工場は人が機械に使われる主客転倒となります。日本人らしい感性を備えた、例えばこの鉋だけにしかできない仕事の歓びを知ることは手仕事には重要で、伝統をふまえた目的に向かう独自の工夫と道具の使いこなしの結果が、画一性のないやや不完全な形になることが面白いのです


小鉋_40内面取り07.jpg


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