2008.10.25
指南帳_鉋_1_豆平鉋の制作_Hi Speed Steel鋼
(0) (0)
ペーパ仕上げが嫌いな理由はいろいろあるのだが、だいいちに人工の砂で擦るなどすると、樹が痛がるような気がするのだ。
生きている樹は、日本刀のように研ぎ澄まされた鉋刃で一刀両断にしないと不憫だし、仕上げても味わい深い生命感のある肌が得られない。
僕にとって日本の仕上げ鉋は、サンドペーパーに換えられない大切な手工具で、弟子達には製作法を念入りに教える。
西洋の鉋や中国の鉋から余計を取り去ったシンプルな日本の鉋は、他に置き換える物がなくて工房の仕事はこれをマスターすることが不可欠となっている
この合金は機械用の鋼として一般化しているものですが、従前の鋼より刃持ちが良く、長切れしするので堅木細工に向き、とくに漆や金箔を施した部分を削る場合に欠かせません。
また、栃や楓や一位の樹などは、金属質や石灰質のようなものを土中から吸い上げ、それが木肌に現れることがあって、これを削るのに従来の鋼では難儀するのです。
使い始めた頃は柔らかい木には使えないと思っていましたが、桐や杉や桧などの針葉樹でも充分満足のいく切れ味です。
鑿もハイス製のものは薄造りで、厨子などの細い溝を細工するのに向いていて重宝します。
指物では長さ7センチ以下のごく小さな鉋を豆鉋と呼びますが、弟子入りして最初に作り方を教わるのは、この鉋です。
豆平鉋は伝統の中で培われた、指物師になくてはならない鉋で、合わせ刃を53°の切削角で台に仕込んであります。
これにより逆目を止めるために裏刃が必要なく、さまざまな鉋のなかでも。堅木用の一枚刃鉋と区別しています。
写真以外にもさまざまな小鉋を使いますが、基本は豆平鉋の原理を応用しています。
「豆鉋」
鉋の台は白樫または赤樫で、後者は美しいが割れやすく、普通は白樫を使って制作する。
鉋刃は、昔は煙草包丁の研ぎ減ったものの払い下げを必要な寸法に切って作った。
一般的な寸六、寸八のような鉋にはハイス鋼が使われ出しているが、小さな鉋刃は作られていないので特注して作ってもらうことにしている。
また、鉋台を彫るための薄鑿や、溝を作るための特殊な刃物は既製の鋼を加工して使う。
弟子達に工程を記録させ、以下に制作方法をまとめてみた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
