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指物師の道具箱4_あて台 あてどめ 木口台

2014.02.13

キャスターと折りたたみ棚のついたツールワゴン

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鉋鑿など仕立て方、中古マックの選び方やソフトウエアのインストール、自然のなかで暮らす心構えなど弟子が入ると僕は忙しい。それらが一段落しそうなので各自のツールワゴンを制作させた

補助作業台とも呼ばれているもので、さしがねや鉋、小刀など、手工具や小口台などの収納と作業台を兼ねるものである。折りたたみ板の支えには様々な金物が市販されているが、木工らしくシンプルな構造にした。新考案したストッパーが特徴でたいへん調子がいい

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名前の付け方を以前聞いたのですが

材料名、技法、使い方、の順でよかったでしょうか。

今日作ったのは、焼杉天板折り畳み作業台付き移動道具入れ、のような名前になるのでしょうか

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工芸作品のネーミングは伝統的に「欅材 摺漆仕上げ 銀金物文机 前田純一作」のように材料、技法、仕上げ装飾、用途、作者を端的に表すのが基本です

どのような材料を自然からいただき、工夫した独自の技法で、どのような仕上法を用いて、何に使われることを目的として誰が作ったの意ですが、美しい使う道具という定義が工芸品の本質で絵画彫刻と区別される所以です

これを展覧会に出すとしたら「キャプション」(説明)は

「杉とたも材、おりたたみの台のついたツール ワゴン」とでもかきましょう

大切なのはどれほど機能的であっても美しくないものは工芸品とよばないということで、しかし僕は美しいだけで現代には不必要な機能を伝承しただけのものは工芸の伝統とはなりえないと思っています。さまざまなものがあふれる現代はネーミングにも新しい基準が必要かもしれません



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2012.11.22

あて台 あてどめ2012

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今年初め、1寸厚合板の木口に楢材を端喰にした中子を作り、両外側に、丸太をなめて残っていた5分の桜二枚を練って新しいあて台をつくった。湿度が変わっても平面の崩れない三寸弱厚、鳥が鳴きはじめる夜明けの感動とともにモーニングトーストとエスプレッソが楽しめる五尺長さの大振りである。
 指物師のあて台(仕事台)は樺桜がよしとされるが、紅色の北米産本桜、めずらしく大きな板目一枚板はたいへん美しく多少軽いので力仕事の出来なくなる老後にはちょうど良い。いまに薪ストーブの前にこのあて台を据えて仕事をさせていただくことにしている。

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あて台にはあてどめが不可欠ですが指物師古来のすり桟方式は高さ調節ができず、いくつも用意しなければならない、応用がきかない、季節で嵌め込む固さが変化するなどさまざまな欠点があります。三城へ来て細工場(さいくば・仕事場)を椅子式にしてから工夫したこの方式は思いのほか調子がよくて工房のスタンダードになり、5回目なお変更を加えて二年目を迎えた岸君に見習わせました。ボール盤や角鑿などが使えない感仕事、金属の雄ねじを木の雌ねじにねじこむ構造は経験を要しますが僕はあて台でキャロルキングなど聞きながらのお茶大好き、具合がよく美しい台は気持ちよく、簡便な台や道具からはきちんとした仕事は生まれないものです。
 昭和初期に出てきた微調節のきくネジを使った鉋には面白い物がいくつもあって、なぜか「機械さくり・機械面取り」などと呼ばれていました。日本はネジの歴史が浅くネジ式は機械だと(*_*)蔑んだのか頑固職人はネジ釘を使わないと迷信のようにいわれますが、僕はねじ機械類大好き指物師なのです。


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スプリングが押さえているので普段は上下調節をすばやくでき、必要に応じてネジを締めて固定します
真鍮鍛造スプリングのほかに市販されている燐青銅でもOKです
木口に作るメネジは崩れやすいのでタップ立ての後、穴をアロンアルファで強化後再度タップをたて、鑞などをぬります
棒は上下前後を仕事に応じて差し替えて使います。必要が出たら段をつけたり革を貼ったり工夫します
棒先が傷んだら切り直して使えるよう長さ15cmぐらい、長めにしておきます
鉄生地のボルトの場合はオイル焼きをしますがステンレスボルトでも構いません


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工房開設に向けてあて台を作っています
あて台への思いは、茶人が灰を大切にする感覚とにています

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1124t02.jpg「修行を始めた頃のあてどめ」

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2009.08.24

木口台・留台(こぐちだい・とめだい)

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木口台は頻繁に使う直角と45度二種の三台がセットになっていて、直角のものを木口台、45度のものを留台と呼び大きさは作るものにより自由です。
手鉋と鑿を使う微妙な角度調整や木口の仕上げに不可欠な道具で、使いこなしには慣れが必要ですが指物師はマスターが不可欠です


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大きさは特に決められているわけではなく自分の使いやすい大きさで製作しますが、ひんぱんに使い分けるため、片手で動かせるように台部を軽い針葉樹、傷みやすい棒部分に広葉樹を使うといいようです


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留台A

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留台B

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留台の場合は台部の伸縮によって微妙に角度が狂いますので、木目が直交するように針葉樹三枚を貼り合わせた台部をすすめていますが、接着(練り付け)に水性ボンドを使うと木が伸縮するのでウレタン樹脂接着剤がよいようです。(エポキシ樹脂は刃を痛めます)
ほぞ組接着をしない板と棒の分解構造は、木が動いたり傷んだ際、取り外して再調整しやくいためです

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直角と留め(45度)を削る以外に以下のような使い方をします

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左上・際鉋を併用してほぞのどうつき部の微調整
右下・長さ決め・きがねを併用して部材の平均長さを出したり、あたり(ストッパー)を固定して多数の部材の長さを決めたりします

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「直角と寸法の微調整」

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胴付鋸、鑿を使う、胴付部分の仕口の細工

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「あてぎを併用する角度の微調整」

【注】木工の仕事に役立てる以外の無断転載をご遠慮下さい

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