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works_椅子

2009.03.16

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「ch_トキシラズ」 





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「正月七草、工房での打ち合わせ」







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「三角の栃材縮杢の座板の娘の椅子」1987年

トキシラズ店内 5メートルのカウンター席用の椅子は、1987年に制作した「娘のための椅子」の背部構造をモチーフに、床に接する部分を動きやすい線接触にしたフレーム、座面高43cm、不特定の方が座ることで、前縁を前下がりのベジェ曲線にした有機的な座面により2時間まではクッションなしで座り心地のよいことを目的に制作中です
日本の伝統的な感性を生かして錆鉄綿色を美しく表現したフレームと、人の手が生み出す手鉋仕上げの無垢の座板と背の鉋目の仕上げによって心地よい自然の感触を特徴としています

この背のような木部は、一般的に曲げ木と呼ばれる木を蒸して曲げる手法か、成形合板と呼ばれる、薄い板を曲面状に貼り合わせる手法で作られますが、600アールに曲げた鉄フレームの背部分に4ミリのステンレス素材のボタンキャップビスで固定することで独特なディテールとし、目切れ(木目が切れることで折れやすくなること)を補強しています


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「読み聞かせのベンチ背部・2006年」


僕は曲げ木が出来ませんし、樹を工業素材にする立場と対極に身を置いていて、樹の長所と欠点をよく知ることと自分の培った技法を生かすことが必然のデザインとなって独自の作品の創造に繋がっているのですが、人は自然の上に生かされているべきで、なにより樹に過剰な人為を加えたくないと思っているのです






2009.02.12

扇のパーソナルチェアー_「時代をつなぐなかまたち展」2009年2月19日から・銀座和光並木ホール出品作品から_

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座るのに椅子が必要になったのは戦後生活が洋風化したからである
椅子には家族が勉強したり食事をしたり仕事をするためのものと、個人のものとがあり、自分用の片アームのパーソナルチェアーを1986年に作って気に入っている

23年の間、僕はこの椅子に座って日の出と夕日に感動し、燃える樹の故郷を思いながらご飯を炊き、樹が灰になる過程を楽しみ、悩み考え、たまに喜んだり夢を見たりしてきた
8寸(24cm)の存外の座面低さはそのころ小さかった子供達と僕との視点を合わせるためであったが、床に座る方を見下ろさない
一見固い木の椅子にこだわるのは、化石資源から出来たふかふかのクッションよりも、夏であれば、いと涼しげな麻を被せた日本の座布団などをのせて楽しみたいからである



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何十年も使える堅牢な椅子、親が座ったものをその子供がまた座る事が可能な椅子、流行でもなく、多少荒っぽく使って傷がつこうが、個性的でびくともしない美しい椅子などを作っていては儲からないので世の中にはへんな椅子が溢れているのだ
しかし樹を粗末にして作った規格の椅子に自分を合わせたり、使い捨てを買い換える事を楽しみにしてしまうと、自分の人生までが型にはまった使い捨てになりかねない

この椅子には火の番にはじまり、生きていくためのさまざまな仕事が与えらているのだが、僕はぼちぼち息子に譲ってもうすこし座を高く大きくした新作に座ろうかと思っている





2009.02.03

T チェアー(桐と桑の手前椅子)_「時代をつなぐなかまたち展」2009年2月19日から・銀座和光並木ホール出品作品から_

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西洋を取り入れて戦後普及した日本の椅子は、畳や木の床での暮らしの習慣、体格の違い、靴を履いて使う外部空間と裸足で歩く清潔好きな家庭空間の違いなどの問題が未解決で、さまざまな試みがされていますが、きものを着て座る日本人を思い描きデザインしたこの椅子は、茶道のお点前を参考に手前椅子と名付けました。
1995年の銀座和光での個展に初出品以来、西洋では使われることの少ない針葉樹のかろやかさを生かして、杉、落葉松(カラ松)、松などと手縫いの革を組み合わせてその後さまざまなデザインが派生し、日本の研ぎ澄まされた手鉋仕上げの味わいと、うずくり仕上げによる生命感溢れた素材の触感を特徴としています

鍛造の錆鉄のフレームは茶道で使われる茶釜の仕上げに習い、背端部に溶かした真鍮を被せた鉄輪をデザインポイントとして、ウレタンなど、健康被害を起こしている化学塗料を使わずに仕上げた樹と共に、地球にリサイクルする日本古来の考えは工房作品全体の共通の思想です

 また懐石に昇華された雑煮、白米、漬け物、焼魚など日本の食事を、向付けや小皿などに代表される日本の食器が口に近づく形態と、大きな洋皿に口を近づけて頂く形態の違いからくる差尺(椅子座面高さとテーブル高さの寸法差)を考慮しながら、茶室で小さな宇宙を作りだしてきた日本に見合ったサイズにし、最近問題視されている椅子使用による腰痛の増加などをふまえ、僕達が大切にしてきた背筋をのばした健康的で美しい所作を大切にしています

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「差尺の検討_和食器・洋食器による所作」


特に重要な座板面は座骨中心点位置とベジェ曲線にならった大腿裏側に接する部分を計算してカラダに沿った美しい曲面を手鉋で削りだすことによって、木の椅子のすべりやすい固い感じをなくし、椅子の語源、人が木に寄りそう意味を大事にしています

これからの日本の椅子は、寸法や色やかたちだけではなく、樹木への敬意のこもった制作姿勢や、木材を消費してしまった結果の環境破壊への反省、或いは民族が培ってきた針葉樹の文化、日本の刃物の切れ味が醸し出す味わいを生かし、長い歴史と文化にそぐなう未来の格調を生み出しながら、西洋の合理性と融合して発展して行かなくてはならないと思います


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「落葉松の手前椅子」2004年制作


作品は、工房の日々の暮らしから生まれる道具が出発点ですが、昨秋家族となった嫁の希望を聞き、以前から作りたかった桑と、暖かな桐材を組み合わせた座板で設計し直した、新デザインを出品に向けて制作中です。
美しい日本の椅子の試みは、美しい日本女性とは、に繋がり、二人の娘に既製の人生ではつまらないよ、人生は一回きりのオーダーメイド、オンリーワンの日本女性に成長して欲しいとの僕の祈りと重なり、点前と嫁の頭文字からT チェアーと名付けようと思います








2009.01.15

自分の椅子_弟子達_早川久美子君

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「090112_Tチェアー前脚の曲げ角度の微調整」


自分の椅子が作れなくて人様の椅子が作れるわけないだろ〜・・
いずれにしても木工の道の覚悟を決めるにあたり腰を据えてとりかかるための椅子がいる、は回り道でないと昔僕が自分に課したことで、弟子達にも伝える

正月休みそのことを考えていたらしい早川がこんなことを言ってきた
いい椅子作りにも、仕事への愛、片時も頭を離れない熱意と情熱が必要なのだ

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自分の椅子を作りなさい。

「自分の椅子」とは、仕事するため椅子のこと。

 

聞けば、先生が修行時代、

20代の頃に二代目である大先生と専門の材木屋さんに買いに行かれた逸品だそうで。

嬉しいより先に恐縮してしまう年代もの。

当日、工房の帰りは、大事にお腹に抱えて歩きました。

桐材は、バルサの次に柔らかい広葉樹だそうで、

直接ネジや釘を打てず、また椅子にはほとんどしない木とのことです。

・・・そういえば、見たことありません。

 

先生の椅子は、何度か座らせていただいたことがあります。

キャスター付きの製図椅子の脚を利用し、

漆で仕上げたその年季の入ったその椅子は、

聞いて驚きました2×材を矧いで作られたそうです。

「美しい」とは何なのか、ますます考えさせられます。

 

その日の夜から、

脚に使うキャスター付きの椅子のインターネット検索が始まりました。

条件は、

自分の低い身長に合うもの、

一生共に過ごすには樹脂より金属、

壊れにくい、壊れても直せるようにシンプルな構造、

であることです。

 

実家に帰省中の本日、とうとう港北にあるIKEAで条件に合った脚を購入しました!

(都合いいことに、座面と脚が別売りでした。)

 

脚が決まり、ますます緊張が高まります。



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「090112_Tチェアー背もたれ端部錆鉄に真鍮蝋流し飾り工程」


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朝礼での先生のお話しのなかで、

希望を持つことの大切さを教えていただきました。

できるようになりたい。と思わなければ、できるようになりえない。

 

この朝礼のあと、

数年前、学生の頃、アメリカに短期留学をした友人がすいぶんのショックを受けて、

帰国後にくれた手紙に、こういったことが書いてあったのを思い出しました。

『I want to 〜がなければ、誰も相手にしてくれなかった。厳しかった。』と。

 

 いつもはお休みをいただいている土曜日、

大作さんが鉄の溶接を教えてくださるということになり、工房に向かいました。

溶接が上手くなりたい、と思い続けているなかでの手番。

その前日にも、ちょうど先生の椅子の溶接をずいぶんと見せていただく機会があり、

なんとも充実の2日間を過ごさせていただきました。

 

もう一つ嬉しいことは、お正月休みから続いている自分の作業椅子づくりに、

先生が新たに挽き物の丸い板をくださったことです。

椅子をつくりたい、と頭をぐるぐるさせ、やっと見つけたキャスターの脚に、

これから古い虫孔のあるすばらしい栗材の座面が付きます。

 

木工で生きていくのは、ものすごく厳しいと伺っているし、肌で感じてもいます。

でも、これから常に自分がどうしたいのか、どうなりたいのか、

希望を持つことで、どれほどすばらしいお仕事になり得るのか。

心構えができたお仕事はじめでした。

 

 先生にいただいたお年玉、大工道具の柄の手ぬぐい。

ありがとうございました。

さっそく自宅の部屋に飾り、気合いを入れました。

驚くことに、買われた色んな柄の中から、

一番先生がお気に入りのを私が引き当てたとのこと!


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「気合い_090113_早川自宅壁」


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「誕生」_090114新作桐と栗の椅子のための渦巻き


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「庭の椅子」_081015秋の思索


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「早川」_090115 初めての鍛造_渦巻の芽生え


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ありがとう、いいことを思ったね


アンテナをたてていた君だからIKEAを手に入れることができ、求めていた新しい自分を発見する

希望や夢を持つ人に周りはなにかをしてあげたくなり椅子は現実に近づき、君には今まで知らなかった自分がみえてくる

自分対象の椅子をデザインするとは自分の個性を育てることで、道筋は自然の縁といった楽しいものらしいが、求めていない人にはあるわけないね

正しい人にとっての喜びは、してもらうことよりして上げることの方が大きいはずだけれど、その友人は何を求めて留学したのだろう・・


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樹は神様が作って、木工家が加工し、使う人の過ごす時間が最終仕上げする(木工芸と呼ぶ)

君はこれから一生掛けてあの椅子を作るのだけれど、同時に君はあの椅子に作られるのだから、ないがしろには決して出来ない

素敵な椅子で過ごす時間が素敵な君をつくるから鷹揚な樹は喜び、椅子と君は外部に美という感動を呼んで本当の三方佳しとなる

適当なときに壊れたり飽きられたりして買い換えられことが利益につながると、樹を勿体なく使い捨ててきたから、近代の経済発展は人間だけが喜び、樹と地球はちっとも嬉しくなかったことが多くの現代木工の間違いだった

道具の使い手が、道具とともに自分の歴史を刻むことが出来なくなってしまったんだね

それで君が何をしたいは、まず樹に何をしてあげたいかなのだよ


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それにしても大工道具よく当てたね

例えば送ってくれた写真、

君の感動は僕個人にはよく伝わりうれしいが、見る人が建具屋さんだったら手拭いは目に入らない

壁職人だったらこの色を好きだと壁だけを見るから、写真は他人に君の心を伝えることが出来ない

見ると観るの違いはこれなのだけれど、wont toと同じことが言えて他人である社会を相手にするのはとても難しい


しかしそんなことより、今の君は樹と自分を大切にすることから始まる

それから技術錬磨は人間らしい仕事に不可欠で、溶接金工は木工に可能性という夢を拡げてくれる

なんでも初めはむづかしく思えるが継続すればそのうち「わかった」っと感動する時が必ず来る

これは才能ではなく好奇心に基づく精神力で、僕のようなひ弱な体力などは凌ぐものなのだよ


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ch_仕事椅子_J_2007


2008.12.17

指南帳_CAD_Shadeによる椅子座板の設計

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ベジェ曲線で立体を描画するShadeという国産のソフトウエアーは、人の体に合わせた有機曲線で構成する椅子座面や背のデザイン設計に最適、高価な一般CADソフトと違い一万円ぐらいの基本セットで必要充分の機能を発揮します。他のソフトにはないスムース、アイロン処理は無理のない自然のライン・・日本の伝統のかたち「てり」の表現が得意、加えて面取りなど日本のディテールを繊細に表現できるので僕は愛用しています。


木を削り始める前に思い描くイメージを仮想の立体にし、様々な視点から検討修正を繰り返す作業は、特に椅子の場合に一生ものの美しい作品作りにつながります。

CAD上での形の検討は、紙の上に透視図を書いて絵の具を塗っていた時代にはとうてい考えられなかったことですから曲線構成のCADは難解ですが、常にさまざまな角度からの見え方を意識することは、これからの家具工芸のデザイン設計には必須だと僕は思います。

一例として、描画法を以下に紹介しますので参考にして下さい





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