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若者たち

2009.02.17

搬入に向けて_「時代をつなぐなかまたち」展090219〜28

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「なにかを掴みかけた早川さん・ひょうたん焼き印」

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「時代を繋ぐ」にあたって「僕達が再認識したい日本」
がテーマとなりました

用を満たすだけではいけない、しかし必需品を作るのだよ・・に向かい、連日徹夜と夜鍋交互の若者達
おかげさまで大した怪我もなく、雪のない暖かい冬は何よりありがたい贈り物でした
やはり歳に勝てません、梱包積み込みをすっかりお任せが有り難く、小生昨晩はゆっくり休ませてもらいました。応援してくださっている皆様、会場でお目にかかるのを楽しみにしています


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「指物は箱に始まり筥に終わる、とハイス鋼の鰹節削りも・・」

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「暖房係・飛世君の頑張り!!」



アルバイト代を辞退して「最後まで手伝えなくてすみません」と応援にきてくれた深見君がたくましく成長して後輩指導、僕が修業を始めた時に父にもらった鉋を持たせた

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「工房時代の深見」





2009.01.27

修・破・離_伝統と創造_若者たちへ

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「仕事の椅子」2009 冬_庭で

「修・破・離」は世阿弥の残した教訓で、僕も弟子達に伝える
書道でいえば、楷書、行書、草書で、真行草、真善美にも通じている

僕のやる通りにやるんだよ、と教えるのだが、それは資質を問うていわば受験に似ているのだが、しかし正しいとは限らないのだ
ゆえにそこに、これからの若者たちの未来、夢、活躍、生きる意味が存在している

日本の歴史も同じくで、お手本はインドや中国だったり、明治以降は自由平等の女神を象徴にしながら迫害したエスキモーやインディアン、それから黒人問題を解決できないままのアメリカをとりあえずそっくりに真似をしてきたのである

政治経済、医学、教育、今の世のすべてというのだが、そんなことより僕達にとってなにより大切な家庭というものを、若者をひきあいにしながらそれが誤りだったと大人が自分達の軽薄無責任を指摘していて僕は大変可笑しい

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「深見昌記君」初めての個展 2009年一月名古屋にて

弁証法というのは、ものごとの持つ矛盾した二つの面 、要素、見方の尊重であるが、方寄りや後戻りや折衷ではなく、新しい考え方や新しい形へと向かう過程である
現代の僕達の仕事において、手段としては手と機械、感覚として自分たちと違う世界を尊重しながら、かってないものごとを作り上げていくのだが正しいのかはいつも僕にわからない

しかし伝統とは、いつの時代にも正しくて美しいかたちとして残され証明されている
ゆえに修め、巨大な遺産としての伝統に圧しつぶされながら、僅かな糸口を夢のありかとして日々の仕事を楽しみながら命を賭けているのだ




2009.01.15

自分の椅子_弟子達_早川久美子君

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「090112_Tチェアー前脚の曲げ角度の微調整」


自分の椅子が作れなくて人様の椅子が作れるわけないだろ〜・・
いずれにしても木工の道の覚悟を決めるにあたり腰を据えてとりかかるための椅子がいる、は回り道でないと昔僕が自分に課したことで、弟子達にも伝える

正月休みそのことを考えていたらしい早川がこんなことを言ってきた
いい椅子作りにも、仕事への愛、片時も頭を離れない熱意と情熱が必要なのだ

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自分の椅子を作りなさい。

「自分の椅子」とは、仕事するため椅子のこと。

 

聞けば、先生が修行時代、

20代の頃に二代目である大先生と専門の材木屋さんに買いに行かれた逸品だそうで。

嬉しいより先に恐縮してしまう年代もの。

当日、工房の帰りは、大事にお腹に抱えて歩きました。

桐材は、バルサの次に柔らかい広葉樹だそうで、

直接ネジや釘を打てず、また椅子にはほとんどしない木とのことです。

・・・そういえば、見たことありません。

 

先生の椅子は、何度か座らせていただいたことがあります。

キャスター付きの製図椅子の脚を利用し、

漆で仕上げたその年季の入ったその椅子は、

聞いて驚きました2×材を矧いで作られたそうです。

「美しい」とは何なのか、ますます考えさせられます。

 

その日の夜から、

脚に使うキャスター付きの椅子のインターネット検索が始まりました。

条件は、

自分の低い身長に合うもの、

一生共に過ごすには樹脂より金属、

壊れにくい、壊れても直せるようにシンプルな構造、

であることです。

 

実家に帰省中の本日、とうとう港北にあるIKEAで条件に合った脚を購入しました!

(都合いいことに、座面と脚が別売りでした。)

 

脚が決まり、ますます緊張が高まります。



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「090112_Tチェアー背もたれ端部錆鉄に真鍮蝋流し飾り工程」


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朝礼での先生のお話しのなかで、

希望を持つことの大切さを教えていただきました。

できるようになりたい。と思わなければ、できるようになりえない。

 

この朝礼のあと、

数年前、学生の頃、アメリカに短期留学をした友人がすいぶんのショックを受けて、

帰国後にくれた手紙に、こういったことが書いてあったのを思い出しました。

『I want to 〜がなければ、誰も相手にしてくれなかった。厳しかった。』と。

 

 いつもはお休みをいただいている土曜日、

大作さんが鉄の溶接を教えてくださるということになり、工房に向かいました。

溶接が上手くなりたい、と思い続けているなかでの手番。

その前日にも、ちょうど先生の椅子の溶接をずいぶんと見せていただく機会があり、

なんとも充実の2日間を過ごさせていただきました。

 

もう一つ嬉しいことは、お正月休みから続いている自分の作業椅子づくりに、

先生が新たに挽き物の丸い板をくださったことです。

椅子をつくりたい、と頭をぐるぐるさせ、やっと見つけたキャスターの脚に、

これから古い虫孔のあるすばらしい栗材の座面が付きます。

 

木工で生きていくのは、ものすごく厳しいと伺っているし、肌で感じてもいます。

でも、これから常に自分がどうしたいのか、どうなりたいのか、

希望を持つことで、どれほどすばらしいお仕事になり得るのか。

心構えができたお仕事はじめでした。

 

 先生にいただいたお年玉、大工道具の柄の手ぬぐい。

ありがとうございました。

さっそく自宅の部屋に飾り、気合いを入れました。

驚くことに、買われた色んな柄の中から、

一番先生がお気に入りのを私が引き当てたとのこと!


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「気合い_090113_早川自宅壁」


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「誕生」_090114新作桐と栗の椅子のための渦巻き


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「庭の椅子」_081015秋の思索


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「早川」_090115 初めての鍛造_渦巻の芽生え


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ありがとう、いいことを思ったね


アンテナをたてていた君だからIKEAを手に入れることができ、求めていた新しい自分を発見する

希望や夢を持つ人に周りはなにかをしてあげたくなり椅子は現実に近づき、君には今まで知らなかった自分がみえてくる

自分対象の椅子をデザインするとは自分の個性を育てることで、道筋は自然の縁といった楽しいものらしいが、求めていない人にはあるわけないね

正しい人にとっての喜びは、してもらうことよりして上げることの方が大きいはずだけれど、その友人は何を求めて留学したのだろう・・


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樹は神様が作って、木工家が加工し、使う人の過ごす時間が最終仕上げする(木工芸と呼ぶ)

君はこれから一生掛けてあの椅子を作るのだけれど、同時に君はあの椅子に作られるのだから、ないがしろには決して出来ない

素敵な椅子で過ごす時間が素敵な君をつくるから鷹揚な樹は喜び、椅子と君は外部に美という感動を呼んで本当の三方佳しとなる

適当なときに壊れたり飽きられたりして買い換えられことが利益につながると、樹を勿体なく使い捨ててきたから、近代の経済発展は人間だけが喜び、樹と地球はちっとも嬉しくなかったことが多くの現代木工の間違いだった

道具の使い手が、道具とともに自分の歴史を刻むことが出来なくなってしまったんだね

それで君が何をしたいは、まず樹に何をしてあげたいかなのだよ


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それにしても大工道具よく当てたね

例えば送ってくれた写真、

君の感動は僕個人にはよく伝わりうれしいが、見る人が建具屋さんだったら手拭いは目に入らない

壁職人だったらこの色を好きだと壁だけを見るから、写真は他人に君の心を伝えることが出来ない

見ると観るの違いはこれなのだけれど、wont toと同じことが言えて他人である社会を相手にするのはとても難しい


しかしそんなことより、今の君は樹と自分を大切にすることから始まる

それから技術錬磨は人間らしい仕事に不可欠で、溶接金工は木工に可能性という夢を拡げてくれる

なんでも初めはむづかしく思えるが継続すればそのうち「わかった」っと感動する時が必ず来る

これは才能ではなく好奇心に基づく精神力で、僕のようなひ弱な体力などは凌ぐものなのだよ


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ch_仕事椅子_J_2007


2008.12.25

THANX!!! クリスマス_2008年12月24日

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テラスタイルでのクリスマス展示などなど、

応援して下さっている皆様へ心から感謝申し上げます。



NEW FACE_若者三人は明るく、それぞれ個性を発揮しはじめ、庭からの植物でリースを作ったり、休みにケーキを工夫して作ったり、遠くから応援して下さっている方々のご好意に囲まれ、楽しいクリスマス親睦会をさせていただきました。

本年も大変お世話になりました。

工房一同 皆様の佳い新年をお祈りしております


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2008.12.23

弟子達_早川久美子君

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早朝と夕方僕は火を焚いて食事の仕度を始めるが、薪は長年使われてきた治具や仕事の端材だったりで炎は思いで深く、それらの灰は製材した桐や山菜のアク抜きに使われる


昼食時、今日の当番が鍋に煮干しを準備してあり、夕暮れに炭の上で数分の沸騰を終える頃を見計らい鰹節を加えるのだが、鰹節削りの刃は前例のない超硬合金で拵えたので七年を経てもよく切れて若者は毎夕いい音を出すのだ。

鰹節は大漁時に薪で燻し、カビを利用して作る日本の保存食で、楢の木の薪材は信州四賀村からも産地へ運ばれている。東京日本橋付近にはいくつも店があって、にんべんには子供のころにはよく買いに行かされた。創業が1699年の老舗というから伝統食文化に敬意だが、松本にも植田という鰹節店が健在なのがうれしい。鰹節は木と同じで冬は乾燥で割れるので引き出しの中にみかんの皮を入れたりする

 毎日が質素な味噌汁なのだが、季節ごとの安くて安全で香り高い野菜類の工夫や、味噌の合わせかたとすり鉢さばきから生まれる味の多様性は、外の自然の刻々の変化と同じで、賄いには工夫と創作のヒントが盛りだくさんで木工での創造力を高めている


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それから薪で米を炊くが、燃料となる木の種類や火加減により画一性のない炊きあがりとなりたまに失敗して美味しいお焦げができたりする。

そのころになるとすっかり暖まった部屋が仕事を一段落する弟子達を歓迎する。年月と共に火熾しと飯炊きがうまくなるのは難しい鉋と同じで、自分が過ごした時間の覆せない知恵となっている。


ご飯が蒸れて若者たちの楽しげな会話が始まるころには僕は酒を飲んで寝てしまうのだが、久しぶりに作ったクリスマスツリーがきれいで酒が美味く少し弟子達をからかったりする

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「なんのためにおまえ達は作るのだ」と、例によってやってしまったらしい。

深夜早川がこんなメールを送ってきて、大切なことを僕も忘れていたことに気づいたりする

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先生

 

お疲れ様でございます。

家に帰り、さっそくブログを拝見し、

手前椅子のPDFを開いてみました。

秒を数えようと、時計を見ながらクリック・・・

数える間もなく一瞬で開きました。

光は早いです。

 

 

それと、また日記を書きます。

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週1回の日記を2週間もサボってしまいました。

その間考えていたこと。

 

「何のために作ると思う?」

先生は、お夕飯を召し上がりながら私たち弟子二人に質問されました。

頭の中でぐるぐる・・

誰かのため?

自分のため?

欲しいと思うものがあるから?

とれもしっくりきません。

 

しばらく何も答えられないでいると、先生は、

「木のために作るんだよ。」

あぁ!こんな大切なことを思いつかなかった自分に反省。

でも、まだまだ『木のために作れる』ようになるまでは、

修行の日々が必要で、実感がわいていないかもしれません。

 

そこで、自分なりに料理に置き換えて考えてみました。

ご近所から、大きな採れたての白菜を頂く。

どんな料理にすればこの白菜の美味しさを一番引き出すことができるか?

そうだ。白菜と豚肉の重ね蒸しにしよう!

誰かが喜んでくれたり、自分が美味しいと感じるのは、その結果の話し。

たぶん、そのとき私は白菜のために料理ができたのかもしれません。

 

先生のおっしゃる

『木を生かして僕らが生かされる』

このことを忘れずに修行していきます。


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早川へ


へえっっ 光はそんなに早いのか

自分で書いて自分が見れないなんて悲しいなあ・・・


それにしてもそんなこと言ったかなあ・・


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