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春夏秋冬

2009.12.16

指物師の道具箱_双曲きわ鉋 ・ works_盆_段珠縁(だんたまぶち)の盆

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「段珠縁(だんたまぶち)の鉋削り」

昔、段を施したたまぶちの彫抜の盆を作りたくなり拵えた鉋で、長さ6cmから順に小さく三種の曲率左右一対計六丁、二方向曲線を仕上げる組際鉋は前例がないので便宜上このような名前をつけました。おそらく世界中に僕の手許にしかない滅びゆく鉋です・爆



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左上 「段珠縁摺漆仕上五木の盆」
右下 「段珠縁摺漆仕上手付盆」 神奈川S邸蔵
ともに 栃材摺漆鏡面仕上・日本伝統工芸展出品作品
 江戸の華奢から田舎の土の匂いへの憧れが強かった1985年頃制作
 


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大・左右一対 鉋台長さ6cm

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小右・鉋台長さ3cm

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五木とはおなじかたちを、欅、栃、栗、桑、老松材で作ったことからのネーミング、この鉋で制作した盆六点は三越本店での伝統工芸展を皮切りに全国で展覧となりました
 そのころから十把一絡げ、、つまり金のためなら樹やつくる人の個性なんかは無視したほうがよろしいと・爆、轆轤で不可能な形でもNCルーター、サンダーなどの機械加工や吹きつけ塗装一回塗り仕上げが発達し時代は経済成長。素人目には見分けのつかない似て非なるものとはいえ、機械による大量生産が可能になって、木地を削ったり磨き研いで漆を塗り重ねるのが僕には無意味に思えるようになりました
五つの樹の個性に従って刃を研ぎ分けた細やかな神経のゆきとどいた段の内ズミ仕上げは年季と根気のいる仕事で、徹夜を続けても実現したかった若気のいたりというのでしょうか?、、子供たちがお世話になった山辺の学校に一枚を寄付させていただき時間と戯れた僕の大切な思い出になりました。こんな仕事をやらせてくれた家族友人に心からありがとう・・・・・




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盆_鑿跡.jpg「欅材摺漆鉋目仕上盆」 2000年和光個展
以後鏡面仕上げに魅力がなくなり刃物痕を大切にするようになりました


僕はクルマや木工機械はもちろんデジカメもMAC(ハンバーガーではない)も大好き、、 まして改造足踏みミシンや手作りスピーカー、知らないところへ一人で歩いていくときに頼りになる四駆とウインチ、子供が小さいとき先端を好みの形に研いだキャンプ用ガーバーナイフには古い音楽のようにそのころ過ごしたすてきな時が刻まれているし、折りたたみ携帯先細ペンチの元祖バックツールには何度も助けられた。父も使っていたジッポーライター、空になったカートリッジがゴミにならないポンプ加圧式コールマン、 エヴァンスやラヴェルやジムホール、まだまだ・・・笑・・・おまけの使い捨てボールペンや使い捨てライターは貰わないようにしているし、紙時代からの製図スケッチ用のロットリング、モンブラン、決して文明否定者ではなくて土木機械も大好き、20年以上も庭では人力で持ち上げられない石をバックホーで動かしたり除雪をして先人の知恵の恩恵にあずかっていますし、なによりも国宝級本山(砥石)を守りながら三代にわたり使わせて頂いています。もちろん自製家具には数十年を越すものもあり人に見せるような代物でなくても機能的で飽きのこない、使う人の人格を高める一流の美しい道具を大切にしている
それらは皆高価だから金持ちと勘違いされることもありますが、そもそも高価とは高価値をいい、P/T(プライス、パー、タイム= 使った時間で割った購入価格・造語)が低いものばかり、僕はP/Tの高い安物や趣味性の悪いものを仮に貰っても触りたくないし、目の触れるところに置きたくないのは本当に優秀な弟子を育てるための任務でもある
 さて、人とは神様とけだものの中間にいる動物をいい、大体に於いて善と悪、美と醜のはざまでもがきながらP/Tの高いものが作り出す悪環境に犯されて自分や街並みや地球までも醜く頽廃させてゆくものなのですが、幸か不幸か僕がID(ユーザーIDではなくインテリアデザイナーでもなくインダストリアル デザイナーです・笑)をしていた当時のC/P(コスト、パー、パフォマンス=経済効果で割った投資)つまり利潤だけをを云々してよしとする時代が問題だったのは人間社会だけにとらわれ、なくなっていく自然資源や壊れていく環境復活にかかる膨大な費用を計算していなかったからではないでしょうか。製造者の最たる責任は廃棄した後にあるのです
 心を込めて長持ちする道具を作る会社は潰れる世の中でも、ほんものの好ましい道具とは手鉋であれ機械であれ家具であれ、人がよい仕事を愉しくするために、精神の安らぎとともによいものを生み出すための機能の合理を目的に考え出されて長い命を持っているもの
しかし現代は進歩しすぎたようにも思える道具が利潤追求に結びつき、樹など僕達がいただく尊い命を粗末にして素材枯渇ばかりか酸素までなくなりそう・・笑

それはともかく廃棄物が空気や大地を汚して子供の未来を取り上げ、使うはずの道具に人が使われたり、便利そうで余計な機能が増えすぎたものや、目先だけを変えて売らんかなのモデルチェンジものを買え買えとうるさく、若者は貧乏を愉しみながら修繕したり改良したり、かってないものごとを考え出して夢を見たり、額に汗して命のあるものを土や手から生み出す喜びを失いかけている
 「経済発展はゴミの量=資源の消費量に比例する」 と勘違いして間違っていた歩みをしてきた日本。
いったいなぜ我々はとめどもなく生産と廃棄をくりかえすのだろうか? 僕は機械というモンスターに出番を奪われてしまった懐かしい鉋を握って淋しい思いがしているのです



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「閉鎖したSEIKO社製、曲面が美しい愛用の足踏みミシン」

dogs_UNICO_へのクリスマスプレゼントは刺繍の名入りリードを・・

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Unicoが大喜びで匂いをかいでいました。
犬っておもしろいですねーーー!
素敵なリードをありがとうございます!
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こわれたバス_石切で.jpg「ボンネットバス」

1999年三城で




2009.07.03

いのり_斑鳩の屋根

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「いのり・斑鳩」
屋根中仕上 2009年7月


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前田純一様


ナマシ"終了しました!丁度三時でした!

次に鉋の刃に入る訳ですが!其の前に"鑿の制作でした"四本作ります!

幅20×厚3と幅14×厚3と幅7×厚3と幅3×厚2.5の四種類!

師匠の写真を参考に刃の角度は作って見ます!

一番細いのはそのままで!ほかの三本は"裏出し"をしてみようと考えています!

目立屋の金床が具合良さそうなので!やらせてもらうことにします!


何だか職人さんに成ったようで!ワクワクします!面白いもので!経験した事がない事に入り込むのは興奮します!

デザインしている時も周りから!何時になったらデザインするのナンテ冷やかされましたが!道具は作るのが楽しいです!

今度お会いする時に!小生が一人で作ったガラス瓶リサイクルのPR・DVDを見てください!

デザイン提案したのだから!何処も作ってくれないから!責任を取って作ってくれで!一人で作り上げたジオラマ(4300×2000)のセット二週間で作り上げた時の楽しかったこと!赤字でしたが仕方在りません!


「鑢」必要でしたら送りますので申し付けてください!

暇を見つけて鑢で刃物を作ってみようと思います"左右一対"の鈍角の切り出し!


雨も上がり子供達の遊ぶ声が響いています!子供の声は宝物!




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三時というのは夜中のことですか?・笑

金床は年季が入っていてピカピカに砥石で研いであるんじゃないですか? そんなカネには換えられないもの、僕だったらとても素人には触らせられません・爆

 それにしても二十年以上前の出会いでしたのに僕は貴君のご本職を知りませんでした。先日デザイナーとお聞きしてびっくりしさもありなんと納得。

よい仕事は段取り八分とよくいいます。しかし我々は段取り時間多すぎませんか?喰えないわけですネ・汗 それでは傑作DVDをみせていただくのを楽しみにしています


今後貴兄の制作予定、左右一対鈍角切り出しはとても使えますのでがんばって下さい

刃厚は出来るだけ厚く、角度は45度ですが、これは是非おまもり下さい

それからいくつもの豆鉋、これはなによりも愛しい一生道具となりますよ


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「初めての自製フライス盤による屋根の荒彫り」

2009年7月2日


今日はこちらも雨が上がり、よい気分で厨子の屋根を彫っていました

今僕は日本の屋根のかたちの特徴、むくりとてりの美しさの虜になっているのですが、ベジェ曲線の立体にもかならず数式があるはずと、ここのところ連日深夜探っていたわけです

熟練職人の手は機械のように正確に動くといいます。まだまだ熟練とは申せませんが自分の手の動きをXYZ軸に置き換え、ボール盤を改造したフライスに角度調整治具を作ったもので荒彫りを終わるとその機械美?に感動しました。

この理屈をコンピュータ制御NCルータに置き換えて誰でもスイッチポン、同じものが大量安価、経費の安い海外で、といったのが現代でしょうが、しかしこのようなものに対しては意味がないことでしょう。これは工業と工芸の相違、作り手のハートとセンスの問題で、しばらくシャッターを押していると中尊寺覆堂のようなイメージが匂い、1990年製愛用の豆鉋で手仕事の微妙なてりを豆際(マメキワ鉋)で昔ながらに仕上げながら美の世界へ突入しております


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「CADによるベジェ曲線からの型制作・桂薄板」


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「角度調整治具スケッチ」2009年6月


思惑道理に仕事が進み疲れた体が喜びがあふれ、今では侘びて静かな斑鳩の1500年前、和絵の具に彩られた建造物のはでやかな壮麗な美しさにふと思いを馳せるのです
飢餓、疫病、流血、混迷に世の中があふれていて、とても現代の旅行気分ののどかな田園風景とはほど遠かっただろうと想像しながら日本の侘びさびの真意にゆかしい気持ちになりますが、僕は仕上がりまでにこれから何千回豆鉋を往復させるのでしょうか?しかし回数事にすり減っていく指先に生きている実感を感じながら鉋くず一枚一枚に平安のいのりの気持になるんですが、どっこいBGMがクラプトンとは我ながら呆れます・汗
それにしてもCADどころか、物差しさえ、ましてや学校などなかった時代にどのようにしてあのように美しい日本の屋根を生み出し、現代に引き継いできたのでしょうか? 頭がよかったその頃の職人の労苦と喜びを思い、さまざまな喜びやつらさに行きつ戻りつつしております


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「豆鉋反りNo.3刃巾24ミリ 1990年製」

2009.06.27

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の七・ルークのおもいで

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豆平鉋の制作0906227_12.jpg
「押し溝の加工」
090619川上さん


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前田純一様


返信有難う御座います!

前田師匠はやはり沢山のことをご存知ですし!特に蹄鉄を打たれたなど驚きの連続です!競馬会の仕事をしておりました関係上!蹄鉄は難しいと聞いておりました!蹄鉄は水で焼入れしておりました!素早く正確に馬の足に合わせなければ成らないので大変な作業のように見学しておりましたが!とうとう話しかける隙を見つけることが出来なかった事を思い出します!

小生は仕事では無いので!昔の人がしていたことを知っている人から聞いたり見せて頂いたりしながら!体験した事を人に伝えてゆきたいと色々やっているのですが少し時間が足りなくなりつつありますが!出来るところまでやってみようと考えております!

ナマスのに時間を掛けたほうが良い事は以前彫金をしていた頃色々と悪戯をしておりましたので時間をかけた鉄は鑢を架けた時ムラが無いので良く判ります!

今、急ぎで何でもデッチ上げていますが一段落しましたらじっくりやってみようと考えております!

取り急ぎ!五本成形しました!ナイフのように成形しようと考えたのですが時間が足りそうも無いので写真のような成形にしました!

1.3.5.は比較的鈍角の刃に成りました!2.4.は鋭角です!都合が悪かったら恐れ入りますが研いで角度を調節して下さい!

1.が一番温度が低く!数字が大きくなるに従い焼入れ温度は高くなります!

どこいらの温度が適当かアドバイスお願いいたします!(コピー焼入れ281階一番低い温度・コピー焼入れ274が一番温度が高い)

*実際の自分の目では黄味=赤味なのですが写真ではピンクです!

  見た目と同じようになるよう写真も研究しなければ成らなくなりました・・・・

  お笑い物です!?!?!?!?!?!?

*明日刃を研ぎだして送りますのでアドバイスお願いいたします!



お父様が使っておられた"フイゴ"年季が入って綺麗でしたでしょう!人が使い込んだ道具は美しいです!

不思議ですが使い込まれた道具は!じっと見ていると色々と話しかけてくるようでその場からナカナカ離れられなくなります!道具は鑑賞の対象になります!


小生は!資格と言う者を持たないので!プロパンが精々です何とか頑張って焼きを入れます!全体に同じ色にするのは難しいので刃の近くを重点的に色の安定をさせるよう頑張ります!




焼き入れ5.jpg坂本富士夫

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安心下さい、なんでも素人はデッチ上げから始まります。

頂いた写真を載せさせてもらいましたがなかなか色がよく再現されて理解しやすいです。

油の温度は70度ということですが、初めからの工程_順を追ってお教え頂ければ幸甚です


それにしても蹄鉄は勉強になりました。モタモタしていれば鉄が冷めてしまうし、馬が飽きて一瞬のうちに蹴っ飛ばされる。熱いうちにたたけとか、三つ子の魂百までとか、栴檀は双葉より芳し、とか昔の人はよく例えたもので子供の教育も手早くやらねば血をみるようなとんでもないことになるのですが(すでになってしまったか、、ちなみに小生は女子供弟子達に加えて愛犬小動物にいたり手を上げることを男子一生の恥としておりますので、現代の我が子イジメとは一線を画します・モチロン)、、余談になりますがたまには馬も犬も鞭を当てる必要があります。目的はビックリさせること、自分の手が見えぬよう気をつけ、主人が与えたダメージではないと思わせるコツを習得する必要があります。

さてなんとか素早く打って熱いうちに蹄にくっつけるとすごい煙と匂いで溶けている。でっこみひっこみを摺り合わせるのですが一見お上品な乗馬でも修羅場の末だと思い知りました。馬が合戦モノの絵図にあるように両足を上げて僕を蹴飛ばすことが出来ないように両口元を馬具で吊って前へは出られないようにしてある。僕が選んだそれら馬具は時代の移り変わりでバッグにその後転向したエルメスだったと知って「高いわけだヨ〜」と家内と笑いましたが死ぬよりはマシというもんです。いずれにしても危険を伴う仕事ですから理にかなった機能がさすがだと感じた覚えがあります。500Kの馬を抑え込む強靱さのなかにギリギリまでそぎおとされた繊細さを備えている。革と見事な金物との調和はホンモノ江戸指物の印象で、どんなものも一流のいい道具とはまことに美しいもんですね。そして疾走するサラブレッドの足首が思いのほか細く、片手で握れる位かろやかで驚いた覚えがあります。

さて蹄鉄鍛造もさることながら、そのあとの釘打ちはなおさら危険です。

蹄の神経の境目を正確に狙って数本ぶっとい釘を打ち込む。初めは恐いので爪先をねらってうちますが、そんなことではギャロップですぐとれてしまいます。慣れてきて自信がついてくると面白くなり誤って釘先が神経に障った時などそれはコワイもんで、手に負えないジャクラッセルテリア、ましてラブラドルレッドリバーなんぞは借りてきた猫みたいなもんです・笑


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「最近のステラとサンク」090407

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つらい真冬の早朝眠い目をこすって馬小屋を掃除する。そうするとボロと藁がバクテリアで発酵してあたたかそうにいいにおいと湯気をたてている。やがて畑の土に還っていく過程が真理を知るような別世界で、地球とかかわらない人間社会のリサイクル論は信用できませんナ。

休日のない世話、まして外国旅行など出来るわけがありませんでしたがおみやげはいつもにんじん二箱、しゃにむに駆けることしか知らなかったルークはやがて酔っぱらった僕を乗せて三城をドライブしてくれるほどになり、札束の飛び交う檜舞台から移り住んだ静かな高原での余生はたった数年間でしたが(死んだときが大騒ぎで、お葬式は後日談となります・汗)僕と家族との心の交流は得がたい思い出でとなっています。もとはといえば蹄鉄師にきてもらう金がないので自分でやったことなのですが、地球に迷惑をかけない面倒な仕事、それがあっというまに美しく片づく今の僕に生きているわけで、いい遊びは金を払ってでもするもんですネ。半端ではない遊びには辛い試練が伴っていて仕事と同列です。

金物の素材としてさまざまな金属があるのですが、あたりまえすぎる安価な素材「鉄」の強さと錆味と加工の難しさを乗り越えた機能美を僕はこの体験から認識したわけです。


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「新しい蹄鉄・ジェミニと子供達」1997年初春

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今日酒井さんが裏だし玄翁をもってきてくれましたが、たしかに面白いものですね

そのような店がまだある御地はうらやましい、作る人間がいなくなる都市はさみしいもので材料も道具屋も消えていきます。大事にお預かりしてそのうちお見えになるのをお待ちしています

丁度弟子達が豆平鉋を作っているところでしたが、久しぶりにゆっくり話が出来て楽しいひとときでした。やはり道具は自分で作るもので、十コ作れば少し解るかなあ、、と話して弟子達はさぞ青くなったことでしょう


豆平鉋の制作0906227_05.jpg

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上の写真は昨日作った鉋台制作のための治具ですが参考にしてください。なにかをするたびに何かが必要になる堂々巡りで笑えますね

印刻の台と同じ理屈で楔を利用しています。彫って作りましたが大変ですのでおさえ部分を接着して作ってください。材料は樫など堅い木がよく楔の角度はこのくらい、短い長さの鉋の場合には適当な厚みの木を挟みます

豆平鉋の制作0906227_06.jpg

「刃口の調整」


刃裏の基準面を仕込み角にあわせて作ります
刃先が浮くことのない様に押さえ溝をほんの少し中スキにします
表なじみをすいて刃を仕込みます。()ある程度入れたら2、3日程度木を馴染ませてから本仕込みします
工程06_刃口をつくる.jpg
(今後の工程_)
鉋台下端を平らに調整します(前出・サンドペーパーを使います)
実際に削りながらかんなくずが詰まらない程に刃口を徐々に拡げます
仕上げて面をとり摺漆仕上げをします

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豆平鉋の制作0906227_09.jpg
「溝鋸による押し溝加工」川上さんが二度失敗、三度目の正直に・・


2009.06.21

指南帳_鉋_豆平鉋の制作_鑢から作る溝鋸の制作_其の四

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三城のくらし_薪ご飯.jpg
「三城のくらし_薪ご飯」2009年正月


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前田純一様


ご心配お掛け致しました、御蔭様で元気に実験続ける事が出来ます!
カラクリ人形の歯車を作るのに!遠回りのように思えますが結局の所、真直ぐ歯車に向かっているのです!
頭の中で描いていただけの事柄が!問題にブツカッテ乗り越える事で本当のことが見えて来ました!御蔭様で益々楽しい作業が待っております!

焼入れの実験が上手く行く事を!水無月の神様に祈って準備に入ります!

*今日、並さんと話をしていましてちょっと気が付いたのですが!焼入れの温度ダケヲ一つやってみようと思います!
*極端に高い温度から五段階ほど温度を変えて、鉄の歪み具合を確認してから三段階選び出して正式の実験に入ろうと思います!
*それらもカメラに収めデーターと実物を添えて送りますので見てください!
その際、この辺の温度を使いたいと提案しますのでご指導お願いいたします*今月十二結論を出して、本番に入ろうと思います!宜しくお願いいたします

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前田純一様


「尾形光琳」の風神雷神図屏風を見ながらメールしてますが、光琳は気象学者ではなく一人の絵師として心の中に在る偉大なる自然を崇めて表現したと思うのです!

学問をして理論の中で組み立てた事が全てを支配するとは考えたくないのです!

歴史学者は縄文時代には""は大変貴重で造るのには大変なテクニックが必要だった!だから板が見つかったところはカナリの権力者ではないかと推論する


私は逆に板は丸太を手に入れるより容易かったと反論したのです!

嵐の後!発育不良の木が倒れ!隣の木に寄り掛かり!隣の木は裂けて倒れていたのです!この事実からも生木はあるところまで切り込みを入れこずえにロープを結わえ!引き倒せば裂けて板が出来るのですこの繰り返しで一本の木から何枚かの板は効率よく作ることが出来たのだと話したのですが!納得してもらえませんでした!


今やろうとしている事は"専門家"から見れば他愛の無い事なのでしょうが!

自分の目と皮膚感覚で納得したいのです!今まで色々と見たり聞いたり読んだ事を!そしてご迷惑でしょうが長い間刃物を見つめてこられた「前田師匠」にここいらが妥当だよと見当を付けて貰いたいのです!?!?!?

贅沢な遊びではないですか!その道を極めた前田さんにお願いするなんて!

世間では許してくれませんヨ!!!!!!

私の喜びは其処に在るのです!幸せです!やはり私は「地獄」に行く事を望みます!毎日が責め苦の明け暮れは楽しいではありませんか!


*鉄の焼入れの色ですが!カジヤサンは薄暗い中で色味をしていますよネ!私は明るい外ですので「段ボール」で囲い暗くして色を見ようと気が付きました!手間は掛かりますが!色々な方たちと意見交換する時には其のほうが宜しいのではと気が付きましたのでやってみます!


*鋸の柄を準備しましたナカナカすんなりと納まってくれませんでしたが!落ち着きました!少しコツも覚えました!頭で考えたよりも経験した方が正確に出来る事も分かりました!


キット!カラクリの歯車は芸術的な歯車に成るのではないでしょうか?アハハハハハハ・・・・・・・・・・・・・


二十二日の日に薬を貰いに東京に出ますので!酒井さんと約束した「裏出し玄翁」を持って浦和に行ってまいります!改めて見ましたが一本の玄翁でも丸味が少しずつ違っている事に気が付きました!昔の人の芸は細かく行き届いていますネ!脱帽!


長くなりました!明日は雨との事落ち着いて考えをまとめヨとのお達し!

静かにコーヒーでも飲んでみますか!?



坂本富士夫


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坂本様


面白いなあ、それは木曽でヘギと呼ぶ板の起源かもしれない、、

回り道とはつまり人生とは何なのかといきついちゃいますけど、、僕もなんとなく覚えがあります。
餅は餅屋とか、紺屋の白袴とか、自分は何なの、、と問いかけているお互いさまの酔っぱらいではありますが、一見無関係にみえても寝食忘れて楽しむことで見えた本質が本来の仕事に反映されてくるものなんでしょう、、
並さんもただの竹下通りファッション眼鏡屋さんではないですね・・

人間の勘を数値や学問や全自動コンピューターや金に置き換えて、そちらが勝っているとしてきたから、真面目な仕事はバカバカしくなって現代若者の働く意欲を奪ってしまった

色、音、匂いなど五感で実態を覗い知る能力をわれわれの第六感といいますが、見えないものに思いを馳せることを日本で「ゆかし」といい、例えていえば写真は広範囲を撮すほどに色を出すほどにホンモノがみえなくなり、ステレオは忠実に再生するほど音楽が聞こえなくなる。
これは現代病、薪で炊くごはんと全自動炊飯器製のメシの違いみたいなもん、温度計や時計に頼って生きているから中の様子を窺い知ることができない。犬達が散歩の時間を腹時計で知るといった、人がぼちぼち失ってしまった野生というもんでしょうか
我が国の感性はそういったデジタル理論のお先走りを奥ゆかしくないと表現し、例えていえば大切な事が解っているオヤジの顔色を窺う家族間の阿吽の呼吸というような目下立場の持ち合わせる本来は大変奥ゆかしい関係だったりするのですが、この差異が理解出来ないから、過去のものとなってしまった経験や理論に胡座をかくばかりで、未来の若者のためにも新しい伝統を作り出すことができない年寄りと、やってもみないのに理論で解ったような気になって権力にへつらうトルクレンチがないとネジも締められない若者が急増してきた、、いやこれは昔からかも知れない・笑

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今まで見たこともないようなモノが僕の手から生まれるのがなによりの父の喜びだったようですが、どのように素晴らしいかなどと理論づけていると「見れば解るのでそんな説明を長々とする必要はない」とやられました。ほめことばはありませんでしたが、顔で父の気持ちが解った覚えがあります。形でなにもかもがわかってしまう職人とはまことにすごいもんで尊敬に値しますナ


どちらをとってもたいしたことは解らないんで祈るほかないんですが、いずれにしても自然から遠ざかっては駄目だな、、おっかないもんがなくなり子供がバーチャルに生きているから簡単に人でも殺っしゃう、、鼻も舌も触覚も麻痺していてマスクと手袋つけて女と寝床入りしかねない・笑
僕は老後隠遁したくてここに来たわけではないのですが、おばけやクマのみている森の中、たった一人でバリバリと太い樹を倒してごらんなさい、それはおっかないもので思わず手を合わせたくなるものですが、現代の文明人は恐いものしらずです・・・
先生というものもおっかなくて当たり前(昔の人は、煙ったがられると、いい表現を考えたものです)、作品作りのためには深夜写真に苦しみ、コンピューターでようやくバーチャルレンダリングしたりでまだ見ぬ夢を見ますが、貴兄のように僕も乗り越えて実体のあるもの、膚で触れることの出来る人間くさい美しいもの作りに向かっているのが一番楽しいと思いますナ

ステンレス心臓の調子はいかがでしょうか? お互い体をいたわりながら仕事を愉しみましょう


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「渦巻きの鍛造・あこがれ」

2009年・時しらずの囲炉裏テーブル

2009.06.12

いのり_梅雨の早朝コーヒー

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「朝のいのりとベートーベン・"Pastoral" 

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S様

えっっ、庭造り50年ですかア・・長寿社会といってもあと25年といえば僕はいないでしょうな、、、、

今は剪定などと道楽じみたことを言ってはおりますが、25年前ここには入る道すらなかった。庭づくりなどとシャレるよりは、修羅場の土木工事と言った方がふさわしい。子供達に引っ越すぞなどといってはみても家は移住してから建てたのです


かって囲繞地だったここに入る坂道がどうやらできたら、喉が渇きまして水道工事となりましたが、水を飲めばトイレが要りますナ、、あわてて金物屋で便器を買って庭に掘った穴に載せコンパネで囲った、、、それで娘は未だトイレ恐怖症です・汗


未だといえばにここでは汲み取りですが、近頃の農薬汚染野菜のありさまを見聞きするとかっての武蔵野のように畑に還したい、しかし近隣にはさぞ迷惑なことでしょう、、


いずれにしても今のはかない快楽は、修羅場肉体労働のご褒美とおもわれます

やはり楽しみの前には、人一倍の労苦が潜んでいる訳でした

それにしても僕が苦しみはじめたのは38歳のときですので、くれぐれも老体おいたわりください


しかしこのごろふと思うことがあります

貴兄達も建てた丸太小屋へはほとんど行かないと仰った・・

つまり僕達は結果に至る過程が面白いのかもしれません・残念がらそんなものが金になるわけありませんヨ・・お互い、カミさんには頭が上がりませんということになります


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前田様

時々赤子のオムツから臭ってくると"非難がましい顔"をする人が居ますが!そんな時お母さんに"ドンナ美人・聖人"のおなかの中には同じ匂いの物が入っているのですから心配要りませんよと言って上げるのです!
人間勝手ですから"今まで自分のおなかの中に在った物"出てしまえば赤の他人!
私は、余程の事が無い限り洗剤は使いません!タワシで落とします!バイキンはくすりで殺せるけれど!毒は体にたまると出す事が出来ない!
あの匂いは好い匂いです!特に醗酵をした奴の匂いは甘い匂いがします!
穴を掘り溜めて置いて臭う様でしたら!藁を被せて、其の上から"納豆"をミキサーにかけて2から3Lの水で薄めたのを掛けておくと臭うことが無いと思います!また納豆に、呑み残しのビールと、カップに付いたヨーグルトを水で洗って三者を混ぜるとヨリ効果が有ります!ビールの呑み残しなぞ有る訳がありませんよね!三者を混ぜるのでしたら、納豆ワンパックで10Lほど出来ると思います!
トイレに朝昼晩と蒔くと臭いも少しは減ると思います!何かの機会に遣ってみてください!時々攪拌して半年も摺れば臭いもなくなりますので充分に肥料として使えると思います!
自然を相手ですから時間が掛かります!アメリカとイギリスの名前は忘れましたが童話作家(女性)の庭なぞ!一生掛かって、其の子供達が引き継いで居る!
楽しみが在って羨ましいです!

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S様

それはもしかするとターシャおばさんですか? それにしてもビールを飲み残すわけはないでしょう、、僕が生まれ育ったのは銀座のすぐとなりで産湯は塩素消毒、トイレはすでに水洗だったのでそういったことが解らなかったんですが、これは決して豊かなどではなくて、むしろ不幸だったかもしれません


僕はなけなしの金で手に入れた丸太小屋にしばらく住みましたがトイレが終われば一風呂あびて汗を流したい

その小屋は二階建て、粗末でも戦後地域の人たちで協力して建てた立派なもので時代は共同風呂でしたから、昔よくあった木の小判型の、薪で湧かす風呂桶を手に入れ小屋の脇に据えつけ庭を切り開いて出来た薪を燃やした

一階を、賞金を稼がないので屠殺場送り寸前、ヒトに食べられてしまいそうだったサラブレッドのルークの住まいにし、彼のボロ(排泄物)が刈草やオガ粉と混じって堆肥となっている

草がルークを育て土に還って草を育てる永遠の循環だと気づいてニコニコでした



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「鉢伏へ遠征・馬たちの休息 大作とルーク達」1986年夏

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家内は裸といっても、見てるのは鹿か鳥ぐらいのもので、月夜などそれはそれは気持ちのよい露天風呂と相成りましたが、ふとみると石けん泡だらけの排水が庭をうねうねと流れていたわけですナ
すぐ下の方では清らかな水がコンコンと湧き出ている、シャンプーや合成洗剤など使えば天に向かってつばをはいているようなものです
その時以来、洗い物はやはり砂でたわしに限ると思い知ったわけですから進歩ってものを何十年も疑っているわけです

日本の近代化はさまざまものを壊した、、なかでも水洗化は家族を崩壊させたという話をきいたことがあります。うちのよめさんはそういったご実家で育ったからなんでしょう、ははあ・・頭が社会に毒されてない、、、
どちらにしても人間ってのは地球にとってはまこと迷惑千万な生物なんでしょうナ・・


梅雨の朝餉のあとで04.jpg
「ゆりの球根・四代目の嫁さん」090608

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スケッチ_いのり.jpg
「イメージスケッチ・忿怒」090223


三城の丸太小屋 .jpg
「工房となり、今も残る丸太小屋」
(1945年頃に建てられた小日方さん宅)

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