home > blog > 前田純一 blog

前田純一 blog

2010.09.07

ありがとうございました「木の匠たち」展・2010

(0)  (0)

西川英明さんの「木の匠たち」発刊から足かけ6年、
おかげさまにて三回目展覧会が盛況裏にお開きになりました
暑いおり熱心にご覧いただきましてほんとうにありがとうございます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

木の匠2010_01.jpg
「灼熱中町」

会期中は超晴天、秋のはじまりどころか松本も厳しい残暑、、
いつもは涼しい明治時代の蔵もさすがにエアコン入となりました
前ひろばでは松本名水井戸水を求めるご近所連、
スプリンクラーの涼が大人気、子供たちが大喜びで歓声をあげていました

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

木の匠2010_02.jpg
なんといっても美しい日本の伝統木造小屋組が圧巻
一階展示場は、土間、板の間、床の間、畳と信州らしい蔵の風情が毎回人気です

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

木の匠2010_03.jpg

僕は相変わらず日本の椅子を探求中、中二階で飯島さんと展示スペースをご一緒させていただき新作を展示しました。

今春初作した壁厨子にはたくさん子供が誕生して高い天井からいくつも吊り下げましたがまだまだ、、、、死ぬまでに「千体MIROKU」を夢見ています



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

miroku.jpg

「千体MIROKU」


高さ20cm/18cm

初作は嫁の誕生日にプレゼントした小さな孫のお守り

楠、桐、栗、欅、桑など、さまざまな銘木と鉄を組み合わせた壁掛けの厨子です

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

epi9.jpg

一階日本間での息子ブースもおおにぎわい、

おかげさまでたくさんのお買いあげやご注文を頂戴いたしました

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

works 火箱.jpg

「火箱」


これからの季節を楽しく過ごす僕のお気に入り息子の作品。秋口からは春を待ちながらパンを焼いたりエスプレッソを淹れたり餅を焼いたり、冬枯れを鑑賞しつつ暖かな炭火に寝ころんでスケッチを愉しみます

なんと10個を越えるご注文をいただいたそうです・謝々


・・・・・・・・・・・・・・・・・・



epi02.jpg

松本中町にて「蔵シック館前・中西屋酒店」

暑い昼下がり好みの冷えたビールを勝手に出しおばさんに小銭を払う

ご近所ご隠居さんが明るいうちから情報交換、ぼちぼち匠人生佳境組もときおり参加します・爆




epi01.jpg

松本中町にて「惜しまれて閉店・鋸目立て・中屋ノコギリ店」


使い込まれた美しい目立て道具に店主の人生が刻まれていました

匠は使い捨てのこぎりなど腰が弱くて仕事にならない、閉店はショックです

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


epi04.jpg

「匠予備軍たちを支える妻たち」

この会のいいところは嗜好の超越と他への敬意

巨匠も予備軍も、妻達はみな苦労しながらうちのとうちゃんが一番と誇り高いのです


・・・・・・・・・・・・・・・・・・



epi05.jpg





thanx.jpg



2010.08.30

「木の匠たち」展・2010

(0)  (0)

三城は朝夕めっきり涼しくなり、大文字草やほととぎす、みずひきやしゅうめいぎくが咲き始めました。
皆さまお元気でお過ごしですか?
僕は久しぶりにグループ展に出品します。お時間がありましたらぜひお出かけ下さい
会期中は会場に詰めております(展示場所は中二階小屋裏です)
もし居ないときは 090-7273-2073へ電話下さい
それでは暑さ疲れの出ませんようご健康をお祈りしています




「木の匠たち」展・201001.jpg



「木の匠たち」展・201004.jpg



木の国信州には多くの木の匠たちがいますが、ものづくりの素材は「木」であっても作り出されるものは様々です。それぞれが伝統的な木工技術をもとに、完成度を高めながら、新しいセンスを加味したオリジナリティのある作品づくりを目指して、工房で制作を続けています。
この展覧会は、2006年に西川栄明著「木の匠たち」で紹介されたメンバー有志で発足しましたが、新たな出展者を加えてさらに幅広いものとなりました。
二年に一度、ベテランから若手まで幅広い世代が一堂に集ることで、交流と継承の場にもなっています。信州の木の匠たちの仕事の諸相をご高覧いただければ幸いです。

「木の匠たち」展・2010
9月3日(金)〜6日(月) 最終日は4:00まで
場所・松本中町・蔵シック館 松本市中央2-9-15  tel 0263-36-3053

◯蔵が残る中町へは松本駅お城口より徒歩12分
周遊バス・タウンスニーカー東コース利用が便利です

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「出品作品から」厨子、テーブル椅子のほかテーブルウエアーを出品します

「木の匠たち」展・201003.jpg
「焼杉の敷膳」36cm_27cm 厚み6ミリ

製材鋸の跡を景色にして秋田杉の二分板を焼き、うずくりで仕上げました。割れやすい木口を補強した生漆のヘラ付けの意匠が特徴です。1995年以後作ることがありませんでしたが、侘び寂びた茶の味わいが懐かしくなり制作しました。還暦後は、Jの刻印ではなくJをあしらった瓢箪の刻印をしています

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「木の匠たち」展・201002.jpg
「一位材摺漆仕上箸」

一位の木(神主の持つ笏に使われ、位の高いとされることからこう呼ばれ、本土ではあららぎ、北海道ではおんことも呼ばれます)の胴張りに削った箸を摺漆五回塗り、箸先に漆の塗り立て(塗ったままの味わいを生かす技法)の補強を兼ねたすべりどめをほどこし、ランダムに金箔を張って意匠にしています。目の通った良材の端材がでたので1989年の初個展以来久しぶりに制作しました。
24cm、21cm、夫婦箸セット、桐箱入りで出品します。





100831.jpg
「秋明菊・白」


2010.08.30

指物師の道具箱_毛引き_1

(0)  (0)

毛引き1_02.jpg
昔は墨を使ったので印をつけることをスミ、スミダシ、スミツケなどといい、僕達は微少な量を毛とか糸といいます。線には太さが伴い曖昧なので誤差のない精緻なスミには小刀などの刃物を使い、毛をひくなどといいます。
中仕上後に外形を基準に引くスミに使う毛引きには大きさ、竿の長さ、刃物の形状にさまざまなものがあり、これはよく使う一番基本的な毛引きで、小刀のように刃に左右があります。毛をひくので普通ケビキ ケヒキと呼びますが父はケシキと言っていました。しかし敷くではなく江戸っ子なのでひ、と、しの使い分けが出来なかったからではないかと思います。

この道具にはねじで竿の出を調整するもの、二本毛引きという刃が左右一対のものなどなどが売られ、僕もアイデアをいくつか試みましたが、大正時代に父・保三が作った、楔で竿の出を調整するもの左右一対が原理を心得ていてさすがに具合がよく他界後ありがたく使っています。このような道具は買うものではなく本来は使い手が工夫して作るもので、よその仕事場へいくと思いもかけないおもしろい形や独特のくふうがされているものがあって興味深いものです。
最近手に入らない
毛引き刃ですが、このような先端だけを使う刃物は昔のものは甘く、すぐに切れなくなるので機械鉋のハイス鋼で作ると長切れします

「刃の仕込み」
鉋刃のように刃をテーパに作り、竿にドリルで刃穴を開け、廻し挽きなどの細い鋸と薄い刃物で切刃側を竿に対し直角になるように調整したら、刃を玄翁で叩き入れますが、刃の出具合は紙をはさんで厚みで調整します。(刃を抜くときは竿をあて台に叩きつけて抜きます)。また本体への刃の形の彫り込みは、刃厚以下のスミをするためのもの、竿の穴は大まかなアタリのスミをするために鉛筆を差し込むためのものです。



毛引き1_03.jpg


毛引き1_01.jpg




1008312.jpg
「われもこう」

2010.08.28

瀬戸内国際芸術祭2010_男木島にて

(2)  (0)

oginnn.jpg

パンフ_概要_ 00.jpg







男木島にて1_01.jpg
「6月23日 現地検証・男木島豊玉姫神社にて」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ペン.gif
今年二月鎌倉の絵本作家、長野ヒデ子さんから瀬戸内国際芸術祭への手伝いの打診をいただいていた。FRPに替わり、島に捨てられた木造船の舟板を使う椅子の制作である。
「海の復権」とタイトルしたこの祭りの趣旨は、瀬戸内海の7つの島を舞台として17の国からの参加アーティスト・プロジェクト数75を数える大がかりな現代社会へのレジスタンスである。
高松の建築家、渡辺昭さんが代表して審査をくぐりぬけた「島こころ椅子」と名付けたプロジェクトのメンバーは伊藤洋さんを除いて全員元気な六十、七十才代、男木島の急峻なほそい坂道を登り詰めたところにある安産の神様、豊玉姫神社がステージとなっている。テーマは地球、失われていく家族・ともだち・地域、そして椅子で、皆手弁当労働奉仕だがスイッチを入れれば世界中誰でもが同じものが作れる現代、ほかに作れる人が見あたらないと請われるのは生きている張り合いである。壊れていく環境、仕事、地域家族は僕の人生テーマと一致しているので興味深くお手伝いをさせて頂くことになった

元来アートとは、大勢が会議を重ねて作るものではないと僕は思っていて、上下関係のないプロジェクトは分業で人間関係は難しく煩わしい。しかし過疎の三城に通じる瀬戸内の離島へ脚を運ぶうち、プロジェクトメンバーの考えのくい違いは結局あたたかないたわりに戻りそれぞれに人生の楽しさと奥深さを考えるよい機会をいただくことになった。島を巡り70才、80才でまだまだ元気で働いていらっしゃる男木島のお年寄りや、テントやあばらや暮らしを楽しみながらそれぞれの思いを世界へ発信したいとエネルギーを注いでいる都会のお嬢さんや、キャンピングカー暮らしをして作品作りをしている湘南の若者の姿に接して感動している。
離島、経済発展に取り残された過疎地とかたづけるのは簡単である。しかし僕達の作るものが勝っているという確信はなく、島に刻み込まれた過去には現代には生まれない美しいものものが点在している。

近代が解決した貧困や不便と引き替えに失ってしまった大切なものやこころ。 発展とは?  ボランティアとは? 意義のある歴史とは?
学生、職人、学者、退職者などで構成された小エビ隊に支えられて準備が進むにつれ、お祭り騒ぎは影をひそめて核心に近づき、自然と人間と環境への問いかけを伴って普段の作品作りとは違った貴重な体験となっている





OL053080.jpg
OL053109.jpg

OL053093.jpg
OL053063.jpg
舟板と流木のとおさん かあさんいす(車の着いた錆鉄のフレーム)




パンフ_概要_ 01.jpg

男木島「島こころ椅子」プロジェクト制作関係者

伊藤洋        (家具作家)
鎌田豊成  (造形アーティスト)
内藤三重子 (造形アーティスト・エッセイスト)
長野ヒデ子 (絵本作家)
前田純一  (工芸家)
渡辺 昭    (建築家)
(50音順)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(地元制作関係者)
来春卒業する最後の男木中学校生徒3人
男木島に住まう方々
子えび隊(地元ボランティア)
友人達

男木n01.jpg

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


男木島印象100705.jpg
「痕跡・男木島に暮らした人びと」

男木_11.jpg
男木n021.jpg男木_02.jpg
男木_04.jpg
                                                                                                     
男木_08.jpg
男木_12.jpg
男木_06.jpg
男木_13.jpg
男木n03.jpg男木_10.jpg
男木n02.jpg
男木n06.jpg
男木n04.jpg
男木n05.jpg・・・・・・・・・・・・・・・・・・



男木nn04.jpg
男木nn03.jpg
男木nn02.jpg
男木nn01.jpg
男木nn05.jpg
ogin02.jpg
男木nnn02.jpg

男木nnn04.jpg
男木nnn01.jpg
ogin06.jpg

ogin04.jpg 
ogin01.jpg
ogin05.jpg

男木nnn03.jpg


2010.08.24

栗・弟子達_2010年夏

(0)  (0)



OL168862.jpg弟子達100802.jpg弟子達100809.jpg
アームの彫り込み_藤原 茜さん

前の月制作した栗と鍛鉄のアームチェアー二脚と新しいスケッチ・楢の低いテーブルをもう一度セットで模作の課題はまだ早いかとも思った。銘木は美しいが初心者に高価な木はこなせない。材料は庭にあった栗の樹で思いで深く都会育ちの僕にとっては初めての経験になるのだが、木取っていると倒したときその樹が発した恐ろしい悲鳴が記憶に蘇える。

もちろん失敗を重ねて最終仕上げには手を貸さなければならない。それでも全く素人だった彼等はほんの短い間に立派に作りあげ。今の教育システムからは生まれ出ない熱意ある徒弟の奇蹟といってよい。弟子になって一年の浜君、川上君、東京の企業を退職して2月から始めたばかりの河野君、四月から来た最年少茜さん、三年目早川久美子さん。高原でも異常に暑い夏若者はやりとげ、その栗をいいものにしてあげられたと僕は報われる。
三城に来なければ解らなかった自然との関わり。美しい椅子に姿を変えて喜んでいる栗の写真を撮りながら、木工とはこういう仕事だったかと
実感している


弟子達100814.jpg
鍛造・溶接_浜 克也君
手の美しい痕跡が自分を表します

弟子達100806.jpg寸法のチェック・川上三恵子 河野竜次君
数値や理論ではなく自分の目と感じ方を信じること
心でみること

弟子達100803.jpg弟子達100801.jpg弟子達100812.jpg「脚端革貼り」

三年目早川久美子さんが新入りに極意を伝えています
溢れる情報のようにたくさんあるように思えますが真理の数は僅かです

弟子達100805.jpg
差尺・椅子とテーブルの高さの関考えます

弟子達100808.jpg
僕達やお客様のよろこびの前に、自然や樹が喜ぶことを三方佳しといいます
各自が作った四方内反鉋が生み出す美しい形を真剣に学んでいます


弟子達100811.jpg
河野君はそれまで超優良企業に勤めていてこの仕事に人生をかけています
きらいなこと、できないことは背伸びしてやらなくてよろしい。出来ることを怠けてはいけない


弟子達100810.jpg
アームの彫り込み。外内二種がある丸鑿を使い分けます



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

弟子達100804.jpg



弟子達100815.jpg





«  前へ   10  |  11  |  12  |  13  |  14  |  15  |  16  |  17  |  18  |  19  |  20   


PAGE TOP