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前田純一 blog

2013.01.22

誕生日

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三城へ移住30年のBIRTHDAYは二日続きの大雪、信州名物ジンギスカン料理を楽しみに夕刻まで雪かきにいそしみました。
まさか建築や土木工事までやることになるとは想像することもなく見ず知らずの土地へ迷い込んで通り過ぎた瞬く間の歳月、今年も無事に皆で暖かな火を囲むことが出来たことを心から感謝しています。
 真冬の夜明け、薪ストーブの上で頭の準備運動と合わせてポコポコとゆっくり音をあげるエスプレッソ(爆)コーヒーが僕は大好き。マイナス10°をゆうに越えるこの時期、しかし明けない夜もやまない雪も決してなく、その先にかならず暖かな陽光が待っていると老犬と遊びながら勇気づけられて、貴重なことはすべて自然から教えていただいてきたような気がしています。都会育ちの僕がそんな寒いところで大丈夫なのか、とお気遣いいただきましたがこれからも大好きなこの自然のふところで制作しようと思っています。椅子に座る現代日本の生活を考えることは僕のひとつの目標でしたが、今年からは若い頃精をだした工芸品の未来を考えるつもりです。今後ともあたたかなご厚誼のほどをどうぞよろしくおねがいします

末筆になりましたが、寒さ厳しい折り皆様の御自愛を念じ、本年が明るく夢多い年になりますよう心からお祈り申し上げます

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2012.12.25

玄翁・ハンマー類の仕立て

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男子の場合の木工用玄翁の基本は、重さ300グラム全長27cm、一方鍛造用のハンマーは金属の厚み大きさや出来上がりの形に応じて数多くの種類と重さがあり、ハンマーが単独で仕事をするわけではなく、さまざまな木型やあてがねやアンビル類(後述)と一対となって素材の特性を変えながら作品の微妙な曲線をつくります。
その他薪割り用鉈(まさかり)、工事に使う型枠用ハンマーなどさまざまな種類のハンマー槌類がありますが頭が抜けないように楔が柄の頂部を開く接合法はどの場合も同じです。

長時間にわたる鍛造には、柄にすべりどめのたこ糸を巻いておくと手の負担を和らげます。また昔から石工に使われてきた芯持ち(幹や枝をそのままのかたちで使うこと)の「うしごろしの木」の柄は、細くても大変強くしなやかでショックが少なく、叩くリズムをとりやすいので愛用しています


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比較的ちいさな金工用の「ならし槌三種」
他に特殊用途として打撃面を半球形にした「からくり(かしめ)用」、深い穴の鍛造用に頭部が長い木の頭の槌、自分好みのハンマートーン用としたもの(打撃面の模様を転写してテクスチャーデザインとすること)などがあります

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鍛造の銘々膳(旧ランチョントレイ)
平面を作ると同時にハンマートーンにしています
僕たちにとってデザインとは仕事の工程が生み出すものなのです





gen04.jpg木工用玄翁には丸いもの 四角に大面取りなどの形があります

弟子入り時に父に与えられた鉋台に傷をつけない丸型が以後40数年僕の常用となっていて、木の仕事はほとんどこの一本ですませます。電動工具のように買い換えることがなく柄を替えたことは一度だけという寿命の長い基本道具ですから丁寧に確実に仕立てます。僕にとっては父からもらった最大のプレゼント、現場などに忘れたらきっと涙が出ると思います。

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玄翁の仕立てに使う道具類







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乾燥で木が縮む予防策として「木殺し」をし、数度にわけて叩き込みながら柄の余分を落とし、よく乾燥させた楔二本を打ち込みます

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早川君入房時仕立てた玄翁
刻印をしてあげました




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   鍛造用のやや大型の槌

平らな頭部は金属を一方向に延ばすための形で、他に90°直角方向に回転した形のものと一対になっていて、目的のかたちや金敷(金床・アンビル)の方向により使い分けます




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鍛造用三種

左と中は平面の鍛造時に指が材料から逃げるように仕立てた柄で、通常では木が目切れして折れるので、芯の通ったうしころしの木の自然の曲がりを利用しています





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持ち手の鍛造(鍛造アルミの銘々膳)
6ミリの鉄板で制作した型と一対で使う持ち手の叩きだし専用のハンマーです


2012.11.22

あて台 あてどめ2012

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今年初め、1寸厚合板の木口に楢材を端喰にした中子を作り、両外側に、丸太をなめて残っていた5分の桜二枚を練って新しいあて台をつくった。湿度が変わっても平面の崩れない三寸弱厚、鳥が鳴きはじめる夜明けの感動とともにモーニングトーストとエスプレッソが楽しめる五尺長さの大振りである。
 指物師のあて台(仕事台)は樺桜がよしとされるが、紅色の北米産本桜、めずらしく大きな板目一枚板はたいへん美しく多少軽いので力仕事の出来なくなる老後にはちょうど良い。いまに薪ストーブの前にこのあて台を据えて仕事をさせていただくことにしている。

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あて台にはあてどめが不可欠ですが指物師古来のすり桟方式は高さ調節ができず、いくつも用意しなければならない、応用がきかない、季節で嵌め込む固さが変化するなどさまざまな欠点があります。三城へ来て細工場(さいくば・仕事場)を椅子式にしてから工夫したこの方式は思いのほか調子がよくて工房のスタンダードになり、5回目なお変更を加えて二年目を迎えた岸君に見習わせました。ボール盤や角鑿などが使えない感仕事、金属の雄ねじを木の雌ねじにねじこむ構造は経験を要しますが僕はあて台でキャロルキングなど聞きながらのお茶大好き、具合がよく美しい台は気持ちよく、簡便な台や道具からはきちんとした仕事は生まれないものです。
 昭和初期に出てきた微調節のきくネジを使った鉋には面白い物がいくつもあって、なぜか「機械さくり・機械面取り」などと呼ばれていました。日本はネジの歴史が浅くネジ式は機械だと(*_*)蔑んだのか頑固職人はネジ釘を使わないと迷信のようにいわれますが、僕はねじ機械類大好き指物師なのです。


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スプリングが押さえているので普段は上下調節をすばやくでき、必要に応じてネジを締めて固定します
真鍮鍛造スプリングのほかに市販されている燐青銅でもOKです
木口に作るメネジは崩れやすいのでタップ立ての後、穴をアロンアルファで強化後再度タップをたて、鑞などをぬります
棒は上下前後を仕事に応じて差し替えて使います。必要が出たら段をつけたり革を貼ったり工夫します
棒先が傷んだら切り直して使えるよう長さ15cmぐらい、長めにしておきます
鉄生地のボルトの場合はオイル焼きをしますがステンレスボルトでも構いません


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工房開設に向けてあて台を作っています
あて台への思いは、茶人が灰を大切にする感覚とにています

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1124t02.jpg「修行を始めた頃のあてどめ」

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2012.11.13

展示会のおしらせをありがとう_早川久美子君、浜 克也君

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111302.jpg早川久美子君は2008年春から、浜 克也君は2009年春からともに工房で学んだ仲間で、 このたび名古屋で計画されている展示会にはじめて参加します。
卒房後それぞれが松本穂高、清里野辺山で工房開設に向けて奮闘中ですが、昨日「家具・小物・ハクモクレン」の工房開設案内と、展示会のお知らせが届き頼もしい思いとともにたいへんうれしく読ませていただきました。
社会へ出てから方向転換しての入房、二人ともそれぞれに気の合うフィアンセがいらっしゃったのは僕にとってはじめての経験で、なかでも2010年夏の工房での結婚式は白眉でした
(・o・)  ここでやればどうなの?と酔った勢いの話がほんとうになり、早朝から最高の天気に恵まれてあれほど多くのお客様に喜んでいただけたのは三城の自然の力ですが、はじめは夢のような話でも皆が個性を発揮し、夜遅くまで入念に準備を重ねてどうしてもやろうという思いを共有し、空も友人も味方をしてくれて実現した感動が工房全員のなによりもの心の支えになったことが、こうして写真をみているとほんとうに貴重で楽しい思い出になっています
弟子からの注文というのもはじめてのことでしたが、浜君、祐子さんの提案「ともに白髪がはえるまで使う椅子」を不祥師匠が作らせていただき、その意義深いコンセプトとともに僕のお気に入りNEWデザインになりました。(m_m)
よい仕事は年月を必要として、これから壁にあたり呆然とすることが多々あるとおもいます。そんなとき早川君は持ち前の精神力とバイタリティーを発揮し2×2の明るさで信州の意義深い人生を歩きながら女性らしい美しい作品の夢を忘れずにみつづけてください。浜君は生まれながらの長身とサッカーで鍛えた底力とご縁に感謝し、ときどきこの椅子に座り澄み切ったあの日の青空を思い出しながら筋のとおった作品を数多く創り出して下さい。工房で共に過ごした若者たちすべてに多くの光があたることを心から願っています。

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弟子たち 仲間たち
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2012.08.29

木の匠たち展・2012へご来場ありがとうございました

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連日炎天下の松本になりましたが大勢のお客様にご来場を賜り四日間の展覧を無事終了しました。足かけ6年4回目を迎えて岩崎久子さんがメンバーに加わり、若い方の活躍で商店街と一体感のある個性的な展覧会に成長することができました。昭和二桁は年をとり残念ながら村上さんが他界されましたが、展覧会が始まるきっかけをつくっていただいた西川英明さんから関西でも同様の展覧会計画のお話をお聞きして将来が楽しみです。
ひとえに地元商店街はじめ大勢のみなさまのご理解と応援のたまものと御礼申し上げます

ki01.jpg会場入り口正面の吹き抜け空間です。中町の歴史を伝える蔵つくり、離れのある会場をうまく生かすように15人の作家が知恵を出し合いました。土間には木の自然感を生かした槇野文平さんの作品、板の間には日本のウインザーチェアの歴史に意義深いお仕事を残された村上富朗さんの遺作が展示され、各部屋ではお客様に作り手としてのそれぞれの思いを熱心に語ったり、素朴な疑問から専門的な技法説明にわたりさまざまなご質問にお答えしていました

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ki06.jpg狐崎ゆうこさん、酒井邦芳さん、大場芳郎さんと僕を含めて4人の展示になった本館一階の続き座敷。小生が展示させていただいた中町通り側の広場に面した部屋は大好きな縁側つきです。
地下水のあふれる松本では広場にある蔵の井戸が毎年大人気、水を汲んだりハンカチを濡らす方々やスプリンクラーからの打ち水にはしゃぐ大勢の子供達の歓声があふれていました
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「ひろばお絵かきと水の運動会」

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「なぜか座禅」


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ki14.jpg「涼風縁側」
孫をあやしてもらったり、昔の椅子の古びた味わいをほめていただきました


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「鼓笛隊パレード」
9月まで続くサイトウキネンファスティバルのイベントです
歩行者天国のこの日、千歳橋を渡ってさまざまな団体が松本城へ集合しました
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okinith_.jpg会期中のお食事処おきな堂、SWEETはちこのお気にいりになりました

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ki03.jpg「女鳥羽川夜景」
ほっとひといき、搬出が終わって夕風の渡る中町、上土、四柱神社付近です

 
ki11.jpg数多くのご協力とご支援をありがとうございました
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hon.jpg木の匠たち展は北海道の西川英明さんが信州在住の木工、漆工、竹工作家を取材し、誠文堂新光社から発刊された単行本「木の匠たち・信州の木工家25人の工房から」にまとめ掲載された作家が任意に集まり2006年に始まった展覧会です



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