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works_筥 箱_

2009.09.29

works_筥 箱_茶通箱(さつうばこ)

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「桐杢・桑材茶通箱」2008年

茶通箱(さつうばこ)は大切な茶をしまったりする箱で、これは桐杢材と桑材を使い、甲盛り(蓋を盛り上げるかたち)をほどこした印籠造(いんろうつくり)です


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箱の構造のうち、印籠造は別名・薬籠造・やろうつくりともよばれ、茶や薬が湿気ないように工夫された身と蓋がすきまなく合わさる構造で、合い口の立ち上がりをやろうとよびます

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このような華奢な箱は固めるときに中子が浮いたりゆがまないように注意しますが、僕は角に内側にマスキンゲテープを貼ったアルミアングルを使い、大きめの輪ゴムで締め、直角がくるわないようにのりが乾くまで内法に合わせた四角をはめておきます

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「仕上げ工程」

甲盛り、抉り、面取りに使う小鉋
豆際、豆平二種、豆内反鉋


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「仕上げ道具」
馬毛製うずくり 木賊・砥草(とくさ)スコッチブライト



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「和敬清寂」の清はせいぜいしいこと、寂は華美や騒々しいことがなく、しかも沈んでしまうほど地味でないことと僕は理解していますが、合い口部の桑薄板をさりげない意匠として水屋道具専用の箱にとらわれることのないよう留意しています

参考・茶道具は利休好みなど寸法の決まり事があり、廣瀬拙斎というひとのまとめた

寸法録 という本が昔から木工の辞典のようになっています

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2009.09.27

works_筥 箱_茶入の筥二種

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「楓材印籠造茶入筥」2007年・素木(しらき) 仕上 

器体を楓材、中子を桑で構成した印籠蓋(いんろうふた)の飾筥で製作直後の写真ですが、変化の浅い楓材に対して時代がつく(時間が経って色が濃く変化する)桑を対照的に使い、将来際だってくるコントラストを楽しむ意匠としています

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「楓材印籠造茶入筥」2007年・摺漆仕上

正方立方体は、余分のない寸法、甲盛り、神経のゆきとどいた繊細な面取り、底すき、てらいのない印象、箱にはじまり筥に終わるといわれる指物の基本とされています


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「甲盛り、面取りディテール」

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「木口台での仕上げ」

平面正方、どの方向へも蓋が納まるよう合わせます




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2009.09.25

works_筥 箱_栃材摺漆仕上硯箱(とちざいすりうるししあげすずりばこ)

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長さ28cm 巾22.5cm高さ8.5cm・伝統工芸展出品作品・明石Y氏蔵

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民芸の健康な素朴さに魅力を感じていたころ指物の苦手な曲面構成を大胆に試みた作品で、壊れやすい四隅留組部分を補強する錺金物を意匠ポイントとし、栃の虎斑(虎のような模様)材を生かした摺漆仕上げの大らかな曲面によるボリュームと、江戸指物独特の薄い板厚から生まれる軽やかさを両立して、飾筥としての魅力としています。
げす板(取り外しの出来る中板)には銀鍛造の水滴を埋め込み、筆架と墨架は汚れを落としやすい銀製です

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げす板(献保梨材)

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力のかかりやすい隅丸部(角丸)の板厚を微妙に太くするのは、理にかなった木工芸の作法で、木製建具と共通の伝統意匠です
覆輪(ふくりん・傷みやすい身と蓋の接する部分の装飾を兼ねた異部材)を固い黒檀でしつらえて傷の目立ちやすい柔らかい栃材を保護しています

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胴張6、は三味線胴のような身の立ち上がりのふくらみが6ミリの意で、この形はコンパスで描く単純なアールではなく、隅に近づくにつれて曲率が変化しながら滑らかに隅丸と繋がる曲線で、型紙は卵の形のような自然の曲線を手本にベジェ曲線で作成します

また、四隅組み手の加工には直線の基準面がないことから、胴外側部材の形に合わせて作った治具に載せ留台上で鉋で45度に合わせます

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「手がかり部分」

身の上部を絞り垂直線との差寸から生まれる蓋のちりを持つための手掛かりとしています


この部分の断面の面取りの形は特に重要で、丸みの切り替えのよるめりはりと結界のハイライトラインを強調する繊細な糸面取りがポイントです

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「七・五・三」の意は、蓋、身、底の関係をいい、見た目と重さ、手取りの(手に取ったときの)バランスを言い表します。
厚板から彫り出すことによって重くなりがちな蓋の裏をベジェ曲面状に抉るのは工芸の筥の作法です。(抉る・しゃくる・削り取ること)
頂部の板厚を6ミリに削り込み周辺部へ向かって徐々に厚く変化させる断面は、無垢板端部の強度を出す必然から生まれた意匠です。

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「契り型錺金具」

離れない意の契(ちぎり)を意匠に取り入れた隅金物は、銀の古美の(ふるび・美しく錆びること)楽しさを生かして錺釘とともに力のかかりやすい隅部分の補強を兼ねた装飾としています
また手鉋の削り跡を生かし、サンドペーパーを使わずに摺漆を重ねて仕上げています





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