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works_卓 台 デスク_

2009.06.12

works_卓 台 デスク_S邸MACのデスク

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S邸macのデスク.jpg

「MACのデスク」2008年S邸


僕は仕事にかかると猛烈に早いことを唯一誇りにしているが、構想を練る時間が人一倍長いことが最大の欠点でまさか自慢にもならない

松本五人組のひとり医者のS氏からパソコンデスク制作の仕事を頂戴し設計に長い間悩んでいたのは和室と現代機器の取り合わせが難しかったからだが、常日頃から出来合いのチープなパソコンデスクに腹が立っていたからでもあった。簡単に考え長い時間をかけて作り上げた樹の一生を台無しにすることを僕は出来ない



京都_たべあるき.jpg
「松本五人組京都食べ歩き」

念願蛸長、祇園路地 なん波、錦市場さか井などなど
山田さんご案内にて日本伝統を大いに楽しむ

スケッチ_macのデスクS邸.jpg
「S邸デスク最終スケッチ」

木彩会の会期中、伊東屋にてキャンソン紙スケッチブックを入手、デザイン画はホテルと新幹線で二冊目に突入(まさかおまけのボールペンではロクなものは描けない)

京都食べ歩き一泊旅行帰路、新幹線待ち合わせのコーヒーショップにて何枚かお見せしてメールをやりとり、どうやら完成に漕ぎつけたがその昔だったらご自宅を訪問して打ち合わせの手間暇がばかにならなかった。メールもこのように使うとありがたい

注文仕事は手間暇かかるしS氏にすれば売っているものですぐに間に合うはず。しかし飲み食いしながら考えを覗い、なにかを共同作業で作り上げていく過程が生みだす唯一人生がお互いに楽しみなのではないだろうか。旅行中京都にご縁の深いS氏をなお身近に感じ、なるほどと彼の和洋折衷のお住まいぶりの妙から僕達日本人というものを学ばせて頂いている






2009.01.31

杉笹杢材の銘々卓_「時代をつなぐなかまたち展」2009年2月19日から・銀座和光並木ホール出品作品から_

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090131杉笹杢材の銘々机.jpg
「杉笹杢材の銘々卓」(すぎささもくざい、めいめいしょく)

甲板_40cm正方・高さ43cm

(イメージレンダリング)
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華奢(きゃしゃ)は、ちいささ、かろやかさ、小味の利いた、といった感覚で、大仰ではない華やかな感じをいいます
銘々卓とは、床で使われる銘々膳を、椅子使い用に高くしたことからつけた名で、卓の語源は供物を載せる台だそうですが、現代では優れた技術で丁寧につくられた台の意です

甲板の素材、杉材の笹杢というのは、木目を笹に見立てた呼び名で、年輪のこまやかさが老樹の過ごした時を感じさせます。白木の風合い(ふうあい)は、かろやかさ、やわらかさとともに、丁寧に使われた時間が作る古美(ふるび)が特徴で、繊細さの同居した不思議な強靱さの魅力が日本の伝統になっています。かやと馬のしっぽで作られたのうずくり仕上げは「洗い出ししあげ」とも呼ばれ、京都の北山杉を川で砂で磨いたものと同様に、柔らかい夏目をそぎ落とした、杉ならではの手触りと美しさが独特です

おりたたみ構造の脚部は細寸棒材として適している針槐(ハリエンジュ)材、野生桑の若木のように強く、ほぞ組の精緻な加工が可能な良材です
X脚構造は古くから世界中でおりたたみの定番となっていますが、回転部の軸がこわれやすく、15年ほど以前の拙作、キャリーデスクとキャリーチェアーの経験から8mmのボルトにアルミパイプの軸受け構造とし、ながもちを実現しています。また脚の固定金物は鋸のばね性を生かして自製したものです

反り止めを兼ねた杉材と脚へのジョイント部は、すべり桟(あり桟)構造で、樹の湿度変化による伸縮で不具合の出ぬよう古来に工夫されたものですが、僕が加工したあとも永遠に樹が生きていることを優先させる手法は古来日本の伝統です




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