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works_手作りスピーカー

2009.05.02

ミュージックキャビネット_神奈川N幼稚園

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「チークとブラックウオールナットのミュージックキャビネット」1985年

当時工房へみえたN氏の経営されていた原宿の画廊に制作させていただいたもの
高さ1m10cm キャビネット前面響板と反射板を曲面にして音の広がりを表現した。みえがかりの小ささを優先したが、後部に出っ張った上面台形のサブボックスを組み込んでボックス内容積を確保しながらダクトをつけて低音を補強したバスレフ方式となっている

スピーカーユニットは12cmの四角い平面コーンと1.5cmのツイーターを組み合わせたメカニカルツーウエイ
いつも初めに音を出す瞬間はドキドキする。ソニ製カーステレオを使用した最小限の大きさだがマーラー五番の壮大な音が品よくとびだしてびっくりした覚えがある

分離できる脚部はてり脚のデザインでオートチェンジャーの長時間自動演奏により演奏時は機械操作を不要にしたため蓋をつけた上部のボックスに機器類を収納してある


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家庭用100ボルトを12ボルトに変換するためにトランスが必要で、そのためのメイン電源スイッチを入れると赤いかわいい電気が点くスイッチを秋葉原で入手した
下部はトランスとステレオの収納部。後面に穴をあけて放熱フィンを外部に出し内部の熱を逃がすようにしてある
左側に曲目を書いたカセットテープ付属のラベルを掛けるためのちいさな木製ホルダーをつけた

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「原寸スケッチ・2005年機器入れ替え時」

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「分解時部分写真」

制作当時はカセットテープの時代だったが2005年にCDを聴ける現在のものに交換、子供達の情操教育に役立てたいと、現在は奥様の経営されている幼稚園で小さな子供達に音楽を楽しんでもらっている


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「三城工房でのコンサート2008年」

このような手の込んだものを作っていて僕達はいつもワーキングプアー
しかしステキな幼稚園でこれを聴く未来の子供達が「昔こんなモノを作った人がいたんだ」などと感じてくれる時があるとすればそれで充分満たされると楽しみ
クラシック音楽は教室で学ぶものではなく、生活の中に素敵な音楽がいつもなんとなく流れていることで子供の豊かな感性が育まれる。
松本発祥スズキメソードの故・鈴木慎一は「人は環境の子なり」と色紙を残していて、僕はこのことも現代の社会に欠けていることがらではないかと思っている



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「三城工房でのコンサート2007年」

2009.04.28

ミュージックキャビネット_工房の家具インテリア

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「居間のミュージックキャビネット」
〜2009年最後の雪景色〜

三城へ住むようになってからクラシックを多く聞くようになったのはなぜだろうと思った時がある。ダイナミックレンジの広い交響曲のピアニシモは街の騒音にかき消されてしまうからなのだろうと思ったのだが、それらの曲の生まれた状況が自然豊かな環境だった必然性かとその後考え直してみたりした。
木枯らしに舞う雪や、春先の鳥たちの嬉しさに満ちたようなさえずり、草の匂いにむせかえる夏の夕方の澄み切った空気、或いは秋の輝く樹々の気配などからの感動がグローバルに当時の人の世界と一致しているのかもしれない

音楽が大好きなのだが僕の場合はステレオに対峙する聴き方ではなく、どちらかというとピアノ曲の小品、この時期ならば、ドビッシー「夢」、「月の光」などフワフワとした感じのやさしい音楽のボリュームを絞って、あるいはベートーベンの田園二楽章、たまにはサティなどをなんとはなしに聴きながら、窓外に季節の移ろいを感じながら作品のスケッチを思い描いている

工房には自作のスピーカーが三組あって、いずれも天井から吊すか壁掛け式、スピーカーボックス左右を一体構造にして低音のふくよかさをねらい、ユニットを横向きにセットしてユニークな木の反射板に音波をぶつけることにより、聴き疲れやすい高周波を吸収しながらスピーカ一の位置を意識しない音場空間をつくっている
音というものに形はないのだから、それであればホテルなどの天井埋め込みスピーカーでよいではないかとなるのだが、それでは僕はおもしろくなくて美しい物体が空間に存在しているところに職業感がある

引っ越してしまってからようやく完成した居間にしつらえた天井吊りスピーカーには笑い話があり、作ってしまったのはよいが仕事場のドアーは小さすぎたし、人力では梁まで持ち上げることが出来ない。それで当時乗っていた4WDのウインチで吹き抜けの天井に滑車を取り付けてセットするはめになった

スピーカーユニットはJBLのフルレンジ_LE8Tに、減衰量18デシベルで7000ヘルツ以下を抑えたスーパーツイータのシンプルツーウェイ、このユニットは大仰なマルチスピーカーシステムやマルチアンプなどの試みからよりすぐった生き残りで鎌倉時代からのお気に入り。高価だったがすでに30年以上飽きずに聴かせてもらっていて、僕はこういうものを一生を共にする本物と思って出会いを感謝している





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「工房のミュージックキャビネット」

工房建築中に作ったもので作品の原型になっている
当時は野外に持ち運べるよう反射板を折りたたみ構造にしたボックスを、車輪を取り付けたフレーム上部にセットし、機器類はソニー製カーステレオ、電源はカーバッテリーでエネルギー供給は当時出始めていた太陽光発電パネルで持ち運びコードレス。気持ちのよい昼下がりには庭の芝生で「春はじめてカッコウがないて」などを楽しんでいた。しかし消費電流に対して電力供給が間に合わず失敗、なくなく電源コードをつなげるはめになった。

カーステレオ用のスピーカーユニットはアルミハニカム振動板などが使われていて温度差などの過酷状況で壊れることがなかった。現代はパソコンからでも魔法のように音が出るが、20年を経て現在は壁に掛けられ当時と変わりなく楽しませてくれていて、とくに愛でたりはしないのだが僕にとっては苦楽を共にしたツールとなっている。当時のカセットテーブから時代はIpodといったデジタルになったが、スピーカーがアナログでありつづけていて興味深い

スピーカーボックスの中身はがらんどうなのだが、僕にとってはかけがえのない音楽という空気が詰まっているので ミュージックのキャビネットとネーミングしたのだが、これらの試みはそののち展覧会出品作品になる

スケッチ_ミュージックキャビネット.jpg
ミュジーックキャビネット_三代目のスケッチ


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