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2008.11.20

works_筥_厨子 仏壇_仕舞う・いのりのかたち

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works_厨子 仏壇_楓の仏壇_室田様2006年_photo_仕事中の写真_ - 008.jpg
「弟子達_深見昌記君・2006年M邸の仏壇の手伝い」

木工は筥物が難しいとされ、身と蓋の関係が要求されます

精緻と表現されますが、指物の得意分野といえます



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箱は容器で、なにかをしまうもの、ボックス、ケースのことですが、日本では筺 函と使い分け、「筥」という字には大切なもののいれものを、作るといった動詞が含まれるようです。
正倉院の黒柿材厨子は、厨房に置かれた食物のいれもので、神へのお供えをしまう神聖な筥と思われ、西洋の教会にはワインをしまう筥があり、その意味で僕はこれも厨子と認識しています。
また、厨の字は、キッチン 料理する場所を、厨房とすることと関連があります。
厨房は生き物を捌く神聖な料理処という意味かと思われますが、工房も文房も同義で、「房」のつく場所は大切な作業をするところといった意味があります。

仏壇は厨子の一種で大切なものの容れ物ですが、収納する、しまうことを「仕舞う、終う」と書きます。この字には、やりとげる、成し遂げるの意味があって、僕達の厨子仏壇は仕舞う筥の意です。



夕餉.jpg
「夕餉の仕度く・かつお節けずり」
2006年弟子達_石川真帆君と田所美帆君

用意したり準備することを、仕度すると書きます
仕度してする勉強には、頭でするものと体ですることがあり、五感を通して伝統が伝わることを父子相伝などといいますが、音楽では理論と譜面から学ぶことの少ない津軽三味線、フラメンコなどがこれにあたると思います。

「手伝わせる、見習わせる」には感動が伴い、人の技や心が、手を通して伝わるの意味があります。
夕餉の仕度を若者と一緒し、美味しいねと感動しますが、これには美しいの意が含まれ、料理とは食べ物に限らず、木工は樹を美しく料理する仕事です。
佳くできた人や作品を「かぐわしい、味わい深い」と五感による香りと味で表現しますが、接すると心が休まります。


顔写真_純一 .jpg


















僕のいのりのかたちは、未来の夢と時間を仕舞う筥です

円錐の屋根の厨子_2007年_金井清志邸_作品_org - 028.jpg
「いのりの像と円錐の屋根の厨子」2007年

楓の仏壇_室田様2006年_photo_仕事中の写真_ - 007.jpg
「若者達・錺金物の制作」2007年

桑厨子_行松様2007年_photo_工程_扉金物 蝶番取り付け - 0106.jpg
「若者達・内掛金物の取付け」


楓の仏壇_室田様2006年_photo_撮影中_ - 004.jpg
「若者達・撮影風景・M邸仏壇・内田君」2006年

桑厨子_行松様2007年_works_金物_厨子仏壇金物_引き手 宝珠 - 0003.jpg
「works_金工_小さな厨子の宝珠」2006年

桑厨子_行松様2007年_photo_工程_扉端喰 - 0007.jpg
「仕上げ工程・Y邸厨子」2007年

works_像_2007井上 .jpg
「いのり」2008年

筥に失敗すると、身も蓋もない仕事になったといいます

僕はテレビのない山の中で仕事をしていますが酷いニュースは伝わります

身と蓋は、夫婦や親子や国家のようでどちらが欠けても成り立たない

いずれにしても日本語は奥の深いものです。



2008.11.18

works_文房_文房具

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横顔_スケッチbw700n.jpg
文房具は楽しい
文房はインスピレーション、スケッチは夢である

1988年ペンスタンドをたくさん作った
いまだにお気に入り道具である

僕は最近、紙に描くことをしなくなった
コンピューターのお陰である
しかし振り返ってみると、このころのほうが楽しかった
文明の進歩は豊かと離れていく

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ペンスタンド11.jpg

「槐材溶銀飾 面取ペンスタンド」
「円形金溶かし込み象嵌 鍛銅製朱肉入れ」
「真鍮叩込象嵌 鍛造アルミ硯台・鑢目金箔張筆置」
ペンスタンド03.jpg
「回転するペンスタンド(スケッチ)」

ペンスタンド02.jpg
「ホルベインオイルパステルのための回転するペンスタンド」

ペンスタンド04.jpg
「真鍮球の取手のついたペンスタンド(スケッチ)」

ペンスタンド05.jpg
「鉋の面取り・さまざまな取っ手のついたペンスタンド・スケッチ」

ペンスタンド01.jpg
「鉋の面取り・さまざまな取っ手のついたペンスタンド」

works_文房具_ペンスタンドworks_設計製図 sk_ - 05.jpg


ペンスタンド06.jpg
「回転する二段重ねのペンスタンド・スケッチ」

ペンスタンド08.jpg
「庭でのパーティーのためのスケッチ」

ペンスタンド09.jpg
ペンスタンド07.jpg
「真鍮のうずまきのついたペンスタンド」


ペンスタンド10.jpg
「鉄の取っ手のついたペンスタンド」

ペンスタンド12.jpg
「画用紙のスケッチ」


顔写真_純一 .jpg


2008.11.18

読み聞かせのベンチとブックスタンド

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works_サブファニチャー_走るスケッチブック ブックスタンド - 0001.jpg
「走るスケッチブック」1989年
鍛鉄のボディに欅のブロック・グランドピアノのキャスター(自分用)

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ブックスタンドをいくつもつくったことがある

最近はあまり本を読まないそうで、
子供に絵本を読み聞かせる大人が増えている
これは読み教わりのベンチのような気もしている


時を刻むベンチと読み聞かせのブックスタンド2005年.jpg
「読み聞かせのベンチとブックスタンド」2005年 楢材と鍛鉄

スケッチ_ベンチ_読み聞かせ02.jpg


読み聞かせのブックスタンド2005年 - 69.jpg
真鍮製角度調整金物(部分)



スケッチ_ベンチ_読み聞かせ03.jpg

スケッチ_ベンチ_読み聞かせ01.jpg
読み聞かせのブックスタンド2005年.jpg

「走る読み聞かせのブックスタンド」2005年 楢材と鍛鉄




works_文房具_プ_楢材傾斜したブックスタンド - 2.jpg




「傾斜したブックスタンド」1995年銀座和光個展



ひびわれオークのブックスタンド.jpg

「真鍮と銅のついたひびわれオークのブックスタンド」1995年銀座和光個展




スケッチ_卓 台 デスク_スケッチ_サブファニチャー_077.jpg


041103〜暮らしの提案展 川島邸で_2.jpg
「回転して上下するブックスタンド」2000年銀座和光個展

2008.11.14

加飾_鍛造アルミへの叩き込み(はめこみ)象嵌(ぞうがん)

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指南帳_金工_叩き込み象嵌13.jpg
「鍛造アルミ 真鍮の飾りの付いた硯台」
「楓材摺漆仕上蓋の丸硯」 「筋鑢文様金箔仕上筆置」

器体に装飾することを「加飾」と呼びます。
よい器体によくできた加飾が施された実用品は、品格や美を備えた工芸品です。


象嵌とは器体に異素材を嵌め込み装飾とする技法で、木工にもあります。ギターのフレットには貝の象嵌が目印になっていて伝統的な装飾になっています。

「叩き込み」は、正式な呼び名ではないかも知れませんが、嵌め込む金属を叩いて延ばし、簡単にははずれないようにテーパー加工した器体の木口(穴の切り口)に押し込む技法で、伝統的な布目象嵌模様もよく観察すると同じ原理を応用しています。

加飾には、張り付けた模様もありますが、叩き込みは乱暴に扱っても強靱で、無垢素材は表面を削り取ってメンテナンスをしても再び装飾が現れます。

しかしそればかりではなく、使われた時間が野ざらしの石仏のような美を作品に加味し、日本人の侘びさびを良しとした感性、骨董の美はこのことをいうのかと思われます



指南帳_金工_叩き込み象嵌18.jpgかしめる原理の説明


鑢(やすり)による削り合わせ、槌を正確に打つ勘。象嵌のかたち、大きさ、余白、触覚など人の優れた感性が要求されるこの仕事は、失敗すると物理的な機能を持たない無意味で野暮なかざりとなります



指南帳_金工_叩き込み象嵌05 1.jpg

「工程説明」

指南帳_金工_叩き込み象嵌02.jpg指南帳_金工_叩き込み象嵌07.jpg指南帳_金工_叩き込み象嵌09.jpg

指南帳_金工_叩き込み象嵌03.jpg

「使用する鎚」


指南帳_金工_叩き込み象嵌17.jpg

銅を嵌込み、古美を硫黄(ムトウハップ)でつけますが、

錆びない金属と錆びる金属の特性を生かし、自然をデザインにしたものです


指南帳_金工_叩き込み象嵌14.jpg象嵌材には金、銀、真鍮、銅など伸びやすい金属を使います



works_文房具_鍛造アルミと紫檀のペンボックス07.jpg

「嵌込象嵌の蓋のペンボックス・2005年」



指南帳_金工_叩き込み象嵌15.jpg指南帳_金工_叩き込み象嵌16.jpg

「脚部のかしめ部分」


溶銀仕上の真鍮球で脚部を制作し、かしめた脚部

(かしめ技法はからくりとも呼んで、同じ原理を利用しています)



水に強くて汚れたら洗えること、熱に強いこと、伸びること、曲がること、叩くと素材特性が変化することは木にはない金属の特性です。
この作品はそのような特性いかして、盆栽の台、テーブルセンター、コーヒーポットの台、土瓶しき、鍋敷、趣味の煙草パイプの台など様々に使われていますが、素材の特質を生かすことができると、機能に付随した用途が広がってさまざまなデザインソースが生まれてくるのです。

子供の仕事や素人の仕事には、はっとさせられる美を備えたものがあって感動しますが「よくできた・・」とは、経験値に基づいた確かな技術と、時間の審査に叶うことのできる美、その双方を備えているもの・・といった意味あいです

指南帳_金工_叩き込み象嵌12.jpg



美しいものは「そこにある」だけでいい。

そのような心理機能が作品に備わっていることが工芸品とよばれる所以で、貧乏を愉しみに変えてしまう特技を持ち合わせることが出来る人の手と、長持ちするものをつくりたい良心の働きによって生まれたものは、人の心に働きかけるもの、絵画や彫刻と同じ存在となります。


2008.11.11

works_文房具_栃材摺漆仕上硯箱_長さ26cm_Y邸1994年

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(とちざいすりうるししあげすずりばこ)

色紙箱、短冊箱など、箱ものをよく作っていたころの作品で、こわれがちな角部分に、銀の錺金物を配したデザイン、サンドペーパーを使わず刃物の跡を残す技法が特徴です。

刳りもの (くりもの・彫りだして作る技法) が得意とする丸みを帯びた形ですが、指物で制作するために、数種の曲線削り用の豆鉋を作ったのは、直線構成になりがちな指物に力強い自然の中の形を取り入れたい思いからです。

組み立てる前に漆を塗り、固める前の微調整に、刃を漆にまけないハイス鋼でつくるのが自分の中で定着したのもこのころでした。住宅も含めて箱というものは大切なものを入れる覆いだと思いますが、中身を考えずに銘木や技法に走りがちなこれらの制作に疑問を感じ始め、住まいであればどういう生活を中身とするのかを考えるきっかけとなり、以後しばらくは箱ものから遠ざかっていましたが、日本の伝統、硯、色紙、短冊などが消えていくのは淋しい気がします。

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